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AMDがGPUマーケットでのシェアを拡大 - VR Inside

AMDがGPUマーケットでのシェアを拡大

     

AMDのGPU

VR体験で最も重要な役割を果たすデバイスは何と言ってもヘッドセットだ。ヘッドセットがなければユーザの周囲360度を囲むVR映像を映し出す場所がない。

しかし、ディスプレイには投影する映像を処理するためのGPUが必要となる。VR映像のレンダリングを行うGPUの世界では、AMDとNVIDIAが最新の技術によってより大きなシェアを獲得しようと争いを続けている。

Jon Peddie Researchが発表した最新のデータを見ると、2017年の第1四半期にはAMDがNVIDIAのシェアを奪っていく形となったようだ。

GPU市場とAMD

AMDロゴ

GPU市場の現在

ハイクオリティな映像を特徴とするPCゲームや、写真・映像の編集を行うパソコンには独立したGPUがほしいところだ。だが、文書の処理やブラウジング程度であればCPUに内蔵された統合グラフィックス機能だけでも処理を賄うことが可能だ。

最近では統合グラフィックスの処理能力も向上しており、IntelのHD Graphics 4000を使っているSteamユーザも少なくない(全体の16%)。高い映像処理能力を要求しないゲームならば、統合グラフィックス機能だけでも遊べる時代になっている。

こうした背景もあり、GPUの出荷台数そのものは減少している。低価格~中価格帯のPCでは専用のGPUを搭載しないものが多くなったからだ。

一方で、VRゲームやPC用の高品質なゲームを遊ぶための高性能なGPUの市場は拡大している。今期待を集めているのは、こちらの方だ。

GPU市場の2強

高性能なGPUの市場で最大手となっているのは、NVIDIAだ。半導体メーカーであるNVIDIAのチップは、パソコンの他にもモバイルデバイスやゲーム機などに採用されている。

GPU市場では、昨年末の時点で76.7%の高いシェアを誇っていた。

NVIDIAと並んで知名度の高いAMDは、VR関連で名前を聞くことの多い企業だ。単にVR映像のレンダリングに適したGPUを開発しているだけでなく、関連技術を開発する企業を買収したり、VRを使ったサービスを提供する企業と業務提携を行ったりとVRに力を入れていることが伺える。

昨年末時点でのシェアは23.2%とNVIDIAには及ばないものの、この2社でほとんど市場を独占している状態だ。

成長するAMD

VRに力を入れるAMD

AMDの成長

AMDは今年に入ってシェアを拡大しており、第1四半期の調査では27.5%となっている。NVIDIAはAMDにシェアを奪われ、72.5%としている。

AMDの成長は、昨年から続いている傾向だ。きっかけとなったのはPolarisアーキテクチャに基づくGPUシリーズである。

この新しいアーキテクチャを搭載したGPUによって、AMDは299ドル以下の比較的安価なGPU市場でのシェアを10%も広げている。市場全体で見ても、2016年にシェアを8%拡大する結果になった。

対抗するNVIDIA

低価格~中価格GPUの市場で躍進するAMDにシェアを奪われたNVIDIAは、自社製品の価格を引き下げることでAMDに対抗している。

NVIDIAの製品は発売から時間が経っていた。次世代アーキテクチャを搭載した新製品を発売する前に価格を引き下げることで、より多くのユーザに利用してもらうことを狙ったのだ。

確かに2017年の第1四半期にはNVIDIAのシェアが縮小している。しかし、第1四半期はGPUの売上自体が小さい時期でもある。この時期にシェアが小さくなったからといって、NVIDIAがAMDに劣っているということはできないだろう。

下半期の戦い

2017年の前半は、昨年発売された製品がGPU市場のメインとなった。しかし、下半期には今年の新製品が両社から投入される。

NVIDIAは既にハイエンドの新製品を発売している。GTX 1080 TiとTitan XpをAMDに先駆けて発売できたことはNVIDIAにとってのアドバンテージとなるだろう。

AMDは新しいVegaアーキテクチャを搭載するGPUを発売する予定だ。NVIDIAに比べて新製品の投入が遅れている分を取り返さなければならないが、GPUの売上が大きくなる時期に新製品を発売できるという強みもある。

また、このVegaアーキテクチャを搭載したGPUはAppleの新しいiMac Proにも採用されている。VRに対応した初めてのMacとなるiMac Proに採用されることで、Radeon Pro Vega GPUはVRコンテンツ制作のスタンダードとして選ばれるようになるかもしれない。

 

低価格なPolarisアーキテクチャ搭載GPUのおかげで好調を維持してきたAMDか、以前から大きなシェアを持つNVIDIAか。

両社の新製品が出揃う今年の後半には、さらに激しい競争が行われることになるだろう。

 

参照元サイト名:The Motley Fool
URL:https://www.fool.com/investing/2017/06/25/can-amd-continue-eating-nvidias-lunch.aspx

参照元サイト名:Jon Peddie Research
URL:http://jonpeddie.com/publications/add-in-board-report/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。