VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

Apple、3Dセンサーに関する特許を取得。ジェスチャー・コントロール技術実現の布石か? - VR Inside

Apple、3Dセンサーに関する特許を取得。ジェスチャー・コントロール技術実現の布石か?

     

海外メディアUploadVRは、Appleが3Dセンサーに関する特許を取得したことを報じた。

20170630-apple-1

反射光よって奥行を測定する3Dセンサー

同メディアは、Appleの特許を専門的に報じている海外メディアPatently Appleが報じたAppleが取得した3Dセンサーに関する特許を紹介した。

Appleが2015年12月21日に特許申請し、2017年6月22日に特許を取得したアイデアは、簡単に言うとカメラに内蔵されたセンサーを使ってリアルな空間の奥行情報を取得するものだ。同特許文書の概要説明には、以下のような記述がある。

3Dマップ、3Dイメージ、深度マップあるいは深度イメージ、3Dマッピングはすべて深度マッピングを参照する。

深度マッピングを実行する典型的な方法として、光学的屈折装置=DOE(diffractive optical element)を実装した光学的装置が使われる。

DOEは、複数のビーム光線を屈折させる命令を発生させることによって、ビーム光線が照射される角度を広げる。このようにして照射されたビーム光線は、任意の表面に当たって反射し、その反射した光線が検知され、この検知された反射光線を使って表面に関する深度マップを算出する。

上記の概要説明は、抽象的で直観的に理解することが難しい。直観的に理解できるように言い換えるならば、上記特許は照射したビーム光線の反射からリアルな空間の奥行情報(深度情報)を取得する仕組み、ということになるだろう。

特許文書には、ビーム光線を照射する角度を変えるDOEの部品と思われるプリズム状のモノの画像も添付されている。

20170630-apple-2

ジェスチャー・コントロールとAR

3Dセンサーを使って奥行情報が取得できれば、Google Tangoのように空間認識が可能であろう。この機能を使えば、空間やモノの位置や長さを測量できる。だがしかし、同特許にはさらなる可能性がある。その可能性とは、3Dセンサーを使ったジェスチャー・コントロールの実現である。

つまり、3Dセンサーが手を動かすことで生じる(サムズアップ:親指をあげるような)ジェスチャーに関する奥行情報を取得して、ジェスチャーの形状を識別するのだ。そして、識別されたジェスチャーによって任意のコマンドが実行できるようにすれば、ジェスチャー・コントロールが実現する。

以上のようなジェスチャー・コントロールと相性が最も良いのは、ARKitで開発されるARアプリであろう。「ポケモンGO」をプレイすればわかるように、ARアプリはカメラを使ってリアルな空間を撮影することが不可欠である。ARアプリ使用時に、スマホを何らかのかたちで固定してうえで撮影している状態をキープできれば、両手がフリーとなる。自由になった両手でジェスチャー・コントロールできれば、革命的にクールな体験ができるだろう。

そして、スマホを固定する手段としてスマホを挿入するようなバイザーを採用すれば、モバイル型ARバイザーが実現するだろう。

実のところ、もっと言ってしまえばAppleが開発しているであろうAR専用グラスにはジェスチャー・コントロールが実装される可能性がある、ということを以上の特許は示唆しているのだ。

ジェスチャー・コントロールとAppleの特許

ジェスチャー・コントロールが実装されることを仮定すると、本メディアが今まで報じてきた数々のAppleが取得した特許が違って見えてくる。

例えば、本メディアが以前に報じたスカウター状のデバイスを使った特許では、スカウターのディスプレイにリアルな世界に関する情報がAR表示される、と説明されていた(以下の画像参照)。

20170206_applear_1

20170206_applear_2

上記特許ではAR表示された情報の操作方法には、一切言及されていなかった。しかし、このスカウターにジェスチャー・コントロールが実装されているとすると、AR表示された情報をまるで映画「マイノリティ・リポート」で描かれていたジェスチャーを使って操作する、と想像できるのだ。

思い返しているとマウスを使ったクリックやスマホのタップも発明された当時は、「以前にはなかった」斬新なアイデアであった。ARデバイス・アプリに関しても、こうしたものに最適化された操作方法が発明されることがむしろ必然である。そうした最適な操作方法がジェスチャー・コントロールかどうかは予断を許さないが、AppleがARに関するスタンダードなUIを発明したとしても、過去の実績から見て何ら不思議はないだろう。

3Dセンサーに関するAppleの特許文書
http://appft1.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PG01&p=1&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsrchnum.html&r=1&f=G&l=50&s1=%2220170176249%22.PGNR.&OS=DN/20170176249&RS=DN/20170176249

Appleが3Dセンサーに関する特許を取得したことを報じたUploadVRの記事
https://uploadvr.com/apple-patent-reveals-gesture-recognition-system-using-depth-sensing/

上記記事のソースとなったPatently Appleの記事
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2017/06/apple-invents-a-3d-depth-mapping-camera-for-hand-gesturing-interfaces-for-future-macs-smartglasses.html

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com