VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

AppleがAR対応を進めるかもしれない独自のチップセットを開発中 - VR Inside

AppleがAR対応を進めるかもしれない独自のチップセットを開発中

     

iPhone

かねてからAR技術を開発していると噂され、将来的なARグラスの発売に先駆けて世界で人気のスマートフォンiPhoneシリーズにAR技術を搭載するとも言われているApple。実際にどういった技術がiPhoneで利用可能になるのかは不明だが、以前から同社がAR技術に注目していることは事実である。

そんなAppleは、iPhoneに使用しているGPUを自社製のオリジナル品へと切り替えることを考えているようだ。高性能なGPUはモバイルVRやARを実現するために欠かせないパーツであり、チップセットの変更は将来的なAR(もしかするとVRも?)への対応に向けた準備ではないかと考えられる。

Imagination Technologiesとの別れ

20160920_apple_1

Appleは、これまでiPhoneのチップセットに使用するGPU技術をイギリスのImagination Technologiesに依存してきた。その付き合いは長く、初代iPhone以来ずっとImagination TechnologiesがAppleのパートナーだった。

この関係が2年以内に解消される見込みだ。AppleはImagination Technologiesに対して、今後2年以内に同社が持つ技術の使用を中止すると語ったという。

Appleは「自社の製品を制御し、Imagination Technologiesの技術への依存を減らすために、独立・自立したグラフィック設計に取り組んでいる」と発表している。

この新しい設計に基づくチップセットが採用されれば、iPhoneの大画面をより効率的に制御できるようになるだろう。特にGPU性能の影響を強く受けるゲームにおいては、変更の恩恵も大きくなると思われる。

グラフィックチップの生産をAppleが社内で行うようになれば、同社はよりiPhoneやiPadといったデバイスを安定して制御できることになる。デバイス内部の動作を完全にコントロールできることの意義は大きい。

この声明からは、15ヶ月から24ヶ月程度の期間をかけてImagination Technologiesの技術を使わないチップセットへの乗り換えが行われると推測される。2018年の9月には、新しいチップセットを搭載した新型のiPhoneが登場するかもしれない。

ARへの対応も?

ARグラス

今回発表されたチップセットの変更は、iPhoneをAR(VRも?)に対応させる準備の一部という面もあるかもしれない。AppleがiPhoneをAR対応にさせようとしていることはCEOのTim Cookが明らかにしている。

これまでのiPhoneが使用してきたGPUも優れた性能を有してはいるが、ARやVR向けに最適化されたチップが用意される可能性は高い。AR対応のチップを作る過程でImagination Technologiesの技術はもはや不要になった、というのがAppleの判断なのだろう。

一年ほど前にはAppleがImagination Technologiesの買収を検討しているという話もあったが、今回のニュースはAppleによるImagination Technologies買収の可能性を否定するものだ。Appleはかつてのパートナーと距離を置き、オリジナルのチップセットを開発する方向へと進んでいる。

CPUに関して言えば、Appleは何年もオリジナルで開発を進めている。GPUでも独自の技術を使用できることは同社にとって、そしてiPhoneユーザにとってのメリットとなるだろう。

Imagination Technologiesはこれを拒否

Apple側はImagination Technologiesの技術への依存を避けたいと考えているが、一方のImagination Technologiesはこの動きを拒否している。Imagination Technologiesは、Appleが自社の技術を侵害することなくオリジナルのGPUを開発することは不可能だと考えているようだ。

同社の声明は次の通りだ。

「Appleは、Imaginationが求める証拠を提示していない。Imaginationとしては、AppleがImaginationの特許、知的財産、機密情報を侵害することなくImaginationの技術から独立できることを示す証拠を求めている。加えて、Imaginationは知的財産権を侵害することなく全く新しいGPUアーキテクチャを基礎から設計することが非常に難しいと考えている。よって、Appleの主張は受け入れることができない」

 

これまでにImagination Technologiesの技術を使用してきた以上、Appleが彼らの技術から完全に独立したGPUを設計することは難しいと思われる。技術の独立性を証明するのは難しく、今後の展開によっては大規模な訴訟に発展する可能性もある声明だ。

Imagination Technologiesとの問題を上手く決着させることができるかどうかで、AppleがスムーズにARの世界に入れるかどうかが決まるかもしれない。

 

参照元サイト名:Tech Radar
URL:http://www.techradar.com/news/apple-sets-up-future-iphones-for-vr-and-ar

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。