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iPhoneの画面に映った景色に直接ガイドを表示するARKitマップアプリのデモ動画公開 - VR Inside

iPhoneの画面に映った景色に直接ガイドを表示するARKitマップアプリのデモ動画公開

        2017/08/01

海外メディアRoadtoVRは、ARKitで開発されたマップアプリのデモ動画を紹介した。

行先までの矢印がAR表示される

携帯情報端末の普及以降、行先をマップアプリで確認するのは半ば常識となった。しかし、この「常識的な」行為を実行するためには、ヒトのスキルが不可欠だ。つまり、画面に表示されているマップと、ユーザーが現在いる場所を照らし合わせなくてはならない。この二次元的なマップと三次元世界にいるユーザーの位置の照合は、どんなにマップが高精細であろうと、ユーザーの現在位置表示がどんな高精度であろうと、ヒトにその実行が求められるのだ。

こうしたマップアプリのわずらしさを解消するアプリが登場しそうだ。そのアプリとは、ARKitを活用してiPhoneのカメラに表示された現実の世界に、行先を示した矢印を直接AR表示するのだ。ユーザーは、目の前の景色に追加された矢印を頼りにすればよいので、もはやマップと現在位置の照合が不要となる。

以上のようなARKitマップアプリのデモ動画は、ロンドン在住の開発者Andrew Hartが自身のツイッターで公開した。

同アプリは、ARKitとユーザーの現在位置を取得するフレームワークであるCore Locationを活用している。さらに、同アプリに類似したものとして、同氏は建物名や地名をAR表示するデモ動画も公開している。

ふたつめのデモ動画は、様々な目的に応用できそうだ。観光地の名称をAR表示するのはもちろんのこと、例えば現在位置からカメラをかざせば飲食店の場所と名前が表示されるアプリも開発できそうだ。

このデモ動画のGithubリポジトリ https://github.com/ProjectDent/ARKit-CoreLocation

Appleの特許から見るARKitの可能性

実のところ、以上に紹介したARKitマップアプリに似たようなアプリに関する特許を、すでにAppleが取得している。

ARマップと2Dマップの切り替えができるマップアプリ

図1:iPhoneの背面カメラの画像に地図情報をAR表示することを説明した図

本メディア2016年11月6日付の記事では、マップをAR表示するアプリに関するAppleの特許について報じた。

同特許は、iPhoneの背面カメラから任意の場所を撮影すると、撮影中の動画に対してリアルタイムに地図情報がオーバーレイ表示される、というもの(上の画像参照)。このアプリは、まさに本記事で紹介したARKitマップアプリにほかならない。

同特許では、さらにiPhoneの向きによっては(例えばiPhoneの背面カメラが地面に向いている時には)撮影画面から、地図を真上から見下ろす(通常の地図アプリの表示方法である)バードアイ・ビューに切り替わってAR表示の有無が自然に遷移する、という記述もある(下の画像参照)。

図2:バードアイ・ビューに切り替わったマッピング表示

以上のような特許があることから、AppleがARKitを活用した純正マップアプリをリリースする可能性も考えられる。現在では、マップアプリと言えばGoogleマップであるが、ARKitがリリースされたら定番のマップアプリが変わるかも知れない。

「iGlass(AppleGlass)?」に関する特許

行先までのナビゲーションをAR表示するマップアプリは、マップと現在位置の照合を不要とする点において、非常に画期的である。だがしかし、ARマップアプリを使うときには、どうしても「歩きスマホ」をしたくなる誘惑に駆られるだろう。やはり、ARの真のチカラを発揮するためには、スマホは決して最適なデバイスではないのだ。

当然ながら、Appleはそのことを心得ている。そのうえで、同社はAR機能に最適化されたグラス型デバイスの特許もすでに取得している。

本メディア2017年2月6日付の記事では、そうした同社のグラス型デバイスの特許を紹介した。

その特許によると、小型のデバイスを目の前にかざすとそのデバイスに実装されたカメラを通して、現実世界に情報がオーバーレイ表示される、と説明されている(下の画像参照)。

同デバイスの装着方法についても図解されており、ARデバイスの先駆けとなったGoogle Glass、もっと言えば(マンガ「ドラゴンボール」に登場する)スカウターのように顔の横から装着するようになっている(下の画像参照)。

ARグラスのリリースをも内包しているかも知れないARKitは、ちょうどスマホの登場によって生活が一変したように、今の日常生活を決定的に変えてしまうポテンシャルを秘めていると見て間違いないだろう。

ARKitで開発されたマップアプリのデモ動画を紹介したRoadtoVRの記事
https://www.roadtovr.com/arkit-project-demonstrates-turn-turn-directions-giving-future-glimpse-ar-enabled-maps/

 

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吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com