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HoloLensが可能にするエコー検査の新しいトレーニング - VR Inside

HoloLensが可能にするエコー検査の新しいトレーニング

     

HoloLensでエコー検査のトレーニング

リアルな空間にカラフルな3Dオブジェクトを重ねて表示できるMicrosoft HoloLens。SF映画に登場する未来さながらに、リアルとバーチャルが組み合わさった風景を作り出すことのできるヘッドセットだ。自由にバーチャルな空間を作れるVRヘッドセットとはまた違った利用方法が考えられる。

そんなHoloLensと特に相性が良さそうなのが医療分野である。患者のバイタルサインのような重要な情報を視界の片隅に表示したり、難しい処置をARでサポートしたりといった利用法が考えられる。脳波を計測する装置と組み合わせることで、患者の痛みを可視化するという研究も行われている。

CAE Healthcareから、HoloLensを使ったエコー検査のトレーニングシステムVimedixARがリリースされることが発表された。

VimedixAR

VimedixARは、Microsoft HoloLensを使ってエコー検査のトレーニングをするためのシステムだ。HoloLensを通してみると、医療用のVimedixマネキンの内部には3Dの内蔵や骨格が表示される。

マネキンに検査器具を当てることで、エコー画像ではそれぞれの臓器がどのように見えるのかを確認することが可能だ。どの部位に、どうやって超音波が当たることでその画像が生成されるのかをひと目で確認できるため、エコー画像と人体の構造とのリンクを深く理解できる。

学習のためにホログラムを操作して、人体の構造を詳しく観察することもできるようになっている。マネキンに合わせて身体全体を表示するだけでなく、循環器や呼吸器だけをピックアップしたり、心臓のみを大きく表示することも可能だ。

複数のユーザが同じホログラムを見ることができるので、教師が複数の学生に人体の構造を示すときには重宝するだろう。自分の位置からでは分かりにくい部分をよく見るために、学習者自身が移動して裏側を覗き込むことができるのもARならではだ。

CAE Healthcareは、Microsoft HoloLensのアプリケーションを医療シミュレーションの市場に導入した初めての企業である。

解剖学を学習するためのVR/ARアプリは構想段階のものから実際に販売されているものまで複数存在するが、VimedixARの特徴は検査器具やマネキンといったハードウェアがホログラムと組み合わされているところだろう。

単に知識を学ぶだけでなく、検査のイメージを強化できるのがVimedixARの利点だ。

関係者のコメント

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Microsoft HoloLensは、医療や医学教育で使われるシミュレーションを大きく変えようとしている。CAE Healthcareの社長、Robert Amyotは語る。

「我々は医療シミュレーションにおけるフロンティアの最先端に立っています。AR技術・VR技術は学習スピードを速め、没入感があって魅力的な臨床環境での複数人で共有可能なトレーニングをもたらします。

当社のエンジニアリングチームは、既にMicrosoft HoloLensが持つ可能性を試し始めています。業界のパートナーにHoloLensをキーとするソリューションを提案するのが楽しみです」

CAE Healthcareのチームは、Microsoft HoloLensを取り入れた医療用トレーニングシステムのプロトタイプ開発に着手している。また、同社は専門教育の促進を期待されてもいる。

人体の解剖学とHoloLensの力を組み合わせたCAE Healthcareのシステムがあれば、医師は実際の手術を行う前に心臓を補助する装置やインプラントの埋め込みを早く、正確に行う訓練が可能だ。

CAE Healthcareのこの取り組みは、マイクロソフトがHoloLensやMRを使って目指しているものとも一致しているようだ。マイクロソフトでHoloLensとWindowsでの体験を担当するゼネラルマネージャーのLorraine Bardeenも次のように語っている。

「マイクロソフトがHoloLensとMRで目指しているのは、顧客が3Dコンテンツを見て、触れることで想像し、コラボレーションし、情報を消費する助けとなることです。彼らの試みには勇気づけられ、患者の教育や医療分野のトレーニングにホログラフィックコンピューティングが活用されることに興奮しています」

 

Microsoft HoloLens用のアプリケーションは、技術デモ的なものだけでなく実用的なものが増えてきている。まだ本体の製品版はリリースされていないが、そのための準備は着実に整いつつあると言えるのではないだろうか。

ゲーム向けのVRヘッドセットに比べると一般ユーザへのアピールは弱いHoloLens。正式発売されれば、教育や医療といった分野での採用が進みそうだ。

 

参照元サイト名:MSPoweruser
URL:https://mspoweruser.com/see-cea-vimedixar-ultra-sound-training-simulator-with-the-microsoft-hololens-in-action-video/

参照元サイト名:CAE Healthcare
URL:https://caehealthcare.com/hololens#Updates

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。