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「DeepFrame」はARを一緒に見られる窓になる - VR Inside

「DeepFrame」はARを一緒に見られる窓になる

     

窓の向こうにAR

DeepFrameは複数人で同時にARを見る用途にも適している

AR専用に開発されたヘッドセットのようなデバイスも存在するが、そうしたデバイスでARを見られるのは着用者本人だけになってしまう。VRについて言われていることと同じで、これで得られるARの体験は閉じたものだ。

だが、RealFictionが開発を進めているDeepFrameを使えば上の写真のように複数の人が同じAR映像を見ることも可能となる。

AR技術を使うデバイス

Raptorで視界に情報を表示する

サイクリスト用ARグラス「Raptor」で視界に情報を表示する

個人用のARデバイス

現在、AR技術を使ったデバイスとしてヘルメット型やサングラス型などが開発されている。こうしたデバイスの優れた点は、ユーザが頭に付けることで自然に目の前に情報を表示できるところだ。メガネをかけるのと同じで、意識してデバイスをかざす必要はない。

視線を外したり、手を止めたりせずに情報を確認できるので機械の操作中などにも利用可能なことが特長となっている。

例えば、「Raptor」はサイクリスト用のスマートグラスだ。このサングラスには、戦闘機パイロットのヘルメットに組み込むために開発されたAR技術が利用されている。上の画像のように、現在の速度や心拍数といった情報を運転中に確認できる。

視線で操作できるスマートヘルメットなら、作業中にマニュアルを確認するのも簡単だ。さらに、熱や危険な化学物質を感知するセンサーが装備されていれば作業員の安全を守ることにも繋がる。

こうしたARデバイスは、基本的に身に着けたユーザにだけ情報を与えるものだ。個人に合わせて世界の見え方を変える存在だと言うこともでき、その究極の形はARコンタクトレンズだろう。コンタクトレンズサイズのデバイスによる情報表示はまだ難しいが、実現すれば完全にSF映画の世界だ。

一緒に見られるAR

一方で、その手軽さから人気があるのはスマートフォンやタブレット端末で利用できるARアプリだ。こうしたアプリは新しく専用のARデバイスを購入しなくても、多くの人が持っているスマートフォンで利用できる。

着用者のみが見ることを想定したデバイスと違って、周囲の人と簡単に共有できるのも利点だ。共有することがない個人的な情報を表示するには向かないが、写真や動画にAR効果を加えるようなアプリならばこちらの方が適している。

DeepFrameは、こうした他の人と一緒に見られるARの進化系と言える。複数の人が同じオブジェクトを見ることができる製品としてはマイクロソフトのHoloLensがあるが、そのためには人数分のHoloLens本体が必要だ。一台のデバイスで複数の人がオブジェクトを見られるわけではない。

DeepFrame

DeepFrameは、デンマークの企業RealFictionが開発を進めている大型ARディスプレイ(RealFictionはMRディスプレイと呼んでいる)だ。

世界最大級のこのディスプレイにはフルカラー・4Kの映像を表示することができる。まるでその場にキャラクターが存在するかのような表現が可能だ。

大きさの意味

DeepFrameは、個人が自分専用のデバイスとして利用する製品というよりも複数の人が同時に見られるデバイスとしてデザインされている。スマートグラスやスマートヘルメットとは目的が違う製品なのだ。

期待されているのは、企業が行う製品のデモなどへの利用である。一台のDeepFrameを設置するだけで、イベント会場を訪れた多くの来場者が新製品を目にすることが可能となる。

もちろんスマートフォン向けのARアプリやスマートグラスを使って製品を見せることもできる。だが、そのためにはユーザ一人一人のためにデバイスを準備しなければならない。

DeepFrameには64インチの巨大なスクリーンが搭載されているので、後ろの人も画面を覗き込むことができるだろう。

販売

DeepFrameは企業に向けてのみ販売されており、注文によってはディスプレイをさらに大きく(または小さく)することもできるようだ。

一般の消費者に向けた販売は行われておらず、価格も公表されていない。

 

RealFictionの共同設立者、Peter SimonsenはこのDeepFrameがMRディスプレイの新しい標準になると考えている。自動車のショールームやテーマパークのアトラクションなど、DeepFrameを利用できそうな場面は多い。

非公開とされている価格は安くないだろうが、用途によっては複数のヘッドセットを購入するよりも経済的なソリューションになりそうだ。デバイスを身に付ける必要がないので、煩わしさを感じさせない点でも優れている。

 

参照元サイト名:Mashable
URL:http://mashable.com/2017/05/16/wink-bar-turns-bikes-into-smartbikes/

参照元サイト名:RealFiction
URL:https://www.realfiction.com/solutions/mixed-reality/deepframe

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。