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ディズニーランドにARアトラクションができるかも?CEOが可能性を示す - VR Inside

ディズニーランドにARアトラクションができるかも?CEOが可能性を示す

     

NGを伝える男性

VRヘッドセットを使ったVRゲームが家庭で遊ばれるだけでなく、VRコンテンツに合わせた舞台でプレイするロケーションVRが人気だ。また、アメリカでは従来のテーマパークでもVRを用いたアトラクションを用意するところが出てきている。

アトランタ州のシックス・フラッグス オーバー・ジョージアでは、50周年を記念するアトラクションとして期間限定ながらVRと絶叫マシンのコラボレーションが楽しめる。カリフォルニア州のナッツベリー・ファームでも、昨年の夏に期間限定でVRを利用したアトラクションが開催されていた。そのときの人気を受けてか、この4月からはVRシューターが常設されるという。

テーマパークのアトラクションとしても人気のVRだが、全てのテーマパークがその採用に積極的なわけではない。ウォルト・ディズニーのCEOは、ディズニーランドの訪問者にVRゴーグルを付けてバーチャルな夢の国を体験してもらおうとは考えていないようだ。

代わりに、ARアトラクションの可能性についてコメントしている。

リアルだが本物ではない体験

マシンとVR

ディズニーランドのライバルとなる他のテーマパークでは、VRをアトラクションを盛り上げるための小道具として利用している。施設に元からあるライドも、VRヘッドセットを使った映像と組み合わせることで全く新しい体験として来園者を楽しませることができるからだ。

あるいは、VRゲームを主役にしたアトラクションも考えられる。特に自由に動き回れるワイヤレスなVRはまだ珍しいため、それ自体に十分来園者を惹き付けるだけの魅力がある。

こうしたVRの利用は、テーマパークを運営する企業にとっても手軽に来園者を楽しませるための方法だ。しかし、ディズニーランドでこうしたVRアトラクションを体験することはできないらしい。

ウォルト・ディズニーのCEO、Bob IgerはVRヘッドセットは現実を破壊する「偽物」だという。彼はチームのメンバーに、VRをアトラクションに使おうと考えないように指示している。

AppleのCEO、Tim CookもVRヘッドセットがユーザを現実から切り離してしまう点を危惧している。

彼らの考え方はある一点において一致している。現実を隠して架空の現実を見せるVRよりも、現実をベースにしたARの方に大きな期待を寄せているのだ。

テーマパークとAR/VR

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Igerは、アトラクションにVRを利用することに対して否定的だ。その一方で、ARを利用したアトラクションを作る可能性はあると語っている。

アトラクションでARを利用する場合、Magic Leapのようなヘッドセットを使ったものになる可能性が高い。しかしVRヘッドセットと違って、そのARヘッドセットは周囲を見えなくするようなことはない。

Magic Leapの本体とされる画像を見ると、かなり大がかりな装置を必要としているようだ。これがもっと小型化・軽量化されれば、アトラクションに利用することも可能になるかもしれない。

テーマパークにVRは必要ない?

ショッピングモールやゲームセンターにVRを使ったゲームのコーナーが開設されるのは分かる。VRはプレイヤーを周囲から切り離し、ゲーム内の世界に没頭させてくれるからだ。

テーマパークであっても、ロボットとのハイスピードな銃撃戦のように現実では不可能な体験をVRで作るのはアリだろう。しかし、何でもVRで作るならばテーマパークそのものが不要になってしまう。

テーマパークはその場所全体がいわばバーチャルな存在である。外の世界からは切り離されており、現実には存在しないキャラクターが園内を歩いていたり、最先端の技術でも行けない場所へと連れて行ってくれるライドがあったりする。そこにあえてVRヘッドセットを持ち込む必要はないのかもしれない。

来園者は実際に猛スピードで走るコースター、生身のパフォーマーとキャラクターが参加して花火やライトを使うパレード、「本物」のバーチャルな世界を求めてテーマパークを訪れるのだ。せっかく作り上げた本物を見えなくしてしまうからこそ、IgerはVRヘッドセットが見せるVRを偽物と言っているのだろう。

VRで満足なユーザに対しては、パークそのものをVRで作ってしまうことも可能になる。MMOneのようなマシンと対応するVRコンテンツがあれば、居ながらにして様々なアトラクションをVRで体験できてしまう。

ディズニーが目指す夢の国は、そのようなものではないはずだ。

テーマパークとARの相互作用

ARの優れた点は、現実「も」見えることだ。精巧に作られたパーク内の町並みはそのままに、実際には存在しない作品中のキャラクターをそこに登場させることができる。これこそテーマパークの究極の形ではないだろうか。

テーマパークという舞台がARをより現実らしく見せるし、ARがテーマパークをより作品世界に近づける。その場に出かけていって作品の世界を楽しむという目的に限っては、VRよりもARの方が適していると言えそうだ。

 

もちろん、VRにも優れた点はある。テーマパークでの利用に限っても、リアル+ARで再現するのが難しい作品やシーンもあるはずだ。現実に模型を作るとチープになってしまう作品や、技術的に模型を作れないキャラクターもVR空間には登場させられる。

VRが広く利用されていることもその有用性を示している。しかしIgerは、少なくともディズニーランドで使うにはARが向いていると考えているようだ。

現時点では具体的にARアトラクションを考えているという話は出ていないが、来園者を楽しませる企画が密かに進められているのかもしれない。

 

参照元サイト名:Los Angeles Times
URL:https://www-latimes-com.cdn.ampproject.org/c/www.latimes.com/business/technology/la-fi-tn-disney-augmented-reality-20170323-story,amp.html

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。