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インドの不動産取引サイトを運営する企業がVRとARの特許を申請 - VR Inside

インドの不動産取引サイトを運営する企業がVRとARの特許を申請

     

インドの住宅

不動産業界ではVRやARの技術を取り入れている例が多く見られる。

最も頻繁に見られるのが、VRを使って物件の中を自由に見て回ることができるサービスだ。VR技術を使えば遠く離れた場所からでも内覧を行うことができる。さらには、まだ完成していない物件の中を歩き回ることさえできるようになる。

Elara Technologiesが国際特許を申請したのは、3DのVRとARで利用されるデータを圧縮して軽量化し、さらにプログレッシブロードを可能にする技術だという。

不動産会社がショールームを構えてVRコンテンツを提供する場合には問題にならないが、オンラインの不動産取引サイトでは「VRアプリの通信が遅くて使いにくい」ということも考えられる。

同社の技術は、通信速度の遅い環境でもVRでの内覧を利用しやすくしてくれそうだ。

Elara Technologies

Elaraの提供するVR間取り図

3D技術の獲得

Elara Technologiesはシンガポールに拠点を置く企業であり、子会社を通じてインドの不動産取引サイトPropTiger、Housing、Makaanを所有・運営している。

3DのVR/AR映像を処理する技術に関連する国際特許の申請した同社は、企業の買収によって3DやARの技術を獲得してきた企業だ。

2016年には3DPhy(3D映像での視覚化を研究するスタートアップ企業)やOut of Box Interactions(OoBI/ユーザインターフェイスのデザイン会社)を買収している。

3Dプラットフォームの開発

Housingは、Slice Viewと名付けられたプラットフォームを開発した。このプラットフォームでは物件をインタラクティブな方法で調べ、事前に予約することが可能となっている。

建物の3Dモデルを表示してフロアの間取りを確認するだけでなく、さらに詳細な3Dの間取り図(ユーザが部屋をイメージしやすくするために、家具も配置されている)を見ることも可能だ。

チェンナイやバンガロールで行われた3つの開発プロジェクトで、このSlice Viewを使って物件を探索するという方法が利用できた。

ライバルの動き

3DやVR技術が不動産取引に役立つと考えているのはElara Technologiesだけではない。

ライバルとなるMagickbricksも、VRを利用している企業の1つだ。Magickbricksは、ムンバイの体験センターで訪問者にVRツアーを提供している。

また、不動産取引ポータルのIndiaProperty.comも同様だ。こちらも3Dを使ってバーチャルな建物を訪問できるツアーを2014年の7月から提供している。

Elara Technologiesのデモ

Elara Technologiesが現在研究を進めている技術については、デモでその内容を確認することが可能だ。現在公開されているデモの内容は、過去にSlice Viewで提供されていたものと変わっていないようだ。

デモサイトでは真上から3Dモデルを見下ろして間取り図を重ねたり、模型を眺めるように3Dモデルを回転させて好きな角度からイメージを確かめることができる。建物の窓はきちんと透過処理がなされているので、ベランダから室内を覗いたときに何が見えるのかまでチェックできる。

部屋をクリックすると、その部屋の中に視点が移動する。グーグルマップから特定の場所にピンを落としてストリートビューを表示するような感覚だ。

室内では自由に向いている方向を変え、画面をクリックして移動することができる。部屋同士は繋がっているので、そのまま隣の部屋に入ることも可能だ。室内には家具・家電やインテリアも設置されており、その部屋での生活が想像しやすいようになっている。

建物内に入ると右下にVRボタンが表示されるが、スマートフォンからのアクセスでないとVRモードに切り替えることはできないようだ。

特許技術

ダイニングルームの様子

デモサイトで確認できるVRツアーは、不動産会社が提供するごく一般的なVRツアーとしての機能しかない。

今回Elara Technologiesが特許を申請したのは、特別な機能というよりも裏側で動作を支える処理の部分だ。特許は、データの圧縮とプログレッシブロードからなる。

3Dモデルのデータサイズを圧縮することで、パソコンに比べて処理能力で劣るスマートフォンやタブレット端末でも快適にVRツアーが利用できる。

プログレッシブロードは、「漸進的に」データを読み込む技術だ。データの一部を読み込んだ時点で操作が可能になることで、ユーザの待ち時間を減らす効果がある。特に通信速度が出ない環境では威力を発揮する。

Elara Technologiesによれば、アルゴリズムによって2Dの画像から3Dデータを抽出し、そのデータを社内の画像処理エンジンが3Dモデルとしてレンダリングするという。

ユーザは、インターネット経由でこのデータにアクセスし、VRツアーやその他の機能を利用できる。

 

不動産業界では、VR技術を取引の促進に利用している。多くの企業が同様の試みを行っている現状、サービスの快適さは重要なポイントの一つになるだろう。

Elara Technologies以外のライバル企業も、ユーザエクスペリエンスの向上を目指して技術の開発を続けているはずだ。不動産業界のVRサービスは、さらにユーザに優しいものに進化していく。

 

参照元サイト名:Medianama
URL:https://www.medianama.com/2017/06/223-elara-technologies-files-a-patent-for-ar-and-vr/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。