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レストランHoneygrowがVRトレーニングにDaydreamアプリを使う理由 - VR Inside

レストランHoneygrowがVRトレーニングにDaydreamアプリを使う理由

     

Honeygrowのトレーニングアプリ

Honeygrowのトレーニングアプリ

VRを従業員のトレーニングに取り入れている企業は様々な業種で増えている。

機械の扱いを覚えなければならないエンジニアや手術の事前シミュレーションを行う外科医のような職業はもちろん、接客を行う小売店の店員やファストカジュアルレストランの店員を教育するためにもVRアプリが活用されている。

過去にVRを従業員教育に取り入れている企業として紹介したアメリカのファストカジュアルチェーンHoneygrowが利用しているVRアプリについて、海外メディアRoad To VRが詳細を伝えている。

VRトレーニングアプリの導入

ビデオによるトレーニング

個人経営の小さなレストランと違って、チェーン展開するファストフードやファストカジュアルの店舗では接客・調理のいずれもマニュアル化されているのが一般的だ。

そうした店舗で働くためには、まずマニュアル通りに仕事をこなせるようにならなくてはならない。何も知らないままスタッフとして店舗に出ると来店した顧客に迷惑をかけてしまうので、まず講習ビデオを見せられるのが普通だ。

しかし、そうしたビデオは往々にして退屈なものである。お世辞にも楽しいとは言えず、集中するのは難しい。

たとえ集中していたとしても、映像で見るのと実際に接客や調理を行うのは全く違うものだ。形式的に内容を覚えはしても、実際にスキルを自分のものにするのは店頭に立つようになってからというのも珍しいことではない。

VRによるトレーニング

Honeygrowでは、退屈なビデオによるトレーニングの代わりにVRを使ったトレーニングを用意した。

このVRアプリはインタラクティブアートスタジオKlip Collectiveが作成したもので、企業文化の概要を伝えるものであると同時に従業員の教育を目的としている。

アプリには2Dおよび3Dのアニメーションと360度カメラを使って撮影された実写映像が使われており、インタラクティブなゲームも含まれている。

インタラクティブ要素は、従業員が飽きずにトレーニングを受ける助けとなるものだ。

デベロッパーによる紹介

honeygrow VR headset record from Klip Collective on Vimeo.

トレーニングアプリを作成したKlip Collectiveは、ブログの記事でこのアプリを紹介している。

Daydreamリモコンの使用

PCベースのVRヘッドセットでは没入感の高いハンドトラッキングコントローラーを使った操作がメジャーとなっているが、VRデバイスの普及状況を考えればHoneygrowで働くことになった従業員がそれまでVRに触れたことが無い可能性も高い。

HoneygrowのVRトレーニングアプリはDaydreamプラットフォーム用に作成されており、操作にはDayream Viewのリモコンを用いる。

VRゲーム用のコントローラーとしてはHTCのワンドコントローラーやOculus Touchに劣るが、ゲームがメインのコンテンツではないので扱いやすさの方が大切だ。

デベロッパーはリモコンを使った操作が簡単なもので、特にVRを初めて触るようなユーザには適していると語っている。

「私たちは、ユーザがDaydreamリモコンを使って簡単にVRの操作をしていることに気づきました。リモコンは、Oculus Gear VRのタッチパッドを使った操作よりも直感的にアプリをコントロールできます。

リモコンには複数のボタンがあるので、シンプルなクリック以外の機能を他のボタンに割り当てることもできました。元々使っていなかったボタンの一つは、内部でのデモのための隠しメニューにアクセスするために使われています」

Nokia Ozoによる撮影

Nokia Ozo

撮影に使われたノキアのOzoシステム

彼らは、360度の実写シーンを撮影するために使用した機材も紹介している。

360度映像の撮影にはノキアのOzoが使われ、効率的な撮影を可能にしたという。

「Ozoシステムでは、Oculusヘッドセットでのリアルタイムプレビューが可能です。監督、撮影監督、そしてクライアントがすぐにプレビューを利用できます。

この機能によって誰もが快適に、効率的に撮影を進めることができました」

360度映像作成する場合、2D映像の撮影で利用していた方法やテクニックをそのまま利用できない場面が多い。しかし、このシステムでは撮影した映像をすぐにプレビューできるので伝統的な2D映像の撮影に近い感覚で作業を進めることができたようだ。

映像の編集とアプリケーションの開発

アプリ内で素材となる360度映像の撮影が済めば、次は撮影した素材の編集作業だ。この作業ではAdobe Premiereが使われ、チームはVR上で映像の編集やプレビューを利用できた。

映像の編集を終えたチームは、Unityを使ってアニメーションやアプリのプログラム部分の開発に入った。

アプリはOculus Gear VRプラットフォームで開発されていたが、後にリモコンを使ったコントロールのためにDaydreamプラットフォームへと切り替えられることになる。

現在はGear VRにもリモコンが存在するが、アプリの開発は今年の4月よりも前に行われたようだ。

 

Honeygrowの各店舗にはGoogle PixelとDaydream Viewが用意され、初めて従業員が働くときにはVRトレーニングを受けてから店頭に出るという。

Daydream Viewは比較的安価なVRデバイスだが、利用にはPixelのようにDaydream Readyな高性能スマートフォンが必要だ。こうしたスマートフォンは価格が高く、Google Cardboardほど気軽に導入できるVRプラットフォームではない。

たがVR体験の質はCardboardよりも高く、VRデバイスに慣れていないユーザにとっても使いやすいリモコンによる操作にも対応している。

Oculus RiftのようなPCベースのVRヘッドセットは本体価格が高いだけでなくVR対応のPCも設置しなければならないことを考えると、従業員のトレーニング用にDaydreamプラットフォームのVRアプリを使うのはバランスの良い合理的な選択かもしれない。

ウォルマートのように専用のトレーニング施設を使う場合や、マルチユーザ対応のトレーニング環境が必要な場合はともかく、小さな店舗でも使いやすいのがモバイルVRのメリットだ。

 

参照元サイト名:Klip Collective
URL:https://www.klip.tv/honeygrow-vr/

参照元サイト名:Road To VR
URL:https://www.roadtovr.com/restaurant-using-google-daydream-train-employees/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。