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HTCが中国で教育機関向けViveパッケージを発表 - VR Inside

HTCが中国で教育機関向けViveパッケージを発表

     

Viveを体験する人たち

HTCは最近、アジア市場にViveを広めるための活動に力を入れているようだ。タイのような成長しつつある市場を拡大させることはもちろん、既にVR市場として重要になっている中国での活動も忘れていない。

今週中国の深センで開催されたVive Ecosystem Conference 2017で、HTCはViveのまとめ売りパッケージ「Vive Group Edition Bundle」を発表した。

このパッケージは、複数のVRヘッドセットを使う中国の教育機関をターゲットにしている。

Vive Group Edition Bundle

教育機関向け

教育機関での使用を想定したこのVive Group Edition Bundleには、VRヘッドセットViveの本体が10台と、2台のベースステーションが含まれている。価格は49,999元(81万円)だ。

約5万元という価格は、10台のVive(ビジネスエディション)を購入した場合に比べて6割ほどと、かなり割安に設定されている。複数のVRヘッドセットを導入しようと考えている機関にとっては、非常に魅力的なオファーだ。

個人が家庭用に購入するようなパッケージではないが、教育機関でのVive利用を促進する効果は十分だろう。

低価格の理由

Vive Group Edition Bundleは、ヘッドセットの数の割に安い。しかし、価格が安いのにはきちんとした理由がある。このパッケージには10台のヘッドセットが含まれているが、ヘッドセットをトラッキングするための追加ベースステーションは含まれていないのだ(通常のViveビジネスエディションには、1台のヘッドセットと2台のベースステーションが含まれる)。

HTCはこのパッケージを用意した理由について、ハイエンドVRを複数のユーザが使うソリューションの要望が多くあるためとしている。

ViveのようなPCベースのハイエンドヘッドセットは、高性能なPCを必要とする。10台のViveには10台のVR対応PCを用意しなければならないので、金銭的な負担が大きい。PC無しでViveを使うことはできないため、ベースステーションを減らしてシステム全体のコストを下げるというアイデアが生まれたようだ。

PCとViveのセット数を減らすこと無くシステムのコストを下げるには、ベースステーションを一人あたり2台使うのをやめればいい。一部屋に2台のベースステーションを設置して複数のユーザが共有すれば、コストは下げられる。

また、コントローラーも付属していない。教育用のアプリケーションを使ったりVR映画を見るのであれば、コントローラーがなくてもヘッドセットを使う上で問題はない。

想定する利用法

調査結果のグラフ

HTCの中国代表であるAlvin Wang Graylinは、このパッケージが教育機関やVRアーケードでの利用に適していると説明する。このパッケージの利用は、単に映画を一緒に見るのと同じくらい簡単だ。VR映画館は、パッケージをそのまま使うことができるだろう。

教育機関では、世界中の場所をバーチャルで訪れることで地理を学ぶ助けにしたり、リアルな太陽系のシミュレーション映像を間近に感じて天体に興味を持たせたりすることができる。こういった用途であれば、VRゲームに使うようなコントローラーは不要だ。教育用のアプリケーションは豊富に存在している。

もちろん、オプションとして追加でコントローラーを注文することも可能だ。コントローラーがなくてもVRは授業をより印象的なものにしてくれるが、コントローラーがあればさらにその可能性は広がるだろう。VRで化学実験を行うアプリならば、扱うのが危険な物質を使った実験も行える。

VRは子供の目に悪い?

VRが子供の目に悪影響を与える可能性についてはかねてから指摘されているが、Graylinはこれを否定する。彼は今年の初め、北京工科大学とともに調査を行ったという。

調査では、9歳から12歳までの若い被験者を対象とした。彼らに20分間VRヘッドセットを使ってもらったところ、全体の8%は使用前よりも視力が悪くなっていた。

「やはり子供はVRヘッドセットを使うべきではない」と思いそうな実験結果だが、対照群ではより視力が悪くなっている。同様にタブレット端末を使用した場合、11.5%に視力の低下が見られたという。

さらに、VRヘッドセット使用後には20%の子供たちで視力が改善した。タブレット端末を使用した場合でも、7.7%の子供たちは視力が向上している。

この結果は、VRヘッドセットやタブレット端末の使用によって目の筋肉がほぐれたことを示しているのかもしれない。映像を見ることで視力を回復させる(正確には、本来の視力を発揮できるようにする)ことを謳うソフトウェア・アプリケーションは多数あるが、それらと同様のことが起きたのだろう。

視力の変化がどの程度だったのかは不明だが、この結果を信じるならば「VRヘッドセットが子供の目に大きな悪影響を与えることはなく、少なくともタブレット端末よりは影響が小さい」ことになりそうだ。ただ、この研究は短期間のものでしかない。

長期的にVRを使用した場合の影響については未知数だ。他の研究で同様の結果が出るまでは、子供のVR視聴に注意した方が良いだろう。

 

HTCは現在中国で数十の学校と提携しており、授業にViveが取り入れられている。同社は2017年中にこの数を数百~数千にまで増やしたいとしている。Vive Group Edition Bundleがこの数を増やすのに貢献すれば、中国以外の地域でも同様のパッケージが提供されることは十分に考えられる。

参照元サイト名:Engadget
URL:https://www.engadget.com/2017/03/29/htc-vive-group-edition-education-schools-china/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。