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今夏登場のLightform技術があらゆるものをARスクリーンに変える - VR Inside

今夏登場のLightform技術があらゆるものをARスクリーンに変える

     

プロジェクターとLightform本体

ARデバイスと聞くと、どうしてもGoogle GlassのようなARグラスが浮かんでしまう。だが、将来一般化するARデバイスがみんなサングラスのような形とは限らない。改善されてきていることは事実だが、Nowakが指摘するようにARグラスが普及しないと思われる理由もある。

上の記事では、顔にかけるARグラスよりも日常生活で使う道具に情報をプラスするような形のARデバイスの方が消費者に受け入れられやすいだろう、と言われている。フロントガラスに情報表示が行える自動車や、ARでヘアスタイルを試せる鏡台というのは実現すれば使い勝手の良さそうなアイデアだ。

それをさらに一歩押し進めたのがLightform技術の目指すところかもしれない。Lightformは、プロジェクションマッピングによってあらゆるものをARのスクリーンに変えてしまう。

ARとプロジェクションマッピング

プロジェクター

一般的なプロジェクターは、専用のスクリーンやホワイトボード、あるいはプロジェクターで映像を投影することを想定して作られた壁といった平面に映像を映し出す。通常のディスプレイと違って部屋が明るいと見にくいといった難点はあるものの、本体サイズの割に大きな映像を映し出せるのが特徴だ。

そのため、会議や学校の授業など複数の人が同じ映像を見る場面での使用に適している。

平面ではない場所に投影することもできるが、凹凸があれば映像が歪んでしまうし、色が違えばその部分は見づらくなる。

プロジェクションマッピング

数年前から流行しているプロジェクションマッピングでは、最初から平らではない場所に映像を映す。アーティストの立つ舞台や観光名所の建物などをスクリーンとして、背景に合わせて作られた専用の映像を投影するので歪みは補正されている。

この場合は、投影先が平面ではないことを逆に利用していると言えるだろう。商業施設でショーとして行われるプロジェクションマッピングでは専門家が映像や機器を用意するが、一般のクリエイターでもプロジェクションマッピングができるようなアプリも登場している。

 

ARでは、現実の上に情報を重ねて表示することになる。この方法としてメガネ型のデバイスやスマートフォンを使う方法が考えられてきたが、プロジェクションマッピングで直接情報を投影するという方法もある。Lightformは、これを可能にする技術だ。

スクリーンを必要としないのでARヘッドセットなしで情報を確認できるし、スマートフォンをかざす必要もない。身構えることなく自然にARを利用できるソリューションとなりそうだ。

設置も難しくない。デバイスが自分で周囲をスキャンし、投影面に応じて映像を処理してくれるので簡単にプロジェクションマッピングを実現できるという。

Lightform

Lightform本体は、スマートフォンよりは大きいがプロジェクターの上に置ける程度のサイズだ。価格も「ほとんどのラップトップよりは安価」とされているので、数万円(おそらく片手で数えられる範囲)ではないかと思われる。

この本体サイズと価格を実現できた理由は、Lightform本体がプロジェクターとしての機能をもっていないからだ。映像を投影するために、既存のプロジェクターに接続して使う必要がある。

Lightformは1分で部屋をスキャンし、投影先に合わせて映像の加工を行うことが可能だ。高解像度のカメラが室内の情報を取り込むので、別にMicrosoft Kinectのような3Dスキャナを用意する必要はない。また、取り込んだデータはAIが処理してくれる。ユーザが専門的で複雑な計算を行う必要はない。

Photoshopを使えるユーザならばLightformを使えるとも言われており、使いやすさに配慮した機器になっているらしい。

今年の夏には先行予約が可能になるとされている。

ARの投影

Lightformの開発チームは、これを単なるプロジェクションマッピングとは違うと考えている。むしろMicrosoft HoloLensやMagic Leapのようなヘッドセットの代わりになるものだという。

彼らはLightformを「拡張現実を投影するコンピュータ」と呼ぶ。周囲の環境を理解し、コンテンツをそれに合わせて投影する機能はプロジェクションマッピングよりもHoloLensの機能に近いからだ。

 

現実のオブジェクトに情報を投影するというアイデアはこれまでにもあったものだが、従来は映像を映す場所に合わせてジオメトリーデータを作成し、専用のコンテンツを用意しなければならなかった。その作業は複雑で、映像とコンピュータの専門家が行っていた。

Lightformでは、わずか1分で設置した場所に合わせた映像を出力できるようになるという。この小さなデバイスは、プロジェクターとプロジェクションマッピングの役割を大きく拡張するかもしれない。

同時にAR技術の普及も進めてくれそうだ。ARグラスなどと違って全ての人から見えるため、特に店舗ではプロモーションなどへの活用が期待できる。家庭用としてもコンテンツ次第では使えるかもしれない。クリエイターフレンドリーなので、コンテンツが充実しそうなのもポイントだ。

 

参照元サイト名:Lightform
URL:https://lightform.com/about/

参照元サイト名:CO.DESIGN
URL:https://www.fastcodesign.com/90107499/a-2-4-million-bet-to-turn-your-home-into-a-giant-screen

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。