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VRゲームの進化を目指すアーケード「MindTrek VR」 - VR Inside

VRゲームの進化を目指すアーケード「MindTrek VR」

     

MindTrek VR

高価なVRヘッドセットやゲーミングPCを購入せずにVR体験が可能なVRアーケードは、単なるデバイスのレンタルスペースを超えてVRゲームを次の段階へと進化させようとしている。

来月マサチューセッツ州ウーバン(Woburn/ワーバン、ウォバーンとも)にオープンするVRアーケード「MindTrek VR」も、そうしたロケーションベースのVR体験が可能なアーケードの一つだ。

バックパック型PCによってケーブルから解放され、倉庫のように広いスペースで友人と一緒にファンタジー世界やゾンビに溢れた世界を冒険するVR体験が可能になる。

ユーザが望むVR

VRアーケードを体験するBoston Globeの記者

VRアーケードを体験する様子

MindTrek VRをオープンするDavid O'Connorは、多くの人にVRを広めるために3つの要素が重要になると考えている。

それはバックパック型のPC、大きなスペース、そして友人と一緒にプレイできることだ。

家庭用VRデバイスの問題

2016年にはOculus RiftやHTC ViveといったハイエンドVRデバイスが消費者向けに発売され、次世代の技術としてVRが注目された。

しかし、実際にこうしたVRデバイスを体験したことがあるユーザは少なく、自宅にVRデバイスがあるというユーザはさらに少数だ。

VR技術が発展途上なので様子見をしているという消費者も少なくないだろうが、扱いにくいデバイスであることやコストが高いこともこうした家庭用VRデバイスの普及を阻んでいる。

PCベースのVRヘッドセットはサードパーティ製の特別なアダプタを購入しない限りパソコンと有線接続しなければならず、せっかくのルームスケールVR機能があってもケーブルによって移動を制限されてしまう。

バックパック型PCを個人で購入することも可能だが、需要が限られていることから一般的な同クラスのパソコンに比べて価格は高い。

価格の高さに関しては、VRデバイス本体も同様だ。HTC Viveならば800ドル、2度の値下げを経たOculus Riftでも本体とコントローラーで500ドルだ。

加えてゲーミングPCを購入すれば、バックパック型でなくても簡単に総額20万円を超える。

20万円以上をかけて家庭用VRシステムを構築したとしても、同時に利用できるユーザは一人だけだ。

O'Connorは、こうした問題が解決できればVRの利用者が増えると見ている。

進化したVR体験

彼は、標準的なVR体験が深みのないものだという。

「すぐに飽きてしまうと言いたくはないのですが、すぐにつまらなくなってしまいます」

そこで、MindTrek VRではルームスケールとマルチプレイヤーへの対応を中心に新たなVR体験が可能な場を作ったという。

MindTrek VR

MindTrek VRの銃型コントローラーとバックパック型PC

MindTrek VRの銃型コントローラーとバックパック型PC

よりダイナミックな体験を求めて、MindTrek VRには約100万ドル(1.1億円)が投じられているという。

Zero Latency

MindTrek VRでは、オーストラリア企業Zero Latencyのシステムが採用されている。昨年の記事を覚えている読者も居るかもしれないが、Zero Latencyは日本アメリカでもVRアーケードにアトラクションを提供している企業だ。

同社の技術により、広い空間でも複数のカメラによってプレイヤーそれぞれの動きがトラッキングされる。各プレイヤーの動きは他のプレイヤーにもリアルタイムに共有されるので、プレイ中にお互いの姿(アバター)をVR空間で見ることが可能だ。

「リアルタイムに表示されるアバターによって、VR体験は孤独なものからソーシャルなものに変わる」

とO'Connorは説明した。

Alienware

バックパック型PCは、DellのゲーミングPCブランドAlienwareの製品を採用している。

VRヘッドセットとステレオヘッドホンはこのコンピュータに接続されるので、ケーブルを気にすることなく広いエリアを存分に動き回ることができる。

コンテンツ

MindTrek VRで遊べるコンテンツの一つが『Zombie Survival』だ。現在は新しいタイトルに変更されてしまっているが、つい先日(7月9日)までは東京ジョイポリスでも遊べたVRコンテンツである。

友人と協力しながらゾンビの襲撃を切り抜ける15分間のゲームだ。

もう一つのコンテンツは『Engineerium』だが、こちらはゲームというよりもVR空間を楽しむものだ。

ユーザたちは水生生物や幻想的な建造物と出会える水中世界を探検する。こちらもプレイ時間は15分となっている。

料金

MindTrek VRはハイエンド機器を揃えており、VRゲームも家庭用にはないオリジナルのものだ。そのため、料金は45分で49ドル(5,500円)と決して安くはない。

45分のセッションのうち30分がゲームの時間で、残りはバーチャルな自然の中を旅する時間だという。

 

O'Connorは、ゲームやVR体験の種類をさらに増やしたいと考えているようだ。

家庭用のVRデバイスが普及すれば、家庭用VRデバイスと変わらない体験しかできないVRアーケードの需要がなくなってしまう。しかし、MindTrek VRでしかできない体験を用意しておけば映画館のようにユーザが繰り返し訪れてくれると踏んでいる。

ただ、MindTrek VRの料金は49ドルとかなり高価だ。これはプレイヤー1人で45分あたりの料金なので、親子で訪れたりすれば映画館よりもテーマパークに近い出費になってしまう。

VRデバイスの低価格化もOculus Riftなどで進んでいるので、将来のVRアーケードにはさらなる魅力が必要になるかもしれない。

 

参照元サイト名:The Boston Globe
URL:https://www.bostonglobe.com/business/2017/07/13/tries-get-real-woburn-arena/1m0OawVTPs9yua8cjuMU1K/story.html

参照元サイト名:MindTrek VR
URL:https://www.mindtrekvr.com/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。