VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

教育でのVR利用を進めるNearpodが24億円の資金を獲得 - VR Inside

教育でのVR利用を進めるNearpodが24億円の資金を獲得

     

Nearpod VRのヘッドセットを付けた女性

教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせたサービスを提供する企業は、その2つの単語を組み合わせた造語を使って「Edtech」企業と呼ばれることがある。Nearpodは、そんなEdtechのスタートアップ企業だ。UploadVRは、そのNearpodが新たに2,100万ドル(24億円)の資金を獲得したという情報を伝えた。

今回報じられたのは2,100万ドルの新たな投資だが、過去に集めた分を合わせれば既に3,020万ドル(35億円)の調達に成功しているという。

Nearpodの共同設立者であり、CEOのGuido Kovalskysは今回の資金がどのように使われるかについて「VRとインタラクティブなコンテンツを求める教師の要望に応え、チームを活性化し、Nearpod ELL(英語学習教材)や3Dオブジェクトのような教室での使用を考えた製品を充実させる」と答えている。

Nearpod利用の今

Nearpodヘッドセットを付けた少女

アメリカ以外の多くの学校と同様に、アメリカでは数百の学区で1万校以上がNearpodを授業に取り入れている。これは、アメリカにある10の学校のうち1校がカリキュラムにVRを採用していることを意味する。

Nearpodは、100以上の教育コンテンツを用意している。その中には火星やエジプトの大ピラミッド、あるいはアメリカ国内の観光名所を訪れるものが含まれている。カバーする内容は歴史から代数や科学まで幅広い。

現在Nearpodで利用できるコンテンツについて、Kovalskysは
「Nearpodには、幼稚園から高校までの児童・生徒を教育するためにそのまま使えるインタラクティブなコンテンツが4,000以上あります。これらは、Nearpodを利用する教師やパートナーのコミュニティによって作成されたものです。また、オリジナルのVR教材を作成する素材として数百万のVR画像が用意されています」
と語っている。

英語学習への利用

Miami-Dade公立学校は、アメリカでも特に英語学習者(ELL)が多い地域にある。英語を母語としない生徒が急速に増加しており、彼らの学習用に構築された500以上のレッスンからなるNearpod for ELLが使用されている。

Nearpod for ELLは最近Nearpodが提供を開始した新しいコンテンツだ。

Kovalskysは、Nearpod for ELLの特徴は編集可能な状態でコンテンツを提供していることだという。教室の生徒に合わせて、教材の中で使われる言語を変更できるのだ。

Nearpod VR成功の理由

Nearpodバナー

Nearpodがこのように成功している理由として、あらゆるデバイスで動作することが挙げられる。Nearpod VRは、スマートフォン・タブレットはもちろん一般的なノートPCやクロームブックからも利用できる。

Kovalskysは、「Nearpod VRが何百万人もの学生に使われる成功を収めた理由は、あらゆるデバイスで動作するシステムを構築したからです。学校には、Oculur RiftやGoogle Explorer Kitを導入する予算はありません。スマートフォンには可能性がありますが、まだ可能性の段階であって現実にはなっていません。アメリカの10代は80%がスマートフォンを持っていますが、ほとんどの学校では利用することが許可されていません」

また、Nearpodは複数のサービスレベルを用意するビジネスモデルを採用している。教師個人が無料で作成したアカウントでも、スライドショーの利用などは可能だ。だが、宿題を割り当てたり詳細なレポートを利用したりするためには月額10ドルが必要となる。さらに、学校単位/地区単位で利用する方法もある。

無料で利用を開始でき、有料でより便利な機能を開放できるというビジネスモデルは高額な設備投資を必要としないNearpod VRのサービスに適していると言えるだろう。Nearpod VRがこれほど多くの学校で利用されている理由の1つは、導入にあたってのハードルが非常に低いことだ。

Kovalskysはヘッドセットを使えば没入感が高まるとしながらも、その利用を特に進めているわけではない。あくまでもオプションとして提供している。

もちろん、豊富なコンテンツの力も大きい。最初はNearpodや先輩教師によって用意されたコンテンツを授業に取り入れ、慣れてくれば自分の授業に合わせたオリジナルの教材を作成するという流れが出来上がっているのだろう。そうして作成された教材が共有されれば、さらにNearpodのコンテンツは充実していく。

Nearpodは現在、3年間の売上成長率が最も高い企業の1つとなっている。3年間で1320%の成長を遂げている。

Kovalskysは今後5年で安定した持続可能な成長を目指していくとコメントしている。

VRヘッドセットを使えば、体験の質は高まる。しかし、価格の問題や外が見えない不便さもある。教室での利用を考えるならば、上の動画のような生徒個人に提供されたタブレット端末でのVRはかなり良い方法と言えそうだ。

また、子どもの目に悪影響を与える不安が小さいのも嬉しい。小さな子どもが長時間ヘッドセットを使った場合の影響は明らかになっていないが、タブレット端末やノートパソコンの画面ならばテレビとそう変わらないだろう。

 

参照元サイト名:UploadVR
URL:https://uploadvr.com/nearpod-raises-21-million-virtual-reality-education/

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。