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NFLが審判のトレーニングにVRを活用 - VR Inside

NFLが審判のトレーニングにVRを活用

     

フットボールの審判

VRを使ったトレーニングは、新人エンジニアの研修や大規模なセールに備える店舗スタッフの研修に利用されている。

スポーツの世界でもアメリカンフットボールや野球のチームで、選手のトレーニングツールとしてVRを取り入れるところが出てきた。VRを使えば、試合中に起きる特定の状況を何度でも繰り返し練習することができ、弱点の克服や判断スピードの向上に繋がるようだ。

スポーツの試合で活躍する選手だけでなく、その選手たちのプレーを支える重要な人々のトレーニングにもVRが取り入れられている。NFL(ナショナルフットボールリーグ)は、2017年のシーズンに向けた審判のトレーニングから、StriVRのトレーニングツールを導入している。

審判のトレーニングとVR

フットボール選手にVRでトレーニングを

当メディアでも、スポーツ選手がトレーニングにVRを取り入れる事例は何度か紹介している。

StriVR

今回NFLが審判を育成するために使用しているVRトレーニングを開発したのも、過去に名前が出たことのあるStriVRだ。

StriVRはまだ新しい企業ながら、急成長中だ。VR/AR関連の企業に対して積極的な投資を行うPresence Capitalからも資金提供を受けており、アメリカで年間15万人が受講するというウォルマートの従業員トレーニングプログラムも手がけている。

VRを使ったスポーツ選手のトレーニングは新しい潮流だが、StriVRの調査によればVRトレーニングは効果があるという。

撮影した自分のフォームと目標とするフォームを比較することで理想のフォームに近づけたり、素早い判断が必要とされるシーンを繰り返し練習することで試合中の反応速度を上げたりといった効果が期待できる。

審判のトレーニング

NFLは、選手だけでなく審判のトレーニングにもVRが有効だと考えている。

アメリカンフットボールの審判は、選手と同じくテンポの速い試合の中で得点が入ったかどうか、反則があったかどうかといった判断を下さなければならない。

その上、試合の様子は常に複数のカメラで撮影されている。撮影された映像は拡大や繰り返しの再生が可能なので、もし審判の判定に誤りがあればすぐに分かってしまう。

常に広いコート全体に気を配って正確な判定を行わなければならない審判は、ある意味で選手よりも注意力を必要とする立場にいるといえるかもしれない。

ビデオトレーニングからVRトレーニングへ

NFLでは、審判のトレーニング方法としてビデオを使っていた。

もちろん実際に審判として試合に参加するのがベストではあるが、リアルな試合の中で審判がトレーニングを積める機会は限られている。それを補うために使われていたのがビデオだ。

しかし、2Dのビデオと本物の試合は違う。ディスプレイに映る範囲は限られているが、試合中は前だけでなくあらゆる方向に注意を払わなければならない。

新たに取り入れられたVRトレーニングは、この点でビデオに勝っている。VRヘッドセットを使うことで、フィールドに居るのと同様に360度で展開される映像を見ることができる。

本当の試合そのままのスピードで再生される360度映像を使うことで、実際に試合に参加しているような感覚が得られるという。

体験者からの反響

このVRトレーニングを受けた体験者からの評判は上々だ。

特に若い世代からは新しいトレーニングを支持する声が上がっているという。

VRを使ったトレーニングにより、判定の正確性が現在よりも高まるかもしれない。

VRトレーニングの拡大

StriVRにとって、VRトレーニングをスポーツの世界で使うのは最初の一歩でしかない。

スポーツ以外にも、製造業、小売業、軍事関連など様々な分野でVRを使ったトレーニングが採用され始めている。

小売業での利用

StriVRの特に大きな顧客がウォルマートだ。

ウォルマートは早い時期からVRを使ったトレーニングに関心を持ち、StriVRの開発したコンテンツを試験してきた。

その結果、2017年中にアメリカにある全ての教育施設で本格採用することを決めたという。

レストランでの利用

ウォルマートのように規模の大きなグループになると、教育を受ける社員の数も膨大だ。トレーニングをVRで効率化できれば経費削減の効果も大きい。

しかし、VRトレーニングを採用しているのは巨大グループばかりではない。

2017年の末までに25店舗を目指してアメリカで店舗数を増やしているファストカジュアルレストラン、HoneygrowもVRを使ったトレーニングを採用している。

同社のコンテンツを制作するのはStriVRではないが、サービスの質を保つためのツールとしてVRが取り入れられている。

 

VRを使ったトレーニングの優れた点は、一度作成したコンテンツを何度でも利用できるところだ。

完璧と言えるようになるまで繰り返し練習することもでき、多くの従業員に教育を施す大企業では研修費用の削減に繋がる。

VRコンテンツを制作できるスタジオや安価な機材も増えているので、今後さらに多くの業種で採用が進みそうなVRの利用法だ。

 

参照元サイト名:Sport Techie
URL:https://www.sporttechie.com/nf-refs-strivr-virtual-reality-training-mental-reps/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。