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NVIDIAが開発するソーシャルVRプラットフォーム、Holodeckが持つ可能性 - VR Inside

NVIDIAが開発するソーシャルVRプラットフォーム、Holodeckが持つ可能性

     

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VRというと、もっぱらゲームや映画などのエンターテイメント領域で活躍している印象がある。

しかしVRが持つ本当のポテンシャルを発揮するのは、ソーシャルVRではないだろうか。

Facebookが先日アーリーアクセス版を公開したFacebook Spacesは、まさに未来の世の中を感じさせるものだった。

遠距離にいる友人たちがバーチャル空間でアバターに変身して集まることで、まるで物理世界で直接会っているかのような感覚でコミュニケーションができる。

かつてはSFの中の出来事でしかなかった技術が、続々と現実化している。

NVIDIAが開発するソーシャルVRプラットフォーム、Holodeck

5月8から11日にかけてカリフォルニア州サンノゼで開催されたGTC 2017(GPU Technology Conference 2017)において、NVIDIA CEOであるJensnen Huangは、現在開発を進めるソーシャルVRプラットフォーム、Holodeckの存在をアナウンスし、短時間ではあるがデモが披露された。

壇上のスクリーンに投影されたVR空間の中に4人のアバター(中の人はNVIDIAの役員)が登場し、簡単な雑談を交わした後、次に現れたのは精緻にモデリングされたスポーツカーの3Dデータだ。

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彼らはこの3Dモデルにおいて実現した高解像度について談義を交わした後、実際に3Dモデルに手を触れてインタラクションを始めた。

車のドアを直接触ってドアを開け、運転席に座る、もう一人のアバターが助手席に座る。

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それら一連の動きは実にスムーズで、会場からも拍手が湧いた。

プレゼン最後のデモンストレーションとして、それまで一つの形にまとまっていた車が突如バラバラになり、車を構成する部品、一つ一つがバーチャル空間上に散らばった。


※プレゼンの様子。上記の一連の流れを観ることができる。

この3Dモデルは単に外観だけをモデリングしたのではなく、目に見えない内部の部品に到るまで一つ一つ細かくモデリングされていたのだ。

Holodeckの強み=高解像度

ソーシャルVRというと、上記に挙げたFacebook SpacesAltSpace VRなどが一般的にはよく知られている。


※AltSpace VRの使用感

これらのソーシャルVRアプリはあくまでユーザー同士でのコミュニケーションに主眼が置かれており、スムーズなやり取りを実現するためのデザインがなされている。

これに対して、Holodeckの強みとは何か、それは解像度の高さである。

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Facebook SpacesAltSpace VRでは、遅延やバグなどが発生しないスムーズなコミュニケーションを実現するため、できるだけ回線やデバイスの容量を食わずにアプリを走らせることができるようにデザインがされている。

そのため、使用するアバターも低解像度のポリゴンにする必要があり、上記2つのソーシャルVRアプリでは、Holodeckで実現できるような精緻で美しいグラフィックを実現することはできない、そのために作られてはいないからだ。

では、高解像度グラフィックを強みとするHolodeckが持つ可能性はどこにあるのだろうか。

将来、車のデザインはバーチャル空間内で完結する

車のデザインや建築、医療、設計や製造など、産業用途にもVR技術を取り入れる動きが進んでいる。

これまでは時間的、人的、経済的に多くのコストがかかっていた領域に、VRを取り入れることによって大幅なコスト削減が可能になることが見込まれている。

例えば車のデザインを例に取ると、まずデザイナーが紙にスケッチを描き、次にCADでデータを3Dに起こし、それから物理的に現物大のモックアップを作り、それを調整して不明点や改善点を見出した後にまた最初から、というプロセスを繰り返しながら、デザインを完成に近づける。

この間、多くのデザイナーやエンジニアが関わり、物理的にも経済的にも大きなコストがかかる。

しかし、Holodeckのような高解像度のソーシャルVRが登場することにより、従来のデザインプロセスは大きく変わるだろう。

遠距離にいるデザイナーやエンジニアたちがVR空間の中に集まり、デザインのプロセスをVR内で完結できるようになれば、時間的にも経済的にも物理的にも大きなコスト削減が可能になる。

産業分野に限らず、これからはVR/AR技術を駆使したショッピング体験が増えるだろう。

※VR/MR技術を活用したショッピング体験は、多くの企業やクリエイターによって実験がなされている。

その際、商品の細部までをも正確に再現できる高解像度のVR技術が必要になる。

近い将来、ソーシャルVRとショッピングVRが融合し、遠距離にいる友人とバーチャル空間の中で服の見立てをすることも可能になるだろう。

そして5G回線の普及によって大容量・高速通信が可能になることで、容量の大きなVRデータのやり取りも容易になるはずだ。

高解像度ソーシャルVRという、NVIDIAが独自に打ち出した路線に、将来実現するであろう未来を見た気がした。

参照元:UploadVR

参照元:NVIDIA公式ブログ

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daisuke

Writer: ライター兼翻訳家。2016年12月にプレイステーションVRを体験したことをきっかけにVRに関心を持つ。ARやドローン、AIなどの先端テクノロジー全般に興味があり、SF化する世の中にワクワクしています。