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ニール・ブロムカンプ監督率いるOtats Studioは、VRゲーム制作も画策している? - VR Inside

ニール・ブロムカンプ監督率いるOtats Studioは、VRゲーム制作も画策している?

     

海外メディアPolygonは、ニール・ブロムカンプ監督のVRゲームに関する発言を報じた。

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ニール・ブロムカンプ監督とは?

ニール・ブロムカンプ氏は、「第9地区」で脚光を集め、同映画制作後「エリジウム」「チャッピー」等のSF映画を手掛けた現在注目すべき映画監督である。

2015年2月18日、同監督は『エイリアン5』の脚本の執筆を引き受けたと明らかにしたが、同年10月に自身のTwitterで「エイリアンはいったん中止だよ」と発言して計画が保留になったことを明かした。その後、2017年5月1日、「エイリアン」「エイリアン・コヴェナント」を監督したリドリー・スコット氏がブロムカンプ版『エイリアン5』が企画倒れになったと発言していた。

「エイリアン5」頓挫をチャンスに変えて

「エイリアン5」はお蔵入りになるかと思われたが、思わぬかたちで同映画の制作は継続することになる。「エイリアン5」の準備過程で制作した映画素材を活用したショートフィルムを、YouTubeとStreamにアップしたのだ。

ショートフィルムを公開するだけならば、YouTubeに動画をアップすれば十分である。コンテンツを公開するメディアとしてSteamも活用したのには、理由があるのだ。何とショートフィルムだけではなく、コンセプトアートや映画で使う3Dモデルといった本来ならば公開されないはずの映画素材をも公開したのだ。

海外メディアPolygonは、E3 2017の会場に来ていた同監督に以上のような一連の行動についてコメントを求めたところ、以下のように発言した。

(Steamにコンテンツをアップするために率いているスタジオである)Oats Studiosを立ち上げたのに、(「エイリアン5」が頓挫したことによって)大きな仕事をしていないので、ゲームを作ろうと思ったんだ

そう言ったら、スタジオもスタッフも賛成していくれたんだよ。TitanfallやHalo、Battlefieldみたいなものを作りたいね。

実のところ、同監督は「Portal 2」や「Halo」といったFPSから映画制作のインスピレーションを受けていると公言するほどゲームに造詣が深いので、上記のような発言は決して突飛ではないのだ。

そうは言っても、現在Steamに公開されているコンテンツはとてもゲームとは言えないものだ。このことに関しては、同監督は次のように述べている。

ゲームでプレイできるようなキャラクターはまだ作っていないから、確かにゲームを作っているとは言えないね。

でも、今は(UnityやUnreal Engineのような)リアルタイム・エンジンでキャラクターを動かすような体験を制作中なんだ。そして、もしそうした(映画とは異なった)リアルタイムな体験をVRで実現しようと思ったら、(映画のキャラクターになったかのような)VR体験をどうしたらデザインできるか理解しようとすることが、まずはじめのステップだね。

以上の発言から、同監督はSteamに公開した動画の素材を使って、世界観が共通する何らかのVRゲームあるいはVRコンテンツを開発しているのではないか、と推測されるのである。

Oats Studiosの狙い

以上のような通常の映画制作とゲーム開発からは外れるような活動を展開している同監督率いるOats Studiosが目指していることは、Steamのページに掲載されたコンテンツの説明を読むとヒントを得られそうだ。その説明とは以下の通り。

私たちの願いは、(Steamにアップした有料コンテンツを購入してもらうことで)ファンから直接出資してらうことを通して、純粋な創造性と情熱によってスタジオの創作意欲に火をつけることです。

私たちには、創造し語りたい非常にたくさんの世界があります。そうした世界のためには、世界中のファンからの助けを必要としているのです。私たちのゴールは、(公開委したVolumes 1コンテンツに加えて)Volumes 2、3と作り、ついには長編映画を完成させることです。

公開したコンテンツを見て好意的に思い、もっと見たいと思うのであれば、どうか追加コンテンツが公開された時には購入して私たちを助けてください。

...私たちは公開したコンテンツを通してユーザーと一体となりたいと思っており、また公開したコンテンツが若い映画製作者のインスピレーションとなることを望んでいます

同監督とOats Studiosが目指しているのは、クラウドファンディングとはまた異なったかたちでのファンとのコンテンツ共作なのかも知れない。

ニール・ブロムカンプ監督が制作したショートフィルムと映画素材を公開したSteamのページ
http://store.steampowered.com/app/652150/Oats_Studios__Volume_1_Assets/

ニール・ブロムカンプ監督のVRゲームに関する発言を報じたPolygonの記事
https://www.polygon.com/2017/6/27/15882198/neill-blomkamp-video-games

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吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com