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大学生が開発した全身トラッキング&マルチプレイ対応のVRシューティングゲーム - VR Inside

大学生が開発した全身トラッキング&マルチプレイ対応のVRシューティングゲーム

     

Project Myron

全身のトラッキングに対応したProject Myron

VRゲームを作るためのツールやVRに対応したゲームエンジンの開発が進められたことで、スマートフォン用・PC用のVRプラットフォームに対応したコンテンツを作成するハードルは低くなっている。

もちろんまともに遊べるゲーム、商品として販売できるレベルのゲームを作るには知識や技術が必要になるが、とりあえず起動して動かすことができるアプリを作るだけならば難しすぎることもない。

だが、全身のトラッキングが可能な、しかもマルチプレイに対応したゲームを作るとなると簡単ではないはずだ。オランダの大学生たちは、授業の一環としてそうした特徴を持つVRシューティングゲームを開発したという。

Project Myron

Project Myronは、オランダにあるサクシオン大学の応用科学部CMGT(クリエイティブメディア&ゲームテクノロジー)コースの学生と、Virtual Dutch Men、Xsens、Manus VR、XMGといった企業による共同研究プロジェクトだ。

彼らは5ヶ月をかけて一つのVRゲームの開発に取り組んできた。このVRゲームは、8人のプレイヤーが4人ずつのチームに別れて争うシューティングゲームだ。

全身のトラッキング

VRゲームの作成自体は難しい技術ではないが、Project Myronでは全身のトラッキングに対応したゲームを作成している。そのために使われたのが、各パートナー企業の開発するデバイスや保有する技術だ。

トラッキングにおいて中心的な役割を果たすのがXsensのMVNスーツである。全身を覆うウエットスーツのようなこのMVNスーツにより、胴体や腕・脚の動きをトラッキングすることが可能になる。

MVNスーツは身体全体の大まかな位置を測定するために使われるが、より細かくトラッキングを行いたいのが手だ。手や指の動きをトラッキングするためには、Manus VRのグローブ型デバイスが使われている。

自由に移動できるVR体験のためには、PCとVRヘッドセットを無線化するなどの方法でケーブルに対処しなければならない。ここではXMGが提供するバックパック型のPCをOculus Riftと接続することでケーブルの問題を解決した。

VRゲームの開発

ハード面ではなくソフト面でこのプロジェクトを支援したのがThe Virtual Dutch Menだ。学生たちは彼らの助けを得て、全身のトラッキングとマルチプレイに対応したVRゲームを制作した。

デモンストレーションされたゲームは、2人一組のチームでマップの中央にあるエリアを奪い合うという内容になっている。Project Myronの公式サイトでは4人対4人のゲームとされているので、まだ完成段階ではないのか、あるいは単に少人数でのプレイにも対応しているだけかもしれない。

今後の予定

プロジェクトは今月で終了する予定で、このゲーム自体がそのまま一般のVRユーザに向けて公開されることはないだろう。

しかし、メンバーの一部はプロジェクトの完了後もVRの開発を続けることを計画しているという。Project Myronで作られたゲームのように全身のトラッキングが可能な、VRアーケード向けのゲームが彼らのチームから生まれるかもしれない。

トラッキングデバイスの進化

Project Myronでは、全身のトラッキングを実現するためにXsensのMVNスーツとManus VRのVRグローブを組み合わせていた。こうしたトラッキングデバイスは、将来のVRコンテンツを変えるかもしれない存在だ。

手のトラッキング

ハンドトラッキングコントローラーが一般的になったことで、VRゲームの操作体系は一般的なテレビゲームのそれから大きく変化することになった。手だけでなく指の動きまでトラッキングできるようになれば、またVRゲームの操作が変わるだろう。

指のトラッキングを行うデバイスとして期待されているのは、ValveのKnucklesコントローラーやManus VRなどの手袋型デバイス、Leap Motionの非接触センサーなどだ。

Knucklesコントローラーの強みは、何と言ってもハンドトラッキングコントローラーと近い形状である。ユーザにとっても違和感が少なく、移行時に馴染みやすいだろう。

Manus VRなどのグローブ型デバイスは、指の一本一本に密着することによるトラッキング精度の高さが魅力だ。Manus VRのデバイスは、リアルな訓練のためにNASAでも利用されているという。

デバイスによっては、VRgluvのようにモーターによって物体を握ったときの硬さまで再現することも可能となる。

Leap Motionの非接触センサーは手軽に使える利便性が最大の魅力だが、トラッキング精度の点で他の方法に劣るかもしれない。

全身のトラッキング

Project Myronで使われたXsensのスーツの他にも、AxonVRなどが全身のトラッキングを行うデバイスを開発している。

AxonVRのHaptX Skeletonは、スーツというよりも外骨格である。ウェットスーツのようなXsensのものと違って、ゴツゴツした機械的な装置だ。

同社のHaptXシステムはトラッキング装置であると同時にフィードバックシステムでもあり、重さや温度、足元の感覚まで再現することを目指しているという。

 

AxonVRの場合は自社の統合フィードバックシステムで全身のトラッキングとフィードバックを行う計画だが、多くの企業は手や足など身体の一部に注目してデバイスを開発している。

Project Myronのように複数の企業が技術を持ち寄って協力すれば、トラッキングデバイスやそれらを組み合わせる技術の進化も加速しそうだ。

 

参照元サイト名:Project Myron
URL:https://projectmyron.com/

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/university-students-create-multiplayer-full-body-vr-shooter-live-streaming-today/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。