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AR技術で読者は物語の世界へ入り込む - VR Inside

AR技術で読者は物語の世界へ入り込む

     

絵本とスマートフォン

絵本にスマートフォンをかざすとアプリ内でキャラクターが動く

文字は物語と伝えるのに適したツールだが、絵や声といった他の手段を組み合わせることでより深く物語に没頭することも可能となる。

最近では絵本にARアプリを組み合わせる例まで出てきている。Next Realityで紹介された『The Dragon Defenders』のような本も、AR技術が普及すれば珍しいものではなくなるのかもしれない。

物語に入り込む工夫

地球儀と古書

挿絵・イラスト

一般的な書籍でもよく見かけるのが、挿絵・イラストや写真といった画像系の資料を付け加えた形式だ。

ジャンルによってその用途や画像の割合は様々だが、写真を使うことで臨場感や信憑性を高めたり、イラストで情景やキャラクターの容姿をイメージしやすくする効果が期待できる。

作品の雰囲気に合ったイラストレーターにカバーイラストを依頼すれば、読者が手に取るきっかけにもなるかもしれない。

地図

The Dragon Defendersの地図

上記の画像の一種として、地図がある。本の巻頭や巻末に付いている、物語の舞台となる世界の地図だ。

地図があることで、キャラクターたちのたどった道順を追いかけることが可能になる。異なる時代が舞台の歴史小説や架空の世界で展開されるファンタジー小説でも、全体像が把握できればイメージの助けになる。

The Dragon Defendersにも、物語世界の地図が付いている。この仕掛け自体は古くから使われてきたものだが、これまでの絵本と異なるのはスマートフォン用のARアプリを通して見ると地図の上でキャラクターが動き出すことだ。

音・映像

音や映像を使うことで、物語の世界を想像するだけなく感じることができるようになる。しかし、一般的な紙の書籍でこうしたツールを使うのは難しかった。

朗読・ボイスドラマCDや短編アニメのDVDが付属する書籍もあるが、これらはあくまでも別の関連作品として考えるべきだろう。

ARアプリならば、書籍に音や映像といったツールを組み合わせることができるようになる。地図が動くというのは完全に映像だし、BGMや効果音をアプリに組み込むことも可能だ。

こうなると本は静的なコンテンツではなく、複数のメディアが組み合わされた経験の一種となる。

『The Dragon Brothers』

二人の兄弟の冒険物語

James Russellの『The Dragon Brothers』シリーズは、子供たちのための冒険物語だ。シリーズには絵本と小説があるので、小さな子供から自分で物語を読むことのできる子供まで、長く楽しめるシリーズとなっている。

対象年齢は7歳から12歳なので、彼らが退屈してしまわないように1章は短くなっており、内容もスリリングだ。ストーリーが難しいような小さな子供たちでも、ARアプリとイラストを楽しむことができているという。

絵本と小説のどちらの作品も、スマートフォン用のARアプリを使うことで物語の世界により深く入り込める仕掛けが施されているのも特徴だ。

Stuffによれば、彼が物語を書き始めたのは読書好きな息子たちのためだという。

ARの利用

また、ARアプリを取り入れたのは自分が子供の頃に本を読んで感じたようなドキドキする体験をしてもらうためだ。

もちろん彼が子供の頃に読んだ本にAR技術は使われていないが、自分の本をできるだけ楽しいものにするための方法としてARを選んだという。

最新作のThe Dragon Defendersには5つのAR体験が用意されている。

'augmented reality spots'と書かれたページにアプリを起動したスマートフォンをかざすと、アプリが反応する。地図は3Dで地形の高低差が分かるように表示され、空には雲が流れていく。

小さなドラゴンが本の範囲を飛び出して部屋の中を飛び、主人公たちがその背中に乗っているのも見ることができる。

モチベーションが続く

物語自体が面白いことが前提ではあるが、作品の途中に挟まれるAR体験が読書中の息抜きになることも事実のようだ。

Russellは、子供を持つ親たちから喜びのメールが送られてくるという。子供たちが「続きを読みたいから」といってベッドに行かないというのだ。

この作品でのARはあくまでも脇役で、Russellによれば「2分の気晴らし(AR)で5時間読書する」ようなバランスである。それでも、子供たちが読書を続ける理由になっている。

 

The Dragon Defendersは、Russellの住むオーストラリアで最初に発売された。オーストラリアで人気を博した同作はアメリカでも発売され、オンラインストアの他に多くの書店で購入できるという。

書籍がなくても、公式サイトのデモページからダウンロードできる地図を印刷してアプリを通すことで、ARの効果を体験することが可能だ。

 

参照元サイト名:Stuff
URL:https://www.stuff.co.nz/entertainment/books/93967200/childrens-author-brings-books-to-life-through-augmented-reality

参照元サイト名:Next Reality
URL:https://augmented.reality.news/news/your-reading-experience-is-about-change-thanks-augmented-reality-0178400/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。