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Samsung、Oculus・VIVEの約3.5倍の画素数の新型VRヘッドセット用ディスプレイを発表 - VR Inside

Samsung、Oculus・VIVEの約3.5倍の画素数の新型VRヘッドセット用ディスプレイを発表

     

海外メディアRoadtoVRは、SamsungがVRヘッドセット用の新型ディスプレイを発表したことを報じた。

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Oculus・VIVEの約3.5倍の画素数を実現した新型ディスプレイ

同メディアによると、2017年5月23日から25日までアメリカ・ロサンゼルスで開催されたディスプレイ技術のカンファレンス「Display Week 2017」において、SamsungはVRヘッドセット用の新型ディスプレイを展示した。

同ディスプレイは既存のものよりさらに画素数を増やした結果、2,024 x 2,200画素を実現した。この画素数は、Oculus RiftおよびVIVEのディスプレイ画素数である1,080 x 2,200の約3.5倍に相当する。

そのほかの仕様として、ディスプレイのリフレッシュレートは90Hz(1秒間に90回画面を描画する)、輝度は100 nit(「nit」は輝度の単位)である。

同メディアは、新旧のディスプレイの違いを体感できるように、Gear VRに実装した従来のディスプレイと新型ディスプレイの画像をそれぞれ掲載した。

Samsung製新型ディスプレイの画像

Samsung製新型ディスプレイの画像

Samsing製の既存ディスプレイの画像

Samsing製の既存ディスプレイの画像

引用した2枚の画像を見るとわかるように、新型ディスプレイは既存のそれと比べて画像全体がクリアである。とくに既存のものが画像周辺がぼやけているのに対し、新型では隅々までぼやけていない。ちなみに引用した画像は有名な絵本「ウォーリーをさがせ!」の一部分である。

VRヘッドセットの画質を評価する指標は「視野角あたりの画素密度」

ところで、VRヘッドセットの画質は画素数だけではなく視野角をも考慮する必要がある。というのも、平面ディスプレイは常にユーザーの視野内に収まっているのに対して、VRヘッドセットでは視野角自体が仕様の一部となっているからだ。

画素数と視野角の両方を考慮してVRヘッドセットの画質を評価する指標として、本メディアで以前に報じた「視野角あたりの画素密度」が知られている。

「視野角あたりの画素密度」とは、視野角1°あたりで見える画素数のことを指している。この数値の算出方法は、左右方向の画像数を視野角で割ることによって求められる。以上をふまえて、Oculus Rift、VIVE、そしてSamsung製新型ディスプレイをOculusとVIVEと同じ視野角のVRヘッドセットに実装した場合の画質を比較すると、以下の表のようになる。

VRヘッドセット 左右方向の画素数 視野角 視野角あたりの画素密度
HTC Vive 1080 110 9.8
Oculus Rift 1080 110 9.8
Samsung製新型Display 2024 110 18.4
(ヒトの肉眼) 7200 120 60

視野角あたりの画素密度で比較した場合、Oculus RiftとVIVEは約9.8、Samsung製新型ディスプレイ実装時では18.4であり、新型ディスプレイが約1.9倍画質がよいことがわかる。

なお、表にはヒトの肉眼における視野角あたりの画素密度も掲載している。この「60」という数値はヒトが識別できる限界値を示しており、この限界値より高い数値を実現したとしてもヒトの目にはその違いがわからない。そうはいっても、Oculus RiftとVIVEが9.8なので、ヒトの限界値と比べるとかなり画質が低いことがわかる。Samsung製新型ディスプレイと比べても、ヒトの目は約3.2倍も違いがわかることになる。

最近のVRヘッドセット画質向上のトレンド

最近では、バーチャル空間をよりリアルな空間に近づけるために、画素数の増加に留まらない取り組みがなされている。

例えば、本メディアで以前に報じたOculus Research開発の「Focal Surface Display」テクノロジーは、より自然な焦点移動を実現したものである。

通常ヒトの目には、近くにあるものははっきりと見え、遠くにあるものはぼやけるように見える。この現象は、近くのものに目の焦点が合っており、逆に遠くのものには焦点が合っていないことによって起こっている。こうしたヒトにとっては「当たり前」の現象が、VRヘッドセットでは実現できていなかった。

「Focal Surface Display」は、以上のような「奥行き方向における焦点移動」を実現したのだ。

VRヘッドセットから見えるバーチャル空間は、ほかのどのメディアよりも圧倒的な「リアリティ」がある。とはいうものも、まだ「リアル」との差は数多く残されている。VRテクノロジーには、進化する余地がたくさんあるのだ。

SamsungがVRヘッドセット用の新型ディスプレイを発表したことを報じたRadotoVRの記事
http://www.roadtovr.com/samsungs-new-vr-display-nearly-3-5x-pixels-rift-vive/

Display Week 2017公式サイト
http://displayweek.org/

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吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com