VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

SnapのARグラスはこの四半期に63,000台しか売れていない - VR Inside

SnapのARグラスはこの四半期に63,000台しか売れていない

     

SnapのARグラスを付けた女性

AR技術の進歩によって、かつてGoogleが失敗したスマートグラスの分野に再び光が当たっている。

Snapchatが販売するサングラス「Spectacles」にはカメラが搭載されており、着用者の見ている場面を動画や静止画でそのまま残すことが可能だ。プライバシーの問題で排斥されてしまったGoogle Glassの教訓を受けて、撮影時に点灯するライトも装備されている。

だが、その売れ行きは好調と言えない状態のようだ。SnapchatはSpectaclesの販売台数を明らかにしていないが、同社の発表した2016年第4四半期と2017年第1四半期の売上から販売台数が推定されている。

Spectaclesの販売状況

マルチカラー展開されるSpectacles

オシャレに敏感な層に向けて多色展開されるSpectacles

多くのVRヘッドセットメーカーがその販売台数を明かしたがらないのと同様に、SnapchatもSpectaclesの正確な販売台数を発表していない。そのため、販売台数は同社が発表した売上を製品の価格で割るというシンプルな方法によって算出されている。

Spectaclesの売上

Snapchatは写真の共有やメッセージの送信を行えるモバイルアプリを中心とする企業だ。ARグラスの販売を専門に行うメーカーではないため、同社がSpectaclesからどれだけの売上を得ているのかは不明である。

計算には、Spectaclesの売上が大部分を占めると思われる「その他の収益」という項目の金額を使っている。この項目の金額は、昨年の第4四半期に450万ドル(5.1億円)、今年の第1四半期に830万ドル(9.4億円)だという。

この数字をSpectaclesの値段である130ドルで割ることで、おおよその販売台数が分かるというわけだ。その結果は、第4四半期に34,600台、第1四半期に63,800台となる。

ただし、Spectaclesの販売以外にも「その他の収益」のソースがあるかもしれない。そうだとすれば、実際の販売台数はこれよりもさらに少なくなる。

個人の感覚からすればかなり大きな金額と販売台数にも見えるが、企業の製品としてはあまり売れていないと言える。

同じ2017年の第1四半期で比べると、Oculus Riftは64,000台売れたとされている。VRヘッドセットと録画機能付きのサングラスなので別ジャンルのデバイスではあるが、メジャーなVRヘッドセットの中であまり売れていないとされるOculus Riftよりも売れていないのだ。しかも、RiftはSpectaclesよりもはるかに高価なデバイスだ。

Snapchat全体の売上

Spectaclesに限らず全ての売上を見ても、Snapchatは期待を下回っている。SnapchatはIPOに大成功して多くの資金を集めたが、発表された第1四半期の利益は投資家たちの望んでいるものではなかった。

Snapchatはこの四半期に1億4,960万ドル(170億円)を得た。しかし全体の利益はマイナスで、一株当たりの損失は2.31ドルだった。

アナリストたちはSnapchatが1億5,800万ドル(180億円)を稼ぎ出し、一株当たりの損失が16セントになると予想していた。実際の数字はこの予想を大きく下回った。

Snapchatのビジネスが急成長してきたことは事実だ。2015年から2016年にかけて、その規模は6倍にまで拡大している。だが、利益が大きくなると同時にサービスのコストも膨れ上がっている。また、ユーザ数の増加ペースも落ちている。

FacebookやInstagramといった先行する強力なライバルも、Snapchatで人気がある機能を積極的に自社のサービスに取り入れている。Facebookのパワーは言うまでもなく、Instagramにも数億人のユーザがいる。こうしたサービスの存在がSnapchatの成長を妨げる原因の一つだ。

360度カメラがSnapchatを救う?

Snapの360度カメラ

売上報告やユーザ数の推移といった情報を見ると、Snapchatはかなり苦しい状況にあるようだ。確かに2017年最初の成功したIPOではあったのだが、投資家たちはSnapchatの価値を高く見積もりすぎていたのかもしれない。

SpectaclesはウェアラブルARデバイスとして、特殊な販売方法も合わせて話題となった。しかし、その販売台数は思った以上に少ない。このまま収益が改善しなければ、Snapchatは投資家に見放されてしまうだろう。

こうしたSnapchatの苦境を救うかもしれないデバイスとして期待されているのが360度カメラだ。公式にコメントは発表されていないが、Snapchatは360度カメラに関心を示しているという。

同社のサービスを利用する主なユーザは10代の若者たちであり、彼らに360度カメラを提供することで今までにない360度映像の流行が生まれるかもしれない。

 

参照元サイト名:Tech Crunch
URL:https://techcrunch.com/2017/05/10/snap-earned-8m-on-spectacles-and-other-revenue-in-q1-4-5m-in-q4/
URL:https://techcrunch.com/2017/05/10/snap-is-getting-crushed-after-falling-short-of-wall-streets-expectations/
URL:https://techcrunch.com/2017/03/01/snap-360-camera/

参照元サイト名:Apple Insider
URL:http://appleinsider.com/articles/17/05/11/snaps-fledgling-spectacles-sold-just-over-63000-units-in-march-quarter

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。