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フォルクスワーゲンがHTC Viveを本格採用 - VR Inside

フォルクスワーゲンがHTC Viveを本格採用

     

VRでトレーニング

いくつかの世界的な大企業では、VRをビジネスに取り入れる動きが進んでいる。

ドイツに拠点を置く有名な自動車メーカー、フォルクスワーゲン(Volkswagen)のグループもそうした企業の一つだ。

以前から試験的にHTC Viveを使ったVRトレーニングを社員教育に取り入れていた同社は今週、VRトレーニングを世界規模で展開していくことを発表した。

他の業種では既にVRトレーニングの全面的な採用を発表している企業があるが、自動車製造メーカーとしては世界で初めての試みだ。

VRトレーニングの例

VRを社員のトレーニングツールとして取り入れている企業はフォルクスワーゲンだけではない。

ウォルマートのVRトレーニング

自動車産業以外であれば、小売チェーンのウォルマートは従業員の教育にVRを大規模採用することを先月発表している。

計画通りにVRトレーニングが利用されるようになれば、アメリカにある200のトレーニング施設で年間15万人がVRを使ったプログラムを受講することになるという。

もっとも、ウォルマートのVRトレーニングは従来の研修方法を置き換えるようなものではない。VRトレーニングは1回が30秒から5分程度の短いコンテンツで構成されており、従来のトレーニングを補うために利用されるという。

QinetiQのVRトレーニング

防衛技術企業のQinetiQも、トレーニングにVRを利用している。Immerseに協力を依頼して作成されたVRトレーニングでは、複数の潜水艦乗組員が同時に訓練を受けられる。

360度映像で実際の業務内容をイメージするだけでなく、VR空間に再現された艦内でシナリオに合わせて作業するシミュレーションが可能だ。

Immerseのプラットフォームはマルチユーザに対応しているため、自分の作業をこなすだけではなく協力して任務に当たる練習にもなる。

フォルクスワーゲンのVRトレーニング

ウォルマートはStriVR、QinetiQはImmerseが協力してVRトレーニングのためのコンテンツを作成している。

フォルクスワーゲンのVRトレーニングは、"Innoactive platform"SDKを用いて独自に作成されたもののようだ。このSDKは、マルチユーザの作業に対応することを前提としたアプリケーションの制作を可能にする。

フォルクスワーゲンのアプリでは、世界中のユーザがオンラインで同じVR空間に集まり、共同作業することができる。

VR上でバーチャルなツールを使って車を組み立てる練習をするときには、HTC Viveのワンドコントローラーが道具の役割を果たす。

VRを使ったトレーニングを本格採用することを発表したフォルクスワーゲングループは、ARの採用についても前向きだ。将来的には、AR技術もトレーニングに取り入れることを考えているという。

実業務に利用されるVR

Oculus Riftを付けたロッキード・マーティンのエンジニア

Oculus Riftを付けたロッキード・マーティンのエンジニア

VRを利用する価値があるのは、研修やトレーニングのときだけではない。VR技術を実際の業務に取り入れることで、大幅なコスト削減に成功している先例も既にある。

フォルクスワーゲンの構想

フォルクスワーゲンはVRを使ったトレーニングを世界規模で採用することを発表したが、なにもトレーニングのためだけにVRを利用しようと考えているわけではない。

トレーニングのためにハードウェアやインフラを一度整えてしまえば、業務にVRを転用するのは簡単だ。

フォルクスワーゲンでは、大きな会議や生産工程でのシミュレーションにもVRアプリを利用することを予定している。

国際企業の会議では国境を超えて社員を集めなければならないし、何度も試作品を作って修正を繰り返せば金銭的・時間的コストも大きくなる。

VRを活用すれば、これらのコストを削減できる。

ロッキード・マーティンの例

実際に、業務にVRを使ってコスト削減に成功している企業もある。その一例がロッキード・マーティンだ。

自動車ではなく軍用機などを製造するアメリカの軍事企業、ロッキード・マーティン。同社はVRを導入したことで、年間11億円ものコストを削減することに成功している。

没入型技術を研究する社内研究施設の立ち上げには500万ドルがかかったとみられているが、毎年1,000万ドルが節約できるならば半年で投資額分を取り返せる計算だ。

ロッキードでは3Dモデリングによる不都合の早期発見(不要なプロトタイプの制作コストを減らす)、VRを使ったオンラインでのデザインレビュー(出張費用や待ち時間を減らす)によって大幅なコストダウンに成功している。

 

トレーニング用途に、グローバル企業の業務効率化に、VRの持つ力が浸透しつつある。

規模の大きな企業ほど、一度VR設備やコンテンツを用意してしまえば研修や出張を減らすことが期待できる。大企業に入社すれば、研修でVRトレーニングを受けるのは当たり前の時代が来るかもしれない。

 

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/volkswagen-teams-vive-vr-training-rollout/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。