VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

VR/ARデベロッパーは投資するに足る利益を出せていないとの調査結果 - VR Inside

VR/ARデベロッパーは投資するに足る利益を出せていないとの調査結果

     

VRヘッドセットを付けて手を伸ばす人

投資会社や個人の投資家は、何のために投資をするのだろうか。

中には、自分の趣味で投資先を選ぶ人もいるかもしれない。個人的に好きな製品を作っている企業だから応援したい、環境保護の考え方に賛同できるから応援したい、というのも立派な投資の理由だ。

しかし、多くの人は金銭的な見返りを求めて投資を行う。ある企業に投資するのは、その企業やその分野が将来的に成長し、投資額以上の配当をもたらしてくれると考えるからだ。

そのことを考慮すると、VR/ARといった業界に投資するのはリスキーな選択かもしれない。この分野のデベロッパーは、投資に応えられるだけの利益を得られていないという調査結果が出ている。

VR/ARデベロッパーの懐事情

散らばった海外の紙幣

VRやARといえば、成長しつつある、将来が期待されている業界だ。こうした技術がメジャーなものになるのはまだ先のことだと言われながらも、世界中で数百の企業がこの分野での成功を夢見ている。関わっている人数と、費やされた資金も相当な額に上るはずだ。

人と金がこの業界の成長を後押ししている。それにもかかわらず、デベロッパーの懐事情は思わしくないようだ。

Brabant Development Agency(BOM)は先週、VRとARをビジネスとして分析したレポートを作成した。そのレポートによれば、業界のデベロッパーが「必要とする資金」と「得ることを目指す利益」の間には大きな差異があるという。

VRとARの開発者の半数以上が、将来的にはさらに資金が必要になると答えている。彼らは100万ドル(1.1億円)以上を集めなければならないと述べた。

開発を進めるために資金が必要になるのは当然のことだが、問題はその資金を提供してくれる投資家を見つけられるかどうかだ。多額の投資を求めるならば、十分なリターンを提示できなければならない。

100万ドルを超える規模の投資を求める企業は通常、5年以内に少なくとも1,000万ドル(11.3億円)の利益を得られる計画を立てる必要がある。しかし、平均的なデベロッパーは「わずか」130万ドル(1.5億円)を回収する計画を立てているという。

投資の理由

130万ドルの利益を上げる企業に100万ドルでは、割に合わない。金銭的な面だけを見るなら、こうした企業に投資する理由はない。

「財務上のメリットを提示できないならば、他に投資すべき理由を示す必要があります」

と語るのは、BOMのビジネスデベロッパー、Coen Sanderinkだ。投資家に示すべきは、市場のリーダーになれるポテンシャルをアピールできる現実的なプランだという。

「投資家は、潜在的な市場のリーダーになる素質を持つ企業を探しています。

デベロッパーは、派遣労働者のトレーニングやe-sportsといった特定の分野で市場のリーダーとなるための現実的な戦略を立てるべきです」

「これから大きくなる業界である」「スタートアップ企業が成功するチャンスがある」と夢だけを語っても、多くの投資家は資金提供を申し出てはくれないだろう。

彼らを動かすために必要なのは、VR業界のトップになるという野望ではない。それよりも、ニッチな分野で成功するという小さな計画の方が現実的だ。

VR業界は変わったか

バーチャルな通貨

BOMが今回行った調査は、昨年BOMが行った調査の第二版だ。この調査では、VR/ARといった技術が誇大広告されているだけなのか、それとも本当に可能性のあるビジネスなのかが焦点となっている。

第二版では、オランダ、ベルギー、ドイツのデベロッパーとユーザ613人がVR/AR技術にまつわる広範な問題についての質問を受けている。調査の範囲は、予算と資金調達の必要性から将来の収益予測にまで及ぶ。

調査では、ユーザ側も、そしてデベロッパーの側も同じ項目をVR/AR技術の大規模な普及を妨げる理由として挙げている。それは、「この技術の可能性に親しみがない」ことと、「ビジネスとして不十分である」ことだ。

VRやARは仮想世界を使った技術であり、実際に体験してみないとその可能性を理解するのは難しい。また、他の業界・分野でどのようにこの技術が利用されていくのかはまだまだ不透明だ。こうした背景が、技術の普及を妨げているとみられる。

しかし、Sanderinkは「今後5年から10年で本格的なビジネスになる徴候がある」と指摘する。また、潜在的なユーザがこの技術における自身の役割を求めるときが来ているとも語った。

今すぐ利益を上げる技術ではないとしても、そろそろ投資を始めておかないと出遅れてしまうかもしれない。

 

参照元サイト名:Venture Beat
URL:https://venturebeat.com/2017/05/10/the-ambitions-of-vr-and-ar-developers-dont-match-their-financing-needs/

参照元サイト名:BOM
URL:http://bom.instantmagazine.com/bom-special-issue/vrar-hype-or-serious-business

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。