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VR技術がPCゲームに革命を起こすための3つのポイント - VR Inside

VR技術がPCゲームに革命を起こすための3つのポイント

     

バイオハザード7

有名シリーズのVR対応作品も存在はするが、まだ少ない

今年開催されたE3 2017でもVRは話題の一つだった。人気作品のスピンオフや移植作品も含めてVRタイトルが多数発表され、そのラインナップを見てVRデバイスの購入を検討しているゲーマーも居るはずだ。

だが、あくまでも話題の一つでしかなかった。昨年のE3に比べると、VRの扱いが小さくなってしまっている。VRのインパクトは、ゲーム業界が期待していたほどではなかったのかもしれない。

Cnetの記事では、VRがPCゲームに革命を「起こせていない」理由が3つ挙げられている。こうした点を克服できれば、VRによってゲームが大きく変わることになるだろう。

VRに欠けているもの

ワイヤレスアダプタ

HTC Viveを無線化してくれるワイヤレスアダプタ

今年から来年にかけて、VRハードウェアの世界で大きく変わりそうなのがケーブルの存在だ。

2017年にはHTC Viveを無線化するためのワイヤレスアダプタが複数のスタートアップから登場するとされている。2018年に入ると、Intelが開発を進めるHTC Viveのワイヤレスソリューションも登場する予定だ。

無線化によって便利にはなるだろうが、VRに欠けているものとして指摘されているのはワイヤレス通信機能ではない。

ビッグタイトルの不足

PCベースのヘッドセットでメジャーな存在であるHTC ViveとOculus Rift。こうしたヘッドセットが発売されてから1年が経過したにもかかわらず、人気ゲーム会社が手がけた大型VRタイトルはまだ数えるほどしかない。

度重なる延期の末にUbisoftが最近リリースした『Star Trek: Bridge Crew』や、WBの『Batman: Arkham VR』といったVRオリジナルタイトルの他、VRへの移植作品としては『シリアスサム』シリーズや『Fallout 4』『スカイリム』『Doom VFR』のようなベセスダの作品がある。

だが、それだけだ。多くの人気シリーズはまだVRへの対応を発表していない。

あるいは、VRに対応していても本格的に遊べるほどの内容ではないコンテンツもある。VR技術を体験するためのコンテンツとしての価値はあるが、ゲーマーを満足させるような本格大型タイトルはまだまだ少ないのが現状だ。

できることが少ない

VR空間では、多くのことができる。2Dから3Dへ、そしてVRへとゲーム内でできることが増えてきた。

VRゲームで、プレイヤーは360度好きな方向を向くことができる。手の動きをトラッキングするコントローラーにより、VRオブジェクトやキャラクターに触れることも可能だ。

ただし、上記のような行動が可能なのはデベロッパーがそういった機能を実装している場合に限られる。多くのVRゲームは高すぎる自由度に対応できていないため、プレイヤーの行動を制限してしまっている。

ストーリーの破綻を防ぐために仕方のない措置ではあるのだが、プレイヤーにできることが少なすぎるとゲームというよりも360度の映像作品になってしまう。

厄介なハードウェア

HPのバックパック型PC

30万円を超えるゲーミングPC

PS4のような家庭用ゲーム機であれば、遊び方で迷うことは少ない。本体と対応ソフトを買ってきてテレビに接続するだけで遊べるので、ゲーム機を扱うことに慣れているゲーマーならマニュアルすら不要だ。

だが、PCとPCベースのヘッドセットをセットアップするにはある程度PCの知識が必要になる。この不親切さはPCゲームをしないゲームファンや、ハードに疎いライトなPCゲーマーがVRを敬遠する理由になり得る。

デバイスそのものと対応PCの価格も問題だ。VRデバイスは高価で、大きくて、扱いが難しいという欠点を抱えている。

克服の兆し

Star Trek: Bridge Crew

上記のような課題を抱えるVRだが、克服の兆しはある。

大型タイトルの登場

ウォーキング・デッドの世界

Cnetの記事では大手デベロッパーによるいくつかのタイトルが挙げられていたが、その多くは最近になって発売・発表されたものだ。2017年中に発売が予定されているスカイリムやFallout 4はもちろん、2018年の発売を目指して『ウォーキング・デッド』のVRゲームも開発が進められている。

作品の大ファンであれば「ウォーキング・デッドがあるから、発売に合わせてVRデバイスを買う」ということもあるだろう。特定の作品の熱烈なファンではなくても「バイオハザードもスカイリムも気になるから、PSVRを買おうかな?」と考えるユーザもいるはずだ。

人気シリーズやキャラクターのVRゲームは着実に増えている。

自由度の高い作品

PSVRで発売されることが発表されたスカイリムは、元々自由度の高いオープンワールドを特徴とするRPGだ。ストーリーがゲームの中心となるRPGではプレイヤーの行動を制限されることが多いが、こうした作品ならばVRの高い自由度を活かすことができるだろう。

また、デベロッパーがVR作品の開発に慣れてくればプレイヤーの要望に対応できる幅も広がると考えられる。「プレイヤーがこの場面でこういう行動を取るかもしれないから、対応するイベントを用意する」という形で準備ができれば、できることが少なくて不満を感じる場面は減るはずだ。

ハードウェアの改善

Nvidia GTX 1050 Ti

エントリーモデルのGPUでもVRデバイスは動く

VRデバイスや関連するハードウェアを取り巻く状況も改善されつつある。

Oculusは今年の初めにOculus RiftとOculus Touchをそれぞれ100ドル値下げしている。VRデバイスの動作に適したPCの価格が徐々に下がってきたのは、NvidiaやAMDがVR Readyの高性能なGPUをなるべく安く提供しようと努力を続けているためだ。

価格の下落やワイヤレス化により、VRシステムを導入・構築するハードルは低くなる。

 

VRが登場したときは、SF映画やライトノベルの世界を実現する夢の技術のように言われていた。しかし、現在はVRの実情がかなり広まっている。

これから初めてVRを体験するユーザは、期待が高すぎて落胆することも少ないだろう。

ハードウェアメーカーやコンテンツデベロッパーの努力、そしてユーザのVRに対する理解の深まり。VR技術がゲームを変えるための地盤は整いつつある。

気の早い話だが、来年のE3では今年よりも、さらには去年よりも大きくVRゲームが扱われることが考えられる。

 

参照元サイト名:Cnet
URL:https://www.cnet.com/news/3-big-reasons-vr-failed-to-revolutionize-pc-gaming/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。