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8人プレイ対応のVRアーケード用プラットフォーム「VRcade Arena」発表 - VR Inside

8人プレイ対応のVRアーケード用プラットフォーム「VRcade Arena」発表

     

VRcade Arenaデモ

7月5日、VRアーケード向けのハードウェアとソフトウェアを開発するVRstudiosが新たなVRプラットフォーム「VRcade Arena」を公式サイト上で発表した。

このプラットフォームは広いエリアを自由に移動できるワイヤレスなVR体験をもたらすもので、最大8人のプレイヤーがゲームに参加できるという。

同時に、VR施設の管理業務に利用できる「ATTRACTION MANAGEMENT PLATFORM(AMP)」も発表された。

AMPはハードウェアとソフトウェアの統合的な管理を実現し、運用を容易にするプラットフォームとされている。VRcade ArenaはこのAMPを使って構築されている。

VRstudios

VRstudiosの名前は、一般のVRユーザに知られていないかもしれない。個人が購入できる家庭用のハードウェアやソフトウェアを開発しているVR関連企業と違って、同社の顧客はテーマパークやロケーションベースのVR体験を提供する施設だからだ。

VRcade

VRcadeのハードウェア

世界中で利用されているVRstudiosのVRcadeシステムは、最大2人のユーザが参加する全身を使ったワイヤレスなVR体験を可能にする。

ハードウェアに依存せずに動作することも特徴だ。新しいVRヘッドセットや関連アクセサリが発売されれば、そのデバイスのサポートが追加されることを期待できる。

また、導入する施設の事情や希望に合わせたカスタマイズも可能だという。

VR Showdown In Ghost Town

今年の春にアメリカのテーマパーク、ナッツベリー・ファームに新しくオープンしたアトラクションが「VR Showdown In Ghost Town」だ。

このアトラクションでは、VRstudiosの技術によってワイヤレスでVRゲームが可能となっている。Nomadicのシステムなどでは移動できるVR体験のために背中に背負うバックパック型のパソコンを使っているが、このアトラクションではヘッドセットがワイヤレス化されている。

90fpsや120fpsを実現する有線のVRヘッドセットに比べるとリフレッシュレートが低く、60fpsに制限されてしまうという弱点はある。しかし、VRで60fpsと90fpsの違いに気づく来園者は多くないだろう。

VRcadeの標準的なシステムは2人のプレイヤーが参加できるものだが、このアトラクションは4人の参加が可能となっている。

VRアトラクション

ナッツベリー・ファームのVRアトラクション

Los Angeles Timesは6月にナッツベリー・ファームや他のテーマパークの取り組みを取り上げている。

VRを使ったアトラクションは、大掛かりな設備が必要なコースターやライドに比べて低コストで導入できるのが利点だ。

VR Showdown In Ghost Townの導入コストは不明だが、1,500万ドル(17億円)にはならないと言われている。

対照的な例として、ユニバーサルスタジオ・ハリウッドはウィザーディングワールド・オブ・ハリーポッターのアトラクションに5億ドル(565億円)を費やした。ディズニーランドに来年オープン予定のスターウォーズエリアには10億ドル(1,130億円)がかけられている。

シューティングゲームなどの要素を持つインタラクティブなアトラクションは、繰り返しプレイするユーザが多いのも特徴だ。

バズ・ライトイヤーのアストロブラスター(光線銃で敵を撃つ、ディズニーランドのライド型アトラクション)のように来園者が操作できるようなアトラクションは存在していたが、VRならば低コストで同様の体験を提供できる。

他のプレイヤーとの競争やハイスコアを目指してやり込むことに慣れている若い世代は、VRゲームをプレイするために何度もパークを訪れるという。

昔ながらのテーマパークにある旧式アトラクションに魅力を感じにくいゲーマーにアピールする意味でも、VRを使ったアトラクションは効果的だ。

VRcade Arena

室内イメージ

新しく発表されたプラットフォームは名前こそ旧来のものと似ているが、使われるハードウェアは異なるという。また、提供されるコンテンツも単純にVRcadeで使われているものを拡張しただけではないようだ。

VRcadeとの違い

VRstudiosのVRcadeでは、最大2人のプレイヤーがVRゲームに参加できた。しかし、VRcade Arenaでは最大8人が同時にゲームに参加できる。

使われているハードウェアもVRcadeのものとは異なるという。同時に使用するVRヘッドセットの数を増やしたわけではなく、別のハードウェアが開発されている。

また、VRcade Arenaは同時に発表されたAMP上に構築されている。AMPは、VRstudiosのシステムを導入する施設によるVRアトラクションの管理や運用が容易になるシステムだ。

広いプレイエリア

VRstudiosのチーフマーケティングオフィサー、T. Ron DavisはRoad To VRに対してVRcade Arenaの詳細を語っている。新しいハードウェアやAMPの利用に加えて、広いプレイエリアもその特徴となるようだ。

VRcade Arenaは、標準で40フィート×60フィート(12.1メートル×18.3メートル)のエリアを使用する。施設側の要望によってはより広く、あるいは狭くするカスタマイズも可能だ。

VRcadeは最大でも30フィート×30フィート(9.2メートル×9.2メートル)だったので、プレイヤー数の増加に合わせて一気に広くなった形である。

IAAPA Attractions Expo 2017では、VRcade Arenaのデモとして20フィート×70フィート(6メートル×21.3メートル)の構成が示される予定だという。

全ての人が魅力を感じるVR体験

VRデバイスを所有するユーザはまだ少ないが、低料金でVRデバイスをレンタルして利用できるVRアーケードの数は増えている。VRstudiosが新しいプラットフォームで目指しているのは、家庭用のVRよりも没入感のある体験だ。

VRstudiosの共同設立者であるDave Ruddellによれば、同社は世界中で40を超えるVRcadeシステムを運用しているという。

さらに多くのユーザが参加可能になったVRcade Arenaは、「カジュアルなVRファンから真剣なe-sportsのプレイヤーまで、あらゆる人にとって魅力的なVR体験」を可能にするものだ。

 

展開の計画は明らかにされていないが、VRcade Arenaには従来のVRcadeとは異なるコンテンツが用意されるとされている。

いずれ新しいコンテンツの内容についてもアナウンスがあるはずだ。

 

参照元サイト名:VRstudios
URL:http://www.vrstudios.com/

参照元サイト名:Road To VR
URL:https://www.roadtovr.com/vrcade-arena-new-warehouse-scale-vr-arcade-system-offering-8-person-multiplayer-games/

参照元サイト名:Los Angeles Times
URL:http://www.latimes.com/business/la-fi-theme-park-gaming-rides-20170602-story.html

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。