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AR Coreとは?Googleが提供する「AR Core」について徹底解説!

Googleが提供するARCoreを使うことでARアプリを簡単に開発することができます。

年々アップデートが加えられ、使える機能も多くなって、より便利に使うことができるようになりました。

そんなARアプリ開発に便利な、ARフレームワーク「ARCore」について詳しく紹介していきます。


AR Coreとは?

ARCoreとは

AR CoreはGoogleがAndroid端末向けに提供しているARプラットフォームです。

赤外線奥行きセンサーのような特殊なデバイスを必要とせずに、スマホ内蔵のカメラやモーションセンサーだけでARコンテンツを構築することができます。

AR CoreはGoogleが以前に展開していた『Tango』という高度なARプラットフォームで蓄積したノウハウを活用しつつ、より簡易な形で利用できるのが特徴です。

AR Coreで何ができる?

ARCoreでできること

ARCoreはリリース直後は

1.モーショントラッキング

2.水平面の検出(認識)

3.Light estimation(光源の推測)

という3つの技術をベースとしていました。

その後アップデートが行われ、

4.Augmented Images

5.Augmented Faces API

6.Environmental HDR

7.Scene Viewer

8.Sceneform

という新機能が追加されています。

ARCoreの各機能の具体的な内容をそれぞれまとめました。

1.モーショントラッキング

モーショントラッキング機能

カメラの画像を分析して物体の表面とする場所にマークを付け、座標を使って3D空間上に立体的な像を検出することができます。

取り込んだ映像から凹凸などを推定するため、見た目の特徴がない真っ白なものなどは認識が難しく、マークすることが出来ないことがあります。

また、平面を正確に検出するには、カメラを少し動かして見る角度を変えたりしてセンサーにいくつか情報を与える必要があり、検出までに数秒かかるので注意が必要です。

2.水平面の検出(認識)

水平面の検出機能

ARCoreではカメラの映像とIMUセンサーを使用して水平面を検出し、自由に物やキャラクターなどを配置することが出来ます。

壁などの垂直な平面は認識することはできないものの、高さによる平面の位置の違いは認識でき、階段などの段差にも対応可能です。

3.光源の推測(環境光)

光源の推測機能

リリース当初からARCoreの基本となる技術だったのが、カメラによって全体の明るさを数値で検出することが出来る機能です。

ただし、後述の「Environmental HDR」が追加されるまでは、光源の位置などを推定することはできず、太陽の位置に合わせて自動で影の向きが変わるというような表現もできませんでした。

4.Augmented Images

Augmented Imagesとは

「Augmented Images」によって現実にある物体に合わせてARオブジェクトを動かすことができるようになりました。

ARで表現されるものをより現実に近づけるために、「現実世界の物事が常に静止しているとは限らない」という点に着目した機能です。

カメラをポスターやパッケージなどの2D画像に向けると3DCGが出現し、画像の動きに合わせて3DCGも動きます。

また、複数の画像を同時にトラッキングすることもできるので、現実世界と同じように複数の動作が並列して行われている様子を表現することが可能です。

5.Augmented Faces API

Augmented Faces APIとは

「Augmented Faces API」ではカメラで捉えた顔の凹凸を468のポイントで読み取ることができます。

ARエフェクトを重ねた顔

読み取った顔には、フェイスマスクやメガネ、スキンなどのARエフェクトを重ねることができ、ARを使った楽しい自撮り画像・映像を楽しめます。

6.Environmental HDR

Environmental HDRAR COREのリリース当初は光源の位置などを検出できず、影の向きや強弱などの現実の光の見え方をAR表現できないという弱点がありました。

しかし、機械学習によって陰影や反射を反映させる「Environmental HDR」というアップロードが施され、

・環境光の強さ・色合いを推定

・現実の光の見え方をAR画面に反映

ができるようになっています。

そのため、現実の物体とARオブジェクトを違和感なく並べることが可能です。

7.Scene Viewer

ARCore-scene-viewer

「Scene Viewer」とは、AR Core対応のAndroid端末上のブラウザから、ARで現実世界上に3Dオブジェクトを表示することができる機能です。

専用タグを使うことで、ウェブサイトにARコンテンツを簡単に追加することができます。

ウェブサイトにARを導入するのに他のアプリをダウンロードする必要がないため、手軽にARを利用できるようになりました。

8.Sceneform

「Sceneform」は、アニメーション機能によってARオブジェクトをジャンプさせたり、スピン、移動などすることができるものです。

躍動感のあるARコンテンツ、ARイメージを実現することができるようになります。



ARCoreの対応端末

ARCore対応端末

当初ARCoreに対応するスマートフォン端末は、PixelシリーズとGalaxyの一部機種だけでした。

しかし、アップデートが重ねられるとともにiOS端末を含めて多くのデバイスでARCoreを利用できるようになっています。

日本国内で入手できるARCoreの対応端末をご紹介します。

(2019年10月時点)

Android端末(GooglePlay)

Androidスマホ

AndroidではGoogleのPixelやSamsungのGalaxyをはじめとする10種類以上の端末がARCoreに対応しています。

Google

・Nexus 5X

・Nexus 6P

・Pixel、Pixel XL

・Pixel 2、Pixel 2 XL

・Pixel 3、Pixel 3 XL

・Pixel 3a、Pixel 3a XL

・Pixel 4、Pixel 4 XL

Asus

・ROG Phone、ROG Phone II

・Zenfone 6

・Zenfone AR

・Zenfone ARES

HMD Global

・Nokia 6 (2018)

・Nokia 6.1 Plus

・Nokia 7 Plus

・Nokia 7.1

・Nokia 8

・Nokia 8 Sirocco

・Nokia 8.1

Huawei

・Honor 8X、Honor 10

・Honor View 10 Lite

・Honor V20

・Mate 20 Lite、Mate 20、Mate 20 Pro、Mate 20 X

・Nova 3、Nova 3i

・Nova 4

・P20、P20 Pro

・P30、P30 Pro

・Porsche Design Mate RS、Porsche Design Mate 20 RS

・Y9 2019

LG

・G6(Android 8.0以降)

・G7 Fit, G7 One

・G7 ThinQ

・G8 ThinQ, G8S ThinQ

・Q6

・Q8

・style2

・Stylo 5

・V30、V30+、V30+ JOJO、LG Signature Edition 2017(Android 8.0以降)

・V35 ThinQ、LG Signature Edition 2018

・V40 ThinQ

・V50 ThinQ

Motorola

・moto g⁵ˢ plus

・moto g⁶、moto g⁶ plus

・moto g⁷、moto g⁷ plus、moto g⁷ power、moto g⁷ play

・motorola one、motorola one action、motorola one power、motorola one vision、motorola one zoom

・moto x⁴(Android 8.0以降)

・moto z² force(Android 8.0以降)

・moto z³、moto z³ play

・moto z⁴

OnePlus

・OnePlus 3T(Android 8.0以降)

・OnePlus 5、OnePlus 5T

・OnePlus 6、OnePlus 6T

・OnePlus 7、OnePlus 7 Pro、OnePlus 7 Pro 5G、OnePlus 7T、OnePlus 7T Pro

Oppo

・R17 Pro

・realme X

・realme X Lite

・Reno 10x Zoom

・Reno A

・Reno Z

Samsung

・Galaxy A3 (2017)(Android 8.0以降)

・Galaxy A5 (2017)

・Galaxy A6 (2018)

・Galaxy A7 (2017)、Samsung A7 (2018)

・Galaxy A8、Galaxy A8+ (2018)

・Galaxy A30、Galaxy A40、Galaxy A50、Galaxy A50s、Galaxy A60、Galaxy A70、Galaxy A80、Galaxy A90 5G

・Galaxy Fold

・Galaxy J5 (2017)、Galaxy J5 Pro SM-J530 models

・Galaxy J7 (2017)、Galaxy J7 Pro SM-J730 models

・Galaxy Note8

・Galaxy Note9

・Galaxy Note10、Galaxy Note10+

・Galaxy S7、Galaxy S7 edge

・Galaxy S8、Galaxy S8+

・Galaxy S9、Galaxy S9+

・Galaxy S10e、Galaxy S10、Galaxy S10+、Galaxy S10 5G

・Galaxy Tab Active Pro

・Galaxy Tab S3

・Galaxy Tab S4、Galaxy Tab S5e、Galaxy Tab S6

Sharp

・AQUOS R3

Sony

・Xperia XZ Premium(Android 8.0以降)

・Xperia XZ1、Xperia XZ1 Compact(Android 8.0以降)

・Xperia XZ2、Xperia XZ2 Compact、Xperia XZ2 Premium(Android 8.0以降)

・Xperia XZ3

・Xperia 1

・Xperia 5

Vivo

・NEX S

・NEX Dual Display Edition

Xiaomi

・Mi 8、Mi 8 SE

・Mi 9、Mi 9 SE

・Mi A3

・Mi Mix 2S

・Mi Mix 3

・Pocophone F1

・Redmi K20、Redmi K20 Pro

・Redmi Note 7、Redmi Note 7 Pro

iOS端末

ARCoreはiPhone SE以降のモデルをはじめとして、iPhoneやiPadなどのiOS端末にも対応しています。

iPhone

・iPhone XR

・iPhone XS、XS Max

・iPhone X

・iPhone 8、8 Plus

・iPhone 7、7 Plus

・iPhone 6S、6S Plus

・iPhone SE

iPad

・iPad Air 3rd Generation

・iPad mini 5th Generation

・12.9-in. iPad Pro (1st、2nd、3rd Generation)

・11-in. iPad Pro

・10.5-in. iPad Pro

・9.7-in. iPad Pro

・iPad(6th Generation)

・iPad(5th Generation)

iPod

・iPod touch(7th Generation)

ちなみにARKitとはどう違う?

ARCoreと同じようなARフレームワークとして、Appleが提供しているものがARKitです。

ARCoreがAndroid向けに提供するのに対し、ARKitはiOS向けという違いがあります。

ARCoreとARKitとでできることについての違いはほとんどありません

細かい性能面でいうと、顔認識にしろ平面検出にしろARKitがやや認識速度が速いという違いがあります。

また、ARKitがiOS端末にだけ対応しているのに対し、ARCoreはAndroid端末だけでなくiOS端末にも対応していて幅広い機種で利用可能です。

まとめ

ARCoreは機能面についてはアップデートが次々に加えられ、より多くのアイデアを実現することが可能です。

ライバルとも言えるARKitとの切磋琢磨によってAR分野にさらに技術革新が起きることが期待されます。

Android以外にもiOSでも使えるようになるなど対応デバイスも増えており、ARコンテンツ開発環境の普及という試みは順調に進んでいるといえます。

また、ARグラス「Google Glass」に関しても最新モデルを発表するなど産業分野で地道に展開を続けており、ARが果たすITインフラとしての役割も大きくなりそうです。









筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。

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