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古典的肖像画に描かれた人物が自撮りする?ARを活用した美術展「ReBlink」開催

2017/07/11 18:00

海外メディアVRFocusは、美術展「ReBlink」を紹介した。

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肖像画の人物を現代によみがえらせる「ReBlink」

同メディアによると、カナダ・トロントにあるギャラリーであるオンタリオ・アートギャラリーでは美術展「ReBlink」が開催されている。

同美術展に展示されている絵画は、同ギャラリーが所蔵する制作年代の古い「古典的」な肖像画が中心となっている。だがしかし、古典的な絵画を展示しているにもかかわらず、極めて「現代的な」な美術展でもある。

同美術展を現代的にしているのは、その鑑賞方法にある。まずは通常通り、絵画を鑑賞する。次に絵画に対して、スマホカメラを向けるのだ。すると、古典的絵画に描かれた人物にAR表示が重ねられて、まるで現代に生きているかのようにスマホを使って自撮りしたり、スマホの画面をスワイプする様子が見れるのだ(以下の動画参照)。ちなみに、美術展の名称「ReBlink」は直訳すると「再びまばたきする」となる。

同美術展のARコンテンツを制作したアーティストであるAlex Mayhewは、同コンテンツを制作した動機を以下のように説明している。

美術館が抱えている問題として、人々は絵画の前で立ち止まっても、平均してぜいぜい15秒しか鑑賞しないことがあります。

Instagramが登場したり、スマホが便利になったことでこの問題はますます深刻になっています。

そこで、人々に今までとは違った仕方で絵画の前で立ち止まって鑑賞するきっかけを与えたいと思ったのです。

しかし皮肉のは、美術鑑賞を妨げてきた他ならぬスマホを使って、新しい美術鑑賞を提案していることです。そうは言っても、スマホのAR表示を使って、絵画との関わり方に新しい次元を付け足したかったのです。

美術展・博物展とVR・AR

本メディアでは、以前にもVR・ARを活用した美術展・博物展を紹介してきた。

HoloLensアート作品「Concrete Storm」

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本メディア2017年3月6日の記事では、海外メディアFortuneが報じた2017年3月2日から5日までアメリカ・ニューヨークで開催された美術展The Armory ShowにおけるHoloLensアート作品「Concrete Storm」(コンクリートの嵐)を紹介した。

同作品を鑑賞するためには、まずHoloLensを装着して崩れた石柱のある部屋に入る。すると、石柱の崩れた部分がAR表示されて天井まで届いているように見える。さらにしばらくすると、そのAR表示された石柱の部分が再び崩れるのだ(上の画像参照)。

Dali 17 - VR Museum Tours

本メディアで2017年6月36日に紹介した「Dali 17 - VR Museum Tours」とは、カリフォルニア州にあるサルバドール・ダリの作品を所蔵する個人美術館Dali17で体験できるダリの作品をテーマとしたVRコンテンツだ。

同VRコンテンツは、インタラクション性や没入性など、VRの強みを生かした工夫がなされており、ユーザーは現地の美術館に足を運ぶ時とはまったく違う楽しみ方をすることができる。

VRコンテンツ「theBlu」の特別展示

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本メディア2017年2月13日の記事では、VRコンテンツ「theBlu」の特別版がロサンゼルス自然史博物館に特別展示されたことを報じた。

同VRコンテンツは、アプリ開発会社WevrがOculus RiftおよびVIVE向けに開発・リリースしたもので、海の生態をバーチャル体験できる内容となっている。

昨年の4月にリリースされた同VRコンテンツは、高い評価を受けて「PROTO AWARTS 2016」でMost Transportive Experience賞を受賞し、サンダンス映画祭でも上映作品として選出された。

体験方法は、5ヶ所ある「ポッド」と呼ばれる部屋に用意されたVIVEを使う。ポッド内にはディスプレイとイスも用意されていて、家族や友人がVRコンテンツを体験しているヒトが何を見ているか確認することができた。

なお、同VRコンテンツはロサンゼルス自然史博物館で展示された後、ドバイ水族館(正式名称:ドバイ水族館 & 深海動物園)でも特別展示された。

ARがVRより後に市場に現れたため、ARアート作品はVRアート作品に比べて事例が少ない。しかし、今年後半にはARKitアプリが一斉にリリースされるなかで、スマホARアート作品も多数現れることが予想されよう。

美術展「ReBlink」を紹介したVRFocusの記事
https://www.vrfocus.com/2017/07/art-enhanced-with-ar-with-agos-reblink-exhibit/

Reblink公式ページ
http://www.ago.net/reblink

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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