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モバイルポジショナルトラッキングのAntilatencyが2.3億円を調達

2017/05/25 11:45

ALTカメラを付けたVRヘッドセット
ALTカメラを付けたVRヘッドセット

VRヘッドセットの下部にポジショナルトラッキング用のカメラを取り付ける

デスクトップVRに比べて手頃な価格で購入でき、PCやゲーム機との有線接続も不要で気軽に使えるのが特長のモバイルVR。

その一方で、デスクトップVRでは当たり前となっているポジショナルトラッキングが難しいという弱点もある。モバイルVRでも首を回したり頭を傾けたりといった動きはトラッキングできるが、身体の移動は認識させられない。

モバイルVRでのポジショナルトラッキングを実現させるシステムを開発するスタートアップ企業、Antilatencyが210万ドル(2.3億円)の資金を調達した。同社は来月、アメリカにオフィスを開設するという。

Antilatency

Antilatencyのポジショナルトラッキングシステム

床のバーから出る赤外線を感知するシステムだ

以前当メディアでも紹介しているAntilatency。同社のポジショナルトラッキングシステムはGear VRのような一般的なモバイルVRヘッドセット(公式サイトによれば、「あらゆる種類のヘッドセットと互換性がある」)に対応している。

少なくとも、Gear VRとGoogle Cardboardに対応しているようだ。Google Daydreamについては現時点で記述を確認できない。

システムはALT(anti-latency tracker)と呼ばれる専用の小型カメラと、ALTが感知する赤外線を出すIRバーから構成される。モバイルVRヘッドセットにALTを取り付け、IRバーを任意の本数セットするだけでトラッキングに対応したVR体験の始まりだ。

4月末の時点では価格や発売時期といった情報は出ていなかった。また、瞬間的にトラッキングが不可能になる不具合が存在しており、この問題は1ヶ月以内に改善が可能だとも言われていた。

既にこの問題は解決したか、あるいはその目処が立ったのか、今回の情報ではトラッカーの価格が約100ドルになるとされている。

今後の動き

Antilatencyが今回獲得した2.3億円の資金は、ALTの発売時期を早めるために使われるという。だが、実際の発売時期についてはまだ明らかになっていない。

また、AntilatencyはALTを利用したモーショントラッキングコントローラーも計画している。以前から公式サイトでその可能性が言及されていたものだ。

現在はイメージ画像しか掲載されておらず、実際にどのような製品になるのかは不明だ。小型のコントローラー本体にALTを取り付けることでトラッキングを行うため、軽くて小さいコントローラーになるのではないかと思われる。

画像では、本体の裏側にVRのコントローラーでは一般的となったトリガーが見える。また、表側にはトラックパッドらしきものも確認できる。この二つを使ってVRコンテンツの操作を行うのだろうか。

Antilatencyは、数ヶ月以内にKickstarterでクラウドファンディングを開始する予定だという。

ALTシステムの意味

インサイドアウト方式の開発

Antilatencyのトラッキングシステムは画期的ではあるが、この業界の技術の進歩は早い。一般販売までに時間がかかり過ぎれば、ALTシステムの魅力が薄れてしまうかもしれない。

現在販売されているHTC ViveやOculus RiftといったVRヘッドセットでは、外部に1台ないし複数の基地局を設置するアウトサイドインのポジショナルトラッキングシステムが採用されている。しかし、マイクロソフトはヘッドセットに内蔵したカメラで位置を認識できるインサイドアウトのシステムを開発中だ。

GoogleやFacebookも同様のシステムを開発しており、これらが一般化すれば外部にIRバーを設置しなければならないALTシステムは不利になる。

低価格

ALTシステムの強みとなりそうなのは、その価格だ。IRバーの価格は不明だがトラッカーは約100ドルとされており、比較的安価にポジショナルトラッキングを実現できる。

他社のシステムがどのくらいの価格になるかは分からないが、既存のVRヘッドセットにプラス100ドルでポジショナルトラッキングを追加できるならば需要はあるだろう。インサイドアウトのトラッキングがモバイルで安価に利用できるようになるまでは、ALTを利用する意味もありそうだ。

 

もはや夢ではなくなったモバイルVRでのポジショナルトラッキング。システムの価格が安く、持ち運びも簡単なのがALTシステムの特長だ。いかに早く一般発売できるかで、受け入れられる度合いも大きく変わってくるだろう。

また、利用スタイルによってはIRバーが複数必要だ。自由に移動できる空間を実現するには4本か、広いスペースならばそれ以上が必要になる。あまり値段が高いとせっかくの優位性が失われてしまうため、こちらの価格を抑えることも重要となる。

 

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/antilatency-raises-2-1-million-mobile-position-tracking-solution/

参照元サイト名:Antilatency
URL:http://antilatency.com/


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