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Apple、ARグラスを使って3Dプリンティングするオブジェクトをプレビューする機能の特許を取得

2017/10/05 15:46

AppleはARグラスを使って3Dプリンターで出力するオブジェクトをプレビューする機能に関する特許を取得した。同特許は、3Dプリンティングする前に出力するオブジェクトをAR表示するもの。AR表示されたオブジェクトには、3Dプリンティングされたリアル・オブジェクトが上書きされる。

海外メディア3ders.orgは、AppleのARグラスを使った3Dプリンティングに関する特許を報じた。

ARグラスを使って3Dプリンティングする前にオブジェクトを確認

虚空にオブジェクトを見ることはできるか?

同メディアによると、2017年10月3日、AppleはARグラスを使って3DプリンティングするオブジェクトをAR画像でプレビューする機能に関する特許を取得した。この特許の申請日は2013年8月9日とあるので、4年越しの特許取得となる。

3Dプリンターは、すでにほとんどのヒトが実物かメディアを介して見たことがあるだろう。3Dプリンターの基本的な仕組みとは、あらかじめ用意しておいた3Dオブジェクトのデータを3Dプリンターに読み込ませると、3Dプリンターのノズルからプラスチックの樹脂が噴出されて立体的なオブジェクトを印刷する、というものである。

ところで、当然ながら3Dプリンターからプラスチック樹脂が噴出される前に、印刷したい3Dオブジェクトを立体的に見ることはできない。3Dオブジェクトを印刷する前に、PC等のディスプレイから3Dオブジェクト・データを確認することはできるが、それはあくまでディスプレイという平面から見たものに過ぎない。

以上のような「立体的なプレビューができない」ことは、当たり前のように感じられるだろう。というのも、リアルな三次元空間にまだ印刷されていない、したがってまだ存在しないオブジェクトをプレビューするというのは、何もない場所に何かがあるかのように見せることを意味するからだ。

「あるかのように見せる」ARグラス

3Dプリンティングの立体的なプレビューに求められるのは、まだ印刷されてなくモノとしては存在していないオブジェクトがあるかのように見せることである。この要求事項は、3Dプリンティング前のオブジェクトをリアルな三次元空間にバーチャルに見せることは可能か、と言い換えることができる。この要求事項を満たすテクノロジーは、案外身近にあった。それがARである。何らかのARデバイスを使えば、そのデバイスのAR画像表示機能を使って、3Dプリンティング前のオブジェクトをARオブジェクトとして表示すればよいのだ。

Appleが特許を取得した3Dプリンティング・プレビュー機能では、ARグラスが使われる。

ARグラスには作成済みの3Dオブジェクト・データが読み込まれている。このARグラスを装着して、3Dプリンターのオブジェクト出力先を見ると、リアルな空間に印刷前のオブジェクトがAR表示される(本記事トップ画像参照)。

同特許では、このAR表示されたオブジェクトに重なるようにして、3Dプリンターからプラスチック樹脂が噴出されると記述されている。つまり、ARオブジェクトにプラスチック樹脂が満たされて、リアル・オブジェクトが上書きされる、というわけである。

このARオブジェクトがリアル・オブジェクトに書き換わるプロセスは、ARグラスだけではなくスマホ、さらにはプロジェクターでも表示することが可能とさせている。プレビューされたARオブジェクトがリアル・オブジェクトに置き換わる様子を多くのユーザが共有できるのだ。

同特許の最大の魅力は、3Dプリンティング前に立体的なサイズ感を確認できることだろう。また、最近の3Dプリンターはカラー対応しているものもあるので、ARオブジェクトで色の確認ができるのも強みだ。

ARグラスに関するAppleの特許

最近AppleはARKitを実装したiOS11をリリースしたことによって、一躍AR市場におけるプラットフォーマーとなったのだが、同社が注力しているのはモバイルARだけではなく、ARグラス開発も水面下で進めている。本メディアでも、同社のARグラスに関する特許を紹介してきた。

ARグラスから見えるモノにAR情報を付加

先日同社が取得したAR技術の内容は、現実世界の様子をカメラでキャプチャーし、それに関するデジタル情報をスクリーンに重ね合せるものだ。

特許の説明によると、これはスマートフォンでの使用を考慮したものであり、おもにナビゲーション機能や目的地をハイライトする際に、カメラ映像に3Dデータを重ね合わせて使用するものだという。

しかし、アップル製品の部品サプライヤーであるFoxconnの従業員が6月に語ったところによると、アップルは現在「Mirrorshades」という名前のプロジェクトでARスマートグラスを開発しているという。

同社は今年1月にもARに関する特許を取得しており、その内容は「カメラ1つを備えたウェアラブル情報システム」というもので、これも同社のスマートグラスを指している可能性が高い。

現在のAppleの動向と同社CEOのティム・クック氏の発言を総合すると、ARKitのリリースは真の意味での「ポスト・スマホ」デバイスとなるARグラスをリリースする前奏曲に過ぎないようだ。「iGlass」あるいは「AppleGlass」の登場は、思っている以上に迫っているのかも知れない。

ソース:3ders.org
http://www.3ders.org/articles/20171003-apple-acquires-patent-for-ar-compatible-3d-printing-system.html

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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