VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

AppleのARKitが広告によるARアプリの収益化を可能にする? - VR Inside

AppleのARKitが広告によるARアプリの収益化を可能にする?

     

ARKitでゲームのキャラクターを表示する

ARKitがARアプリの開発を変える

AppleがWWDC2017で発表した新しいARプラットフォーム、ARKit。その最大の特徴は、対応する端末の多さだろう。一部の端末でしか利用できないGoogleのスマートフォン用ARプラットフォームTangoと異なり、ARKitは既に世界中で利用されているiPhoneのソフトウェアアップデートで利用可能となる。

Googleも新たに特別なセンサーを必要としないARプラットフォームARCoreを発表したが、対応する端末の台数はプレビュー期間に1億台を目指すとされている。一方でARKitにはリリース時点で3億8千万台のiPhoneが対応すると言われている。プラットフォームを利用できる端末の多さではAppleが一歩先を行くことになりそうだ。

世界最大規模のARプラットフォームとなる可能性が高いARKitには、アプリ開発で収益を上げることを狙う世界のデベロッパーも熱い視線を送っている。

AppleのARKit

AppleのCEO、Tim Cook

AppleのCEO、Tim CookもARを有力視している

そもそも、AppleはARKitの発表以前からAR技術に興味を持っているとされていた。ARグラス(iGlass?)の開発に向けて関連する技術を持つ企業を買収、新特許の取得をしているという噂もあり、将来的にはかつてGoogle Glassが目指していたようなスマートグラスがAppleから登場するかもしれない。

だが、ARに関するAppleの第一歩はスマートフォン用のARプラットフォームであるARKitだ。

手の届くAR

Appleがスマートグラスを発売したとしても、すぐにあらゆる人がメガネで情報をチェックする時代が来るとは考えにくい。Google Glassを始めとするARグラスには既に販売されているものも存在するものの、基本的には業務用のデバイスとなっている。

スマートフォンを使うARの優れた点は、一般の消費者にとって利用しやすいところだ。iPhoneを所有するユーザは世界中に何億人もいる。彼らが利用してくれるなら、ARアプリの開発者も利益を得ることができるだろう。

AppleはARKitによってARアプリを開発しやすい・使いやすいものにしようとしているのではないだろうか。

動き始めたデベロッパーたち

ARKitはまだ一般の消費者に向けて提供されていないが、デベロッパーは既にARKitを利用したARアプリの開発に取り掛かっている。ARKitを使ったARアプリのデモ動画は多数公開されているし、ARKitアプリでジェスチャー操作を可能にするSDKも開発されている。

ARKitはそもそも多くのデベロッパーが使用するUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンに対応しており、デベロッパーフレンドリーな環境だ。そこにこうしたSDKが増えていけば、高度な機能を搭載したARアプリの開発も容易になるだろう。

開発コミュニティが盛り上がることで、さらにARKit対応アプリのライブラリが充実することになるはずだ。

ARアプリと広告

Vertebraeの計画

クロスプラットフォームのAR広告を目指す企業もある

スマートフォンアプリを使っているときに表示される広告は煩わしいものだ。広告が見たくてアプリを使うユーザはいないし、無料で利用できる代わりに広告が表示されるアプリに「広告なしの有料版」があるならそちらを購入するというユーザもいるだろう。

ARアプリの場合でも広告が好まれることはないだろうが、デベロッパーからすると広告はアプリの開発で利益を得るために無視することのできない存在だ。

見てもらえる広告

ARアプリ自体がまだ普及していないことから、ARアプリ内でどのように広告を表示すれば不快に思われることなく内容に興味を持ってもらえるのかははっきりしていない。だが、2016年にスマートフォンアプリ用の広告を配信するAppOnboardを立ち上げた現CEO、Jonathan Zweigは今までと同じで良いとは考えていないようだ。

「誰かがARアプリで遊んでいるところを映像で見せても、良さは伝わりません」

AppOnboardでは、スマートフォンアプリをただ見せるのではなくプレイできる広告を遊ばせる方法が採用されている。広告で15秒から30秒程度の体験をした後にアプリをダウンロードするか、元のアプリに戻るかを選べるという仕組みだ。

ゲームで詰まったときに広告をプレイすればステージをスキップできる、ゲーム内通貨を獲得できる、といった広告もある。短時間であればユーザは付き合ってくれ、動画を見せられるだけと違って退屈してしまいにくい。

ARアプリの場合

ARKitはまだリリースされていないのでARKitに対応したアプリも基本的には存在しないが、リリースされれば「AR体験ができる広告」や「ARゲームと繋がった広告」が出てくることが考えられる。

一般的なスマートフォンアプリ向けの広告と同じく、ただ広告を表示するのではなくユーザがアプリをダウンロードしたくなるような工夫が凝らされるようになるだろう。

誤操作による広告のクリックを狙うのではなく、興味を持ってもらう方向に進むことを願いたい。

 

参照元サイト名:CNBC
URL:https://www.cnbc.com/2017/09/08/apples-arkit-will-bring-with-it-a-new-form-of-mobile-advertising.html

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。