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AppleがiOSにAR機能をもたらすARKitを発表

2017/06/06 11:28

WWDC 2017において、AppleはiOS 11にAR機能が実装されることを発表した。同時に、新しいARプラットフォーム「ARKit」をデベロッパーに紹介している。

Apple ARKit

前々からAppleがiPhoneにAR技術を搭載しようとしているという噂はあったが、確かな情報のない状態が続いていた。ここに来て、ついに同社はiOSの次バージョンでARへの正式な対応を行うことを明らかにした。

加えて、iOSで利用できるARアプリを開発するための新しいプラットフォームも紹介された。それがARKitだ。AppleはこのARKitが最大のARプラットフォームに成長すると説明している。

ARKit

Appleが発表した新しいARプラットフォーム、ARKit。iPhoneやiPadに内蔵されたカメラとモーションセンサー、そして処理能力に優れたプロセッサを組み合わせてiOS上で動作するARアプリを構築するためのツールだ。

ARを使ったゲームや小売店舗での案内といった消費者向けのサービスはもちろん、工業や医療の現場で活用可能なARアプリケーションの開発にも利用できるだろう。

配置されたオブジェクト

スマートフォンで動作するARアプリでは、スマートフォンのカメラで撮影した映像の上にARオブジェクトが重ねて表示される。しかし、特別なセンサーを持たない一般的なスマートフォンでは単純にカメラの映像にオブジェクトを重ねることしかできない。

ちょうどポケモンGOのイメージだ。ポケモンGOでは、背景と画面に表示されるキャラクターに関連がない。スマートフォンの向きによっては、ポケモンが家具や部屋の壁に重なってしまったり、空中に浮かんでしまったりする。

一方、Appleがニュースルームに掲載したデモ映像ではARオブジェクトがテーブルの上に乗っているように表示されているのが分かる。単に映像の上に重ねているわけではなく、空間上の特定の場所にオブジェクトを表示できている。

ARKitの強み

空間上にオブジェクトを配置できれば、ちょうどGoogleのARプラットフォームであるTangoと同様のことが可能となる。ARで家具を配置したり、「メジャー」のアプリで壁との距離を測定したりするにはこうした技術が必要だ。

Tango技術を利用するには、数少ないTangoに対応したスマートフォンが必要になる。AppleのARKitは世界中で使われているiPhoneやiPadで利用できるのが強みだ。

多くのユーザが居ることで、デベロッパーがこのプラットフォームに向けたアプリを開発する意味も生まれる。

ARKitへの期待

ARでデコレーション

かつて、「ウェアラブル」「AR」という二つの流行を取り入れたデバイスであるGoogleグラスが失敗している。だが、最近ではポケモンGOやSnapchatのアプリがARの人気を牽引している。

SFチックなARグラスを日常生活に溶け込ませるのはまだ難しいかもしれないが、一般の消費者がスマートフォンで使用するAR技術を受け入れる下地は十分にあると言えるだろう。しかも、ARKitが実現するARは本格的なものだ。

利益の出るAR

カメラに映った映像に何かを重ねるだけでは考えられなかったアイデアも、ARKitを使うことで形にできるようになるだろう。

新しい技術には、誰も気づいていない利用法があるかもしれない。他のデベロッパーに先駆けて隠れた利用法を見つけられれば、大ヒットに繋がる可能性がある。まだ開拓されていないため、大企業だけでなく個人のデベロッパーやスタートアップ企業にもアイデア次第でその可能性が開かれているのが特徴だ。

Tangoプラットフォームに対応するスマートフォンと違って、iPhoneは出荷されている台数も多い。アプリケーションから利益を得られる期待も所有者が多い分高くなるので、デベロッパーにとってARKitでのアプリ開発は挑戦する価値のある課題となるだろう。

エンジンへの対応

たとえ利益を上げられる可能性が高くても、開発の難易度が高ければ挑戦するデベロッパーは少なくなってしまう。ARKitはその点でも優れている。

多くのARアプリで利用されるUnityとUnrealのエンジンに対応しているため、これまでARアプリや一般的なスマートフォン用アプリケーションの開発で培った知識と技術をそのまま使えるはずだ。

もちろん、新規にアプリ開発を始めるデベロッパーにとってもエンジンを使用できることはメリットとなる。

 

潜在的なユーザが多く、デベロッパーにとっても開発しやすいプラットフォームとなりそうなARKit。AppleがWWDC 2017の中で繰り返し強調していたようにARにおける最大のプラットフォームになってもおかしくない存在だ。

ARの普及をリードする企業としてFacebookやSnapchatの名前が挙げられてきたが、この新しいプラットフォームで活躍するプレイヤーが登場するかもしれない。

 

参照元サイト名:Newsroom(Apple)
URL:https://www.apple.com/newsroom/2017/06/ios-11-brings-new-features-to-iphone-and-ipad-this-fall/

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/apple-jumps-ar-arkit-millions-iphones-ipads/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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