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「バーチャルな世界」で「リアルのお金」を扱うアプリが増えている

2017/07/27 16:57

Payscoutのバーチャル店舗でお買い物

VR技術が登場したばかりの頃、バーチャルリアリティと現実は分けて考えられていた。

だが、VRが生活に浸透した未来が近づくにつれてリアルとバーチャルを隔てる境界線は薄れつつある。

VRでショッピング(ゲーム内アイテムではなく、現実のお金を使った商品の購入)ができるアプリや、資産を可視化できるようなアプリも登場してきた。

隔絶されたVR

VRは未来の生活を変えてしまう技術だと言われているが、実際にVR技術を利用したサービスが登場したのはここ最近のことだ。

VRはゲームのための技術?

一般消費者向けのVRヘッドセットが発売されたときにはゲームがVRの主な用途となっていたこともあり、VR空間では好き放題できる(何をやっても現実で損をすることはない)というサンドボックス的な存在と捉えられていた面があるのかもしれない。

職場で仕事をしたりしなかったりできる『Job Simulator』などはそのイメージを形成した張本人と言えるだろう。

Job Simulatorはリアルな物理演算を使った職業のシミュレーターで、真面目に顧客の要望に応えることもできる。が、職場でアイデア重視の大暴れをしてストレスを解消するという遊び方をしているプレイヤーが多そうだ。

ユーザを現実から切り離されたバーチャルな世界に連れて行ってくれるVR技術は、ゲームへの没入感を大いに高めてくれる。

勇者になってファンタジーの世界を駆け回ったり、宇宙空間を舞台に宇宙船の乗組員として冒険したりと、リアルではできない体験を可能にしてくれるのがVRだ。

だが、最近ではゲーム以外にVRを利用するサービスも多数登場している。

現実と繋がるVR

Shelfzone

スーパーマーケットもVR空間にオープンする時代

VRでショッピング

VR空間でリアルマネーを使えるショッピングアプリも登場した。ほとんど何でも購入できる中国のネットショップアリババの提供するBuy+では、バーチャルな店舗を訪れて実際に買い物ができる。

不動産・住宅業界で使われるVR内覧アプリなどとは異なり、アプリ内で購入まで完結してしまうのが特徴だ。

アリババのAliPay VRシステムでは、ユーザの視線の動きだけで購入を決定することができてしまう。これほど買い物が簡単になると、衝動買いも増えてしまいそうだ。

物語のある買い物

VRでの買い物は店舗に行く必要がなくて便利なだけではない。

Payscout VRではバーチャルな店舗で製品そのものを見るだけでなく、製品(トレーニングウェア)の利用イメージを動画で見ることができる。

動画を使うことで、その製品を購入することでどのように生活が変わるかをイメージしやすくなるという仕組みだ。

Payscout VRは利用できるユーザの多いCardboardプラットフォームを採用しており、AndroidやiOS用にアプリが提供されている。

高額商品から日用品まで

アプリ内で直接商品を購入できる機能はなくても、商品をPRするために作られたVRアプリは多い。

RelayCarsは、VRアプリを使って好きな自動車を眺め、運転席に座る体験ができるアプリを提供している。Buy+のようにクリックすらしないで購入するとはいかなくても、試乗する車種を絞るきっかけになるかもしれない。

航空業界ではVR映像で旅行先の素晴らしさを伝える試みが複数の企業で行われており、VRで大学のキャンパスを見学できるサービスまで存在する。

ファイナンスアプリ

財務状況を可視化する

VRを使って本格的な資産管理が行えるほどのサービスは登場していないが、いずれそうしたアプリが開発されることを予感させるデモはある。

Fidelity LabsのStockCityでは保有する株式が一棟のビルとなり、ビルの並ぶ街という形でポートフォリオが表現される。

現時点ではお遊びの域を出るものではないが、VRを使えばこうした形で複雑な情報を整理して表示することも可能だ。

VRと金融は融合する?

株価や通貨価値を変動させる要素は非常に多く、現代の投資家は常に様々な情報に目を光らせていなければならない。

効率的に市場の状況を把握できるようなVRアプリケーションが登場すれば、彼らの意思決定の助けとなるだろう。

将来の投資家は、マルチモニタ環境でマーケットを監視する代わりにVRヘッドセットを身に着けて投資先を選ぶようになるのかもしれない。

 

どのような形であれ、近い将来バーチャルな世界で現在よりも多くのリアルマネーが動くようになるのは間違いない。

今のうちにバーチャルなクレジットカードで決済を行うシステムでグローバルスタンダードになることができれば、大きな利益を生み出すこともできそうだ。

それとも、VR空間でのショッピングでは単一の母体を持たない仮想通貨(暗号通貨)が支払い方法として一般に広がるのだろうか?

 

参照元サイト名:Huffington Post
URL:http://www.huffingtonpost.com/entry/real-money-virtual-reality_us_5977ae2de4b0c6616f7ce5e2

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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