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AR技術はイベントのためのツールとしても適している

2017/09/19 11:32

ゲームでイベントを盛り上げる
イベントを盛り上げるツールとしてのAR/VR

イベントを盛り上げるツールとしてのAR/VR

インターネット上で、特にFacebookのようなSNSで話題になれば多くの人に見てもらうことができる。リツイートによって拡散される効果を期待して、Twitterで新製品の情報やキャンペーンの開始を伝える企業も多くある。

こうしたインターネット上での活動は重要だが、リアルでの広告活動も昔と変わらず価値を持つ。地域の人を集めて行うイベントは、どこからでも参加できるネット上のキャンペーンとはまた異なる性質を持つからだ。チェーン店ではなく地元に密着した個人商店の場合などは、後者の方が有効なプロモーションとなるかもしれない。

そうしたリアルなイベントを盛り上げるための道具として、VRよりもむしろARが有効だとする意見もある。

イベントで使うVR

HTC Vive Focus

今年発売されるHTCの独立型デバイス

VRとARはどちらも目新しく、注目を集めている技術だ。だが、よりイベントの小道具として採用すべき特徴を備えているのはARの方である。

VRには、イベント向きではない特徴がある。

VRの強み

ARと比較した場合にVRが持つ強みとしては、デバイス・コンテンツの開発が進んでいることが挙げられるだろう。

VRデバイスの開発はARデバイスに比べて数年分進んでいるとも言われており、HTC ViveやOculus RiftといったPCベースのヘッドセットを用いれば個人でもルームスケールのVR体験を提供できる。価格を抑え、利便性を高めるならばGear VRまたはDaydream ViewといったモバイルVRプラットフォームを採用する方法もある。

こうした選択肢の多さはARにはない長所だ。ARの場合は専用のデバイスではなく、スマートフォンを利用することになるだろう。

また、初めて体験した場合のインパクトという点でもVRに分がありそうだ。

VRの欠点

家庭で利用するならばVRデバイスは楽しい製品だが、イベントに使うという観点からすると良くないところもある。

まずは、デバイスに大きなコストがかかる点だ。来場者にVRを体験してもらうためには、一人あたり1台のヘッドセットを用意しなければならない。規模の大きなイベントになると、1台のVRヘッドセットでは足りないだろう。

モバイルVRならばともかく、ルームスケールVRが可能なPCベースのヘッドセットならば1台あたり10万円以上の出費も覚悟しなくてはならない。

効果が不明瞭な点も指摘しておかなくてはならないだろう。VR体験そのものは楽しいかもしれないが、それをどうやってビジネスに活用すれば効果的かは誰も知らないのが実情だ。

イベントにVRデバイスを持ち込むにはコストがかかるのに、その効果ははっきりしていないのだ。

新型デバイスの登場

もっとも、この特徴は変わる可能性がある。

2017年の夏にHTCとOculusはそれぞれのVRヘッドセットを値下げしている。ホリデーシーズンにかけてはマイクロソフトのWindows Mixed Realityに対応したMR(VR)ヘッドセットやVive Focusと呼ばれるHTCの独立型デバイスなど、比較的安価なヘッドセットも発売される。

こうした変化により、イベントでVRを採用するコストは下がるだろう。低コストでVRが採用できるようになれば、広告効果を高めるVRの利用法も研究が進むはずだ。

イベントで使うAR

ARアプリを使う女性

スマートフォンのARアプリを使う様子

デバイスの低価格化が進めばVRも使いやすくなるかもしれないが、現時点ではARを選ぶべき理由がある。

スマートフォンで利用できるAR

イベントでVRよりもARを採用すべき最大の理由は、スマートフォンを使ってARイベントに参加できることだ。最近ではほとんどの消費者がスマートフォンを所有しているので、イベントの主催者がコストをかけてデバイスを用意する必要がない。参加者が手持ちのスマートフォンでARアプリをダウンロードするだけで良い。

AppleのARKit、GoogleのARCoreといったスマートフォン用のARプラットフォームが開発されているため、より進んだARアプリが一般的なスマートフォンで利用できるようになるはずだ。

これは主催者にとってコストの削減になるだけでなく、同時に多くの参加者がARを利用できることも意味する。同時にVRを利用できる人数はVRヘッドセットの数が上限となるが、ARならばデバイスの数が制限となることはない。

あまりにも参加人数が多いと通信トラブルが起きる可能性はあるが、ほとんどのイベントでは問題なくARアプリを利用できるはずだ。

注意を引くAR

現在は利用者数が落ち着いたが、昨年の夏にはARアプリのポケモンGOが一大ブームとなった。

地図上にポケモンが出現するというアプリの性質から、レアなポケモンが出現した場所には多くのプレイヤーが集まったものだ。普段ならば市民ランナーくらいしか居ないような公園に、ポケモントレーナーが大挙して押し寄せた。

社会現象になるほどではないにしても、現実にキャラクターやバーチャルオブジェクトを重ねることのできるARの性質は来場者の注意を引くには適している。

企業が開催するイベントのゲストとしてCEOをホログラムで登場させたり、新製品の利用イメージをARで提示することもできるだろう。あるいは、町おこしのためにARでスタンプラリーや宝探しゲームを開催することもできる。

 

ARKitやARCoreが登場すれば、ただカメラの映像にオブジェクトを重ねるだけではない本格的なARアプリがスマートフォンで利用できるようになる。ARアプリの開発を手がける企業も増えてきているので、オリジナルのアプリを制作するのに必要なコストも小さくなってきた。

こうした環境の変化もあり、ARアプリをイベントに採用するハードルは下がっている。イベントを盛り上げ、人を集めるためのツールとしてARが採用される事例も増えていきそうだ。

 

参照元サイト名:Crain's Cleveland Business
URL:http://www.crainscleveland.com/article/20170916/blogs05/135661/adviser-augmented-reality-can-take-events-next-level

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