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ブロックチェーン技術はVR空間のバーチャルアイテムを守るためにも活用できる

ブロックチェーン技術はBitcoinにも活用されている

ブロックチェーン技術はBitcoinにも活用されている

Bitcoinのような暗号通貨の基盤となっているブロックチェーン技術。この技術は、VR空間で売買されるバーチャルアイテムを守るためにも有効かもしれない。

過去にVRアート作品の希少性と価値を守るためにブロックチェーン技術が使われる可能性を紹介した。1点が1,000万円もするようなVRアートだけでなく、VR空間で売買できるデジタルアイテム(アバターのアクセサリやバーチャルな土地の権利など)を守るときにもブロックチェーン技術が有効かもしれない。

バーチャルアイテムの市場

アイテムの入った宝箱

ゲーム内アイテムの価値はいくら?

有限のもの

物質的な「もの」の価値は分かりやすい。需要と供給によって付けられる値段が変化することはあるが、通常ゼロにはならない。多くの人がほしがるもの、手に入れたり加工したりするための労力が大きいものほど高い値段で取引されることになる。

ものを作り出すにはそれに応じた労力が必要であり、使ったらなくなったり、壊れたりする。一度作った料理をずっと食べ続けることはできないのだ。

バーチャルアイテムの価値

バーチャルアイテムの場合は、事情が異なる。ゲーム内の武器もVR空間の衣装も実体はデータであり、技術的にはいくらでも複製が可能だ。

一度そのアイテムのデータが作られてしまえば、データをコピーして全てのユーザに配布することもできる。それをしないのは、誰もが持つようになればバーチャルアイテムの価値が失われるからだ。

簡単に増やすことのできるデータには価値を認めにくいが、希少性があればその価値を説明しやすくなる。

ゲーム内アイテムの市場

オンラインゲームではしばしば、プレイヤーが他のプレイヤーとアイテムを売買可能なトレードやマーケットといったシステムが搭載されている。通常プレイヤー間の取引で使われる通貨は、ゲーム内の通貨や通貨代わりとなるような安定した価値のあるアイテムだ。

だが、プレイヤーがゲームの運営企業からアイテムを購入する場合には本物のお金を使う。彼らは、ゲーム内のアイテムにお金を払う価値があると考えているのだ。

何百万人という人々がバーチャルなアイテムにお金を払う可能性がある。有料ゲームそのものの売上と同じく、ゲーム内アイテムは非常に大きな市場となっている。

やり取りの難しさ

大人数がプレイするMMORPGの運営者は、ほとんどの場合プレイヤー同士がゲーム内アイテムをゲーム外の何かと引き換えにやり取りすることを禁止しているか、少なくとも推奨していない。支払いと商品の受取に時間差があるRMT(リアルマネートレード)では詐欺を防ぎにくく、ゲーム内通貨をリアルマネーに換金することを狙う集団がゲーム内の経済に悪影響を及ぼす可能性もあるからだ。

しかし、いわゆるオンラインゲームと違ってVRコミュニケーションプラットフォームではユーザがコンテンツを作って販売することを推奨している『Sansar』のような例もある。Sansarでは、ユーザ自身がアバターのアクセサリやVR動画を制作して売買することができる。

ユーザ間での売買に使われるのはSansarドル(S$)と呼ばれる通貨だが、この通貨はリアルマネーとの為替取引ができるのがポイントだ。クリエイターは、規約に違反することなくSansarを通してお金を稼げるのである。

しかし、彼らが販売しているのはデータだ。購入者の一人がデータを改造して無料で配り始めれば、本来のクリエイターは収入を奪われることになる。

また、支払いをする側・受ける側が手数料を取られてしまうのも気になるところだ。手数料なしで少額から自由に売買ができるゲーム内マネーでのやり取りと比べると、気軽にはいかないかもしれない。

ブロックチェーン技術が守るもの

Sansarドルで購入できる商品

Sansarドルで購入できる商品

海賊版からVRアートを守る

単価が高く、存在する数を制限しているVRアート作品の場合はブロックチェーン技術によって「本物」だと保証されることに意味がある。アート作品は偽物と正規品で全く価値が違うため、正規の品であると確認できなければ購入しにくいからだ。

世界に一つ、あるいは数点のコピーしか存在しないと保証されていれば、VRアート作品も絵画や彫刻同様に希少性を保つことができる。

バーチャルアイテムの代金を支払う

Sansarで利用するアイテムを売買したいユーザは、Sansarストアを使う。こうすることで運営企業Linden Labの信用によって取引を確かなものとしているのだ。お金を払ったのに商品が受け取れない、というトラブルは起きないようになっている。

しかし、Sansarストアでの取引ではリアルマネーではなくSansarドルを使わなくてはならない。手間と手数料がかかることに加えてドルとSansarドルの為替レートは一定ではないため、売買のタイミング次第では必要以上に損をしてしまうこともあり得るのだ。

そこで、ブロックチェーン技術を使った暗号通貨で直接取引を行う方法が考えられる。暗号通貨は個人間での送金が可能なため、VRユーザ同士がバーチャルアイテムの売買を行うには適した送金手段なのだ。

市場のセキュリティを確保する

ブロックチェーン技術のセキュリティの高さも、バーチャルアイテムの市場が拡大する助けとなる。

バーチャルアイテムを取引する相手が信頼できないことは、その市場が拡大するのを妨げる原因となっている。正規のデータを受け取れるか不安に思いながら売買する必要がなくなれば、もっとユーザ同士の取引が盛んになるはずだ。

不安を感じずに利用できる活発な市場は、多くの人がバーチャルアイテムの売買を行うようになるために必須の条件である。

 

参照元サイト:Payments Source

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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