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BMW、自社のクルマをAR表示するARKitアプリをリリース

立体的なオブジェクトをAR表示できるARKitアプリが、商品のディスプレイに活用される事例を本メディアではいくつか紹介してきた。本記事で紹介するのは、そんなARKitを活用した商品ディスプレイのなかでも、大きなモノを表示する部類である。AR表示されるモノは、自動車だ。大手自動車メーカーBMWがリリースしたARKitアプリは、メーカー自身が開発しただけに細部にまでこだわっている。

BMWのARKitアプリの画像

まるでリアルにあるかのような存在感を表現

BMWが開発・リリースしたARkitアプリは、同社の自動車を原寸大でAR表示するものだ。原寸大でAR表示するので、例えば自宅の車庫で同アプリを使えば、AR表示された自動車のサイズをかなり正確に理解できるだろう。また、画面をスワイプすることで、見る角度を変えることができる。

BMWのArKitアプリ画像その1

AR表示されている自動車はバーチャルな存在なので、当然ながらカラーリングを一瞬にして変えることができる。VR空間内ではなくリアルな空間の中で表示されているので、リアルな景色との対比で色を確認できるところが、自動車の購入を検討する時に大いに役立つだろう。

BMWのARKitアプリの画像その2

BMWのARKitアプリで自動車のカラーリングを変える様子

同アプリがAR表示するアプリは、外見だけではなく車内をも見ることができる。しかも、ドアの開閉、ライトの点灯と消灯、ラジオの電源のON・OFFまで可能となっているのだ。

BMWのARKitアプリの画像その3

BMWのARKitアプリでバーチャルな社内を見ている様子

ちなみに、自動車をAR表示するARKitアプリはほかにも存在し、例えばUIデザイナーのJelmer Verhoogs氏は、TeslaをAR表示するARKitアプリのデモ動画をYouTubeに公開している。もっとも、同氏のデモアプリでは社内までは再現されていない。

なお、以上のBMWが開発したARKitアプリはアメリカ限定でリリースされており、日本のApp Storeにはない。とはいうのも、今後、同アプリのような自動車のマーケティングに活用できるアプリは日本でもリリースされるのではなかろうか。

自動車産業とAR

自動車産業にARテクノロジーが活用されている事例は、以上に紹介したようなマーケティング分野ではまだほとんどなく、カーナビに応用されているものが多い。

GPS Navigation & Maps Sygic

Sygic

SygicのナビアプリでフロントガラスをHUDとして使う

2億人以上のユーザがいるビゲーションアプリ「GPS Navigation & Maps Sygic」は、外が暗い夜限定で自動車のフロントガラスにナビゲーション情報を表示する機能がある。

この機能はスマートフォンの画面を明るくしてガラスに反射させるだけのシンプルなものなのだが、運転中にスマートフォンを見るよりもアプリの確認をしやすくなり、安全性を高めることが期待できる。

Navion

ARナビゲーションの開発を手がけるWayRayは、車のダッシュボードに搭載できるホログラフィックナビゲーションシステム「Navion」を開発中だ。同システムを使用することで、車のフロントガラスに目的地までの経路を指示するナビゲーション用の矢印が、車の速度情報とともに表示されるようになる。

同社CEOを務めるVitaly Ponomarev氏は以前、2017年度中にコンシューマー向けの同システムを発売するとコメントしていたことがある。しかし12月となった段階でも特に何もアナウンスがないところを見ると、リリースまではもう少し時間は掛かるのだろう。

自動車産業とVR

自動車産業には、ARよりむしろVRの活用事例が多い。同産業におけるVR活用事例は、いくつかの種類に分けられる。

VR試乗体験

まず、最もポピュラーな活用事例は、VRを活用してバーチャルな試乗を提供することだ。本メディアは、そうした事例をいくつか紹介していきた。

自動車をVR空間で設計する

自動車の設計をVR空間で行う事例も紹介した。VR空間で行うことで、開発コストを抑えることが可能となる。

自動運転技術の開発にもVR

自動運転技術の開発にもVRが活用されている。自動運転時に自動車が従うべき「倫理プログラム」の開発のために、ヒトにバーチャルな事故を体験してもらって、事故時の判断を分析するのだ。

XRテクノロジーは製造業をアップデートする

以上のように自動車産業には、すでに多数のXRテクノロジーの応用事例があるのだ。そして、XRテクノロジーは自動車産業に限らず、製造業全般に幅広く活用される兆しもある。

VRは製造業全般におけるバーチャルなプロトタイプ作りに活用できる。また、ARは製造業全般における組み立て工程において、マニュアル等を閲覧しながら作業することを可能とする。

VRとARは、ともにまだ日常生活に密着した「当たり前」のテクノロジーとはなっていない。しかし、製造業の分野においては、少しずつ「役立つ技術」として浸透しつつあるのだ。

ソース:Next Reality

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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