VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

VRスポーツ中継が変わる?Cannonが開発するカメラシステムは視点を自由に動かせる

2017/09/26 14:06

視点を移動させられるCannonのカメラシステム
視点を移動させられるCannonのカメラシステム

視点を移動させられるCannonのカメラシステム

テレビのスポーツ中継にはないVR配信ならではの特徴として、映像の視点を変更できるという点が挙げられる。単にユーザが首を動かすことで向きを変えられるだけでなく、試合会場に設置された複数のカメラの中から表示する視点を選ぶことができるのだ。

この特徴により、スタジアムの最前列や各チームのベンチに近い席といったファンが喜ぶベストポジションからの観戦が可能だ。また、通常は立ち入ることのできないコート上空や審判の視点から試合を見られることもある。こうした視点で試合を眺めることは、過去には考えられなかった。

技術の進歩はさらに視点の自由度を高めようとしている。あらかじめカメラを設置したいくつかの地点から観戦ポイントを選ぶのではなく、擬似的にではあるがカメラを自由に移動させることが可能になるようだ。公開された映像はまるでサッカーゲームのようだが、実際の試合をこのように好きな方向から見ることができるようになる。

Cannonの技術

Cannonの技術は、複数のカメラを組み合わせることで「自由視点映像」を実現するものだ。スポーツの試合やアーティストのライブを様々な場所に設置した複数のカメラによって撮影し、その映像をソフトウェアで合成することでこのような表現が可能になっているという。

自由な視点の移動

これまでのVR映像でも、コートの中で行われるあらゆるプレーをベストな場所から見るために複数のカメラが設置されていた。コートを囲むように配置されたカメラだけでは飽き足りず、上空にドローンを飛ばして全体を見下ろすような映像を撮影したり、選手に近い目線の映像を撮るために審判にカメラを身に着けてもらったりといった例もある。

だが、これまでのVR配信ではあくまでも視点を「選ぶ」システムだった。視点の切り替えは可能だが、担当するカメラが交代することで視点が移動するので、「カメラAとカメラBのちょうど中間から観戦したい」「真上からでは遠すぎて細かなプレーが見えなくなるので、斜めに見下ろすような視点で見たい」といった微妙な要望に応えることができなかった。

Cannonの自由視点映像では、上記のような細かなユーザのニーズにも対応できる。公開された映像を撮影するに当たって何台のカメラが使用されているのかは分からないが、カメラAとBの中間から見た映像(そこにカメラがあればそう見えるであろう映像)や、選手の間近に迫る映像を見ることも可能だ。

視点を切り替えるのではなく、三次元空間で移動させることができるのがこの自由視点映像の特徴である。

ファンとチームのために

この技術はスポーツファンが試合を見る形を一変させてしまうかもしれない。これまでは見えなかったところまで見えるようになるので、試合の重要なポイントを追うのではなく自分が特に好きな選手の動きを逐一追うような見方をするファンも出てくるだろう。

Cannonの技術はスポーツファンのために利用されるだけでなく、選手自身やチームのコーチにも利用されるかもしれない。同社は、「スポーツイベントを楽しむための新しい手段を提供するだけでなく、トレーニングチームや選手のためのこの技術を使ったアプリケーションを模索していく」という。

試合の内側を過去にない視点から見られるようになることで、監督の采配を左右したり、トレーニングメニューの構築に利用されたりといった例も出てきそうだ。

選手目線での観戦

スポーツの試合はVRで配信するコンテンツとして適していることもあり、こうした技術を研究しているのはCannonだけではない。今年の1月には、IntelとFOX Sportsがスーパーボウルで選手目線の映像を提供することを発表している。

複数のカメラによる撮影

このときPeta Pixelがこのシステムのユニークな点として伝えたのが、選手視点の映像を撮影するためにGoProのようなアクションカメラが使われていないことだ。選手や審判がアクションカメラを装着することでフィールド内から映像を撮影するという手法はこれまでにも使われていたが、このシステムではコートの外に設置された複数のカメラが映像を撮影する。

ソフトウェアで処理する内容は違っても、アイデア自体はCannonの自由視点映像と全く同じものだ。映像を見るとCannonのものの方が洗練されていて画質も高いように見えるが、FOX Sportsの映像は半年以上前に公開されたものだ。こちらのシステムも、さらに性能が向上していることが予想される。

 

FOX SportsとIntelやCannonが開発するシステムによって、過去のスポーツ中継ではあり得なかった選手視点の映像を見ることができるようになっている。これはスポーツファン、特に自身がそのスポーツをしたことがあるファンにとっては嬉しい機能だ。

それだけでなく、チームの監督やコーチ、あるいは選手自身がプレーを振り返るために利用することもできるだろう。実際の試合のワンシーンを元にしたVRトレーニングアプリなども作られるようになるかもしれない。

新しい技術によって、VRを使ったスポーツ観戦や選手のトレーニングがまた進化しようとしている。

 

参照元サイト名:VR Room
URL:https://www.vrroom.buzz/vr-news/products/canons-virtual-camera-comes-straight-out-sci-fi

参照元サイト名:Peta Pixel
URL:https://petapixel.com/2017/01/12/years-super-bowl-will-feature-high-tech-players-eye-view/

VRInside~VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア~


VR・AR・MRからVTuberまでXRに関連した最新情報を配信します。

最新ニュースを読む