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ARスマートヘルメットの開発企業DAQRI、エンタープライズ向けスマートグラスを発売開始

ARデバイスを開発するDAQRIは、現場作業で使用するヘルメットにバイザー型のARディスプレイを搭載した「Smart Helmet」の開発企業として知られている。

同社は先日、新型のスマートグラス「DAQRI Smart Glasses」を発表、11月7日より発売を開始した。

「DAQRI Smart Glasses」について

エンタープライズでの使用に特化したスマートグラス

DAQRIはハードウェアと、それに対応するソフトウェア両方を開発している企業であるが、「DAQRI Smart Glasses」はエンタープライズ分野での使用に特化したデバイスだ。

たとえば工場での生産現場や、建設現場、病院など様々な分野での使用に対応している。埃が舞う現場やデバイスをぶつけてしまう可能性のある過酷な環境でも使用できるように、頑丈さを重視した設計になっている。

小型のPCパックと接続して使用

「DAQRI Smart Glasses」は使用時に小型のPCパックと接続する必要がある。マイクロソフトのARデバイス「HoloLens」のような一体型のデバイスではないが、PCパックは小型であるため、ポケットに入れたり、ベルトに装着したまま使用することが可能だ。

スマートグラスが生産現場にもたらすメリット

現在、生産現場や建築、医療現場などの様々な分野において、VRやAR、IoTを取り入れた効率改善を様々な企業が進めている。

DAQRIも複数の企業と提携して、同社のデバイスを用いて従来の業務効率の改善に取り組んでいる。たとえば同社は米国のソフトウェア企業オラクルとパートナー提携を結んでおり、DAQRIのAR技術とオラクルの先進的なIoT技術を融合して、ワークフローの改善に取り組んでいる。また、このプログラムにはDellも参加している。

Dellの副社長であり、Product Strategy and Innovationを担当するNeil Hand氏は以下のように述べている。

DAQRIの取り組みは、ARによって得られるメリットをさらに進化させるものです。Dellは現在、VR/AR技術を軸にしたパートナープログラムを実施していますが、DAQRIとコラボレーションしようと思った理由はここにあります。没入技術を用いた技術革新は、従来のビジネスに大きな変化と成長をもたらします。DAQRIが開発するソリューションはこの目的に適ったものであり、Dellと提携することによって、生産性に大きな改善をもたらすことができます。

DAQRIの公式サイトで発売中

「DAQRI Smart Glasses」は同社の公式サイトから購入することが可能で、価格は4,995ドル(約57万円)となっている。

現場作業で活躍するモバイルAR、スマートグラス

「Remote AR」

エンタープライズ向けのARサービス、ソフトウェア開発を行うScope ARは、モバイルARを活用する業務支援ツール「Remote AR」を提供している。

「Remote AR」アプリを用いることで、遠隔地にいる現場作業員に素早く、的確な指示を出すことが可能になる。たとえば組み立てのプロセスを伝える際、矢印やメモなどをARによって現実空間に重ね合わせて表示することが可能なので、現場にいる作業員は直感的に、素早く内容を把握することができる。

設備のトラブルの際も、専門家が遠隔地からディレクションを出せるので現地に直接赴く必要性がなくなるので、時間的、経済的なコスト削減につながる。「Remote AR」は現在、すでにいくつかの企業が採用しており、たとえばキャタピラー、ロッキード・マーチンなどの大手メーカーが、本アプリを活用した現場業務の効率改善に取り組んでいる。

参考:遠隔地にいる作業員のリモートワークを支援するARアプリ「Remote AR」が登場

「グーグルグラス」

米国の航空機エンジンメーカーGE Aviationは、航空機エンジンの整備業務にグーグルグラスを導入している。同デバイスを導入することによって、作業マニュアルをハンズフリーで閲覧することができる。それによって作業時間の短縮に成功している。

同社が行った調査では、高齢者のメカニックに同一のエンジン整備業務をグーグルグラスを装着して実施した場合と、装着しない場合との作業時間を比べた結果、グーグルグラスを装着した場合、作業スピードが16%早くなったことが実証されている。

GE Aviationは、このようなAR作業支援システムを12箇所の現場に導入する計画を進めている。同社はAR作業支援システムを導入することによって、数億円単位のコスト削減が今後10年間にわたって見込めると考えている。

参考:GE Aviation、航空エンジン整備にGoogle Glassを導入して作業効率の向上に成功

スマートグラスを活用したARメンテナンス

また、スウェーデンの家電メーカーであるElectroluxは、ARスマートグラスを用いた工場内設備のメンテナンス用ソリューションを提供している。

ユーザーはデバイスを装着して、遠隔地にいるエキスパートのエンジニアと容易に協働することができる。機械や設備の故障時に、スマートグラスのカメラを通して遠隔地にいる専門家に直接、視覚的に伝えることができる。そして専門家はトラブルの解決方法や、必要な指示などを相手側のスマートグラスにAR表示する。現場の作業員はAR表示されるディレクションに従って、ハンズフリーで作業を行うことができる。

同社のサービスは現在、ヨーロッパ、中東、アフリカ地域の16箇所の工場において採用されている。

参考:スウェーデンの家電メーカーElectrolux、工場向けのメンテナンス用ARソリューションを提供

参照元:Next Reality DAQRI Begins Shipping Its Ruggedized, Yet Portable AR Smartglasses Worldwide

daisuke


ライター兼翻訳家。2016年12月にプレイステーションVRを体験したことをきっかけにVRに関心を持つ。ARやドローン、AIなどの先端テクノロジー全般に興味があり、SF化する世の中にワクワクしています。

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