VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

調査会社Digi-Captal、ARKit・ARCoreの登場により激変したVR・AR市場の成長予測を発表。モバイルARが市場の王となる?

2017/10/05 18:10

    調査会社Digi-CApitalは、ARKit・ARCore登場後のVR・AR市場についての今後5年の成長予測を発表した。

    VRがウサギとしたら、ARはカメ。勝つのはどっち?

    新たな予測スキームの必要性

    ARKit・ARCoreのインパクト

    先月AppleがリリースしたハイエンドなモバイルARプラットフォームARKitの登場は、今後のVR・AR市場に大きな影響を与えることは疑い得ない。何しろ世界中にある約4億台のiPhoneが、追加購入するデバイスなしに高性能なARデバイスとなるのだから、その影響は計り知れない。

    ARKitの影響力を適切に理解するには、今日モバイルVRに分類されるプロダクトと比較すればよいだろう。スマホで手軽にVR体験ができるGoogle Cardboardのようなデバイスでさえ、無料で手に入るわけではない。現在の平均的なスマホ・ユーザから見れば、よくわからないVRのためにおカネを払うのはためらってしまうだろう。そして、多くのスマホ・ユーザはVRを知らずに過ごすのである。

    最近ではARKitと足並みを揃えるようにして、GoogleからARCoreもリリースされた。ARKitとARCoreが登場したことで、現在のスマホ・ユーザのほぼ全員が潜在的なモバイルAR市場のユーザとなったのだ。こうしたモバイルAR市場のポテンシャルを前にしては、VR市場のそれはかすんで見えるほどだろう。

    新たな提言

    本メディアでも度々言及してきた調査会社Digi-CAptalは、以上のようなARKit・ARCore登場による絶大なインパクトを重く見て、従来のVR・AR市場成長予測を刷新したレポートを発表「Augmented/Virtual Reality Report Q4 2017」した。

    同レポートの要点をまとめると、以下のようになる。

    今後5年はモバイルAR市場が、VR・AR市場を支配する。
    ・2018年にはモバイルARに最適化されたスマホは、9億台に達する。
    ・ARグラスの実用化は、VR・AR市場における長期的な目標である。しかし、ARグラスがメインストリームになるには少なくとも10年後である。
    ・モバイルAR市場の台頭により、VR市場の成長は鈍化する。
    ・ハイエンド型VRヘッドセット市場は、次世代のスタンドアロン型に移行するまではあまり成長しない。次世代型ハイエンド型VRヘッドセットが登場するのは2019年か2020年である。
    ・モバイル型VRヘッドセット市場は、開発者および消費者の関心がモバイルAR市場に転換するので、その規模は縮小する。

    なお、参考までに以上の提言で述べられた市場名とプロダクトの対応関係は以下のようである。

    市場名 市場に属する代表的なプロダクト
    モバイルAR ARKitに対応したiPhone、ARCoreに対応したAndroid
    ARグラス HoloLens、Meta 2、GoogleGlass、AppleGalss?
    ハイエンド型VRヘッドセット VIVE、Oculus Rift、PSVR
    モバイルVR Gear VR、Daydream View、スマホ全般

    各プロダクト市場の収益予測

    2021年までの各市場の収益の成長予測をグラフ化すると、以下のようになる。

    今後5年において、VR・AR市場で最も収益をあげるセグメントはモバイルAR市場である。

    2018年には、モバイルAR市場の収益はハイエンド型VRヘッドセット市場の1.3倍、モバイルVR市場の1.5倍、ARグラスの4.8倍になる。

    2021年にはモバイルARはVRとの差をさらに広げる。2021年のモバイルAR市場の収益はハイエンド型VRヘッドセット市場の4.8倍、モバイルVR市場の9.6倍になる。逆にARグラス市場はモバイルAR市場と共に成長して、市場の収益はモバイルAR市場の3.9倍と差を縮める。その結果、VR・AR市場の収益のじつに2/3がモバイルAR市場で占められることになる。

    業種ごとの収益予測

    VR・AR市場の収益を業種ごとに見た成長予測は、以下のグラフのようになる。

    もっもと収益をあげる業種は、モバイルARを活用したeコマーズである。「モバイルARを活用したeコマーズ」で想定されているのは、本メディアでもすでに紹介しているIKEAのモバイルARアプリを使ったショッピングである。

    VR・AR市場における収益を、業種ごとにランキングすると以下のようになる。

    • 1位:モバイルARを活用したeコマーズ
    • 2位:ハードウェアの売り上げ
    • 3位:広告収入
    • 4位:ゲームアプリ
    • 5位:ノンゲームアプリ
    • 6位:企業向けサービス
    • 7位:動画
    • 8位:ロケーションベースのVR・ARサービス

    現在VR・AR市場の収益において大きな位置を占めているゲームは、モバイルARを活用したeコマーズの台頭によってその順位を落とすことになる。

    地域ごとの収益予測

    VR・AR市場の収益の成長予測を世界の地域ごとにまとめると、以下のようになる。

    2021年のVR・AR市場の各地域ごとの収益の分配は、現在の地域ごとのスマホ市場の規模に比例する。

    現時点で巨大なスマホ市場である中国を含んでいるアジア地域が、同市場でも最も大きな収益が見込まれる。ついで北米地域、ヨーロッパと続く。この3地域で全体の9割近い収益を占める。

    以上の成長予測は、にわかには信じ難い印象を受ける。しかし、今後のモバイルAR市場の成長によっては、以上の予測が「事実」となることも十分に起こりうることであろう。

    ソース:Digi-Captal
    https://www.digi-capital.com/news/2017/10/two-speed-arvr-market-after-arkitarcore-ar-upgrade-vr-downgrade/#more-1872


    VR・AR・MRからVTuberまでXRに関連した最新情報を配信します。

    最新ニュースを読む