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Dreamworld、Metaと法的係争中にも関わらず、ARバイザー「DreamGlass」の新トレーラー動画公開

DreamGalssのトレーラー動画画像

海外メディアNextRealityは、DreamworldがARバイザー「DreamGlass」の新トレーラー動画を公開したことを報じた。

DreamGalssの新トレーラー動画画像

強気な姿勢のDreamworld

同メディアによると、ARバイザー「DreamGlass」を開発している企業Dreamworldは、2017年11月6日に同ARバイザーのトレーラー動画を公開した。

同ARバイザーは、MicrosoftのHoloLensのように、スマホやPCを必要とせずにハイエンドなAR体験ができるデバイスだ。そして、同ARバイザーの最大の特徴は、HoloLensよりも圧倒的低価格を実現していることだ(詳細は後述する)。

だがしかし、上記のことはあくまで「仕様上」のことである。同ARバイザーの本当の特徴は、現在同じくARバイザーを開発しているMetaと同デバイスの特許技術に関して法的に争っているのだ。

以上の特許侵害訴訟は、まだ解決を見ておらず、Metaは引き続き争う姿勢を崩していない。にもかかわらず、Dreamworldは特許侵害の訴えを起こされているARバイザーの最新トレーラー動画を公開したのだ。

Dreamworldのこうした振る舞いは、Metaと和解する気など全くない、という表れだろうか。今後の同社の動向には引き続き注意が必要だろう。

Meta 2とは

Dreamworldと法的に争っているMetaもまた、ARバイザー「Meta 2」を開発している企業である。時系列的には、MetaのほうがDreamworldより早くARバイザーの開発に着手している。

「Meta 2」とは、Microsoftが開発しているHoloLensのようなハイエンドなAR体験を可能とするARバイザーである。

同バイザーの最大の特徴は、HoloLensに迫るグラフィック能力を有しながら、その価格がHoloLensのおよそ1/3の$950(約¥103,000)であることだ(HoloLensは$3,000)。

同ARバイザーのグラフィック性能は、以下のデモ動画を見るとわかる。ユーザーの操作に対するレスポンスがHoloLensに比べてやや遅いことは否めないが、まだ開発版であることとその低価格を考慮すると、HoloLensを脅かすライバル・デバイスであると言える。

ちなみに同バイザーは、2017年9月、VRコンテンツでメジャーな規格であるSteamVRに対応した。

DreamGlassとは

2017年5月、本メディアはDreamworldが開発するARバイザー「DreamGlass」をはじめて紹介した。

上記記事では、Meta 2より性能的に若干劣るものも、価格がMeta 2よりさらに安い$350(約¥40,000)であることを報じた。

HoloLensを1台購入するためのコストは$3000なので、同じコストでMeta 2ならば3台、DreamGlassなら8台購入できることになる。まさに驚愕の安さである。

なお、当時の記事では、次のようなことを指摘していた。「余談だが、Meta 2のデモ動画でもヒトの脳がテーマであった。ARグラスのデモはヒトの脳が定番になるだろうか」。

MetaとDreamworldの法的争い

DreamGlassをはじめて紹介して1ヵ月後の2017年6月、本メディアはMetaがDreamworldを訴えたことを報じた。

Metaの訴えによると、DreamGlassのデモ動画を見る限り、同バイザーに使われている技術がMeta 2に使われているそれに強く酷似している、というのだ。同社が法的訴えという手段に出た理由は、デモ動画が似ているからだけではない。DreamworldのCEOがかつてMetaの社員だった、という確証があったからだ。

以上のようなやや複雑な事情は、Metaが作成した訴状の文面に表現されている。その訴状の文言が以下。

(DreamworldのCEOである)Zhongは、2015年4月9日頃から彼がMeta社を退社する2016年6月22日まで、Meta社に対して「Johnny」というニックネームを名乗っていた。

ところが、彼がMeta社を退社してDreamWorld社を起業した時には、ニックネームを「Kevin」に変えていた。

この変名は、彼「Kevin Zhong」がかつてMetaの社員の「Johnny Zhong」であった事実を隠すために行ったことだと、強く思われるのである。

ちなみにDreamworldのCEOである「Kevin Zhong」氏は名前が示すように中国系であり、中国系のビジネスマンは中国名だと発音が難しいのでビジネス上はニックネームを使う習慣がある。それゆえ、変名というは特殊なことではないのである。

MetaとDreamworldの法的争いは、収束の気配が感じられない。Dreamworldが最新トレーラー動画を公開したことが、事案の解決をさらに難しくするかも知れない。

ソース:NextReality
https://meta.reality.news/news/after-meta-lawsuit-settlement-dreamworld-open-pre-orders-for-ar-headset-0181156/


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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