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レトロゲームのプレイを部屋ごと再現する「EmuVR」のデモ動画が公開

面白いゲームは、オープンワールド形式のアクションRPGのようにテクノロジーの進化がなければ実現しないという側面がある。だがその一方で、使われているテクノロジーに関係なく面白いというゲームも確かに存在する。そんなアンチ・テクノロジー的なゲームに当てはまるものに、「子供の頃にプレイしたゲーム」がある。こうしたゲームはしばしばレトロゲームと呼ばれ、セピア色の思い出とともにプレイヤーのココロに特別な感情を抱かせるのだ。こうしたレトロゲームを最新VRテクノロジーを活用して、プレイしていた部屋ごと再現するゲームが開発中である。それが「EmuVR」だ。

EmuVRのイメージ画像

ポスターにまでこだわった迫真のリアリティ

現在開発中の「EmuVR」は、ニンテンドー 64といったレトロゲーム機でプレイするゲームをVR空間内でプレイすることができるゲームだ(上の動画参照)。

レトロゲームは、当然ながらディスプレイあるいはテレビ画面でプレイすることが前提となっているので、同ゲームで体験できるVR空間内にはレトロなテレビ(ブラウン管の分厚いもの)が机の上に置かれている。

同ゲームが再現するのは、レトロなテレビだけに留まらない。アメリカの子供部屋を思わせるVR空間内には、ゲームに関連したポスターが飾られており、テレビの横にはレトロゲーム機本体も再現されている。さらにレトロゲーム自体は、CD-ROMあるいはカセットのデザインまで忠実に描写されているのだ。

EmuVRでのバーチャルレトロゲーム機の画像

EmuVRのレトロゲーム・パッケージ画像

同ゲームが目指しているのは単にレトロゲームをプレイすると言うより、レトロゲームをプレイする環境をも忠実に再現してゲーム歴の長いゲーマー層のココロの琴線に触れることなのだ。

「RetroArch」って何?

RetroArchのイメージ画像

RetroArchのイメージ画像

同ゲームでレトロゲームがプレイ可能となっているのは、レトロゲーム機のプレイ環境を構築するエミュレータ「RetroArch」を導入しているからだ。

同エミュレータは、以下のようなほぼ全てのメジャーなレトロゲーム機のプレイ環境を再現することができる。

  • ・PlayStation
  • ・ニンテンドー 64
  • ・スーパーファミコン
  • ・メガドライブ
  • ・アーケードゲーム
  • ・ファミリーコンピュータ
  • ・ゲームボーイ/ゲームボーイカラー
  • ・ゲームボーイアドバンス
  • ・メガCD
  • ・スーパー32X
  • ・セガ・マスターシステム
  • ・ゲームギア
  • ・PCエンジン
  • ・ネオジオポケット
  • ・バーチャルボーイ
  • ・Atari 2600
  • ・Atari Lynx
  • ・ワンダースワン
  • ・ニンテンドー DS

同ゲームでは、さらに以下のレトロゲーム機に対応する予定だ。

  • ・DOSBox
  • ・ScummVM
  • ・PSP
  • ・セガサターン

なお、以上のレトロゲーム機に対応したソフトは、ユーザ自身が用意する必要がある。用意したレトロゲームのデータをRetroArchに読み込ませることによって、プレイが可能となる。

同ゲームに対応するVRヘッドセットはVIVEとOculusとなる予定だ。またVRヘッドセットなしで、平面ディスプレイでもプレイも可能だ。価格は無料となる見込みなのだが、開発している有志にクラウドファンディングサイトPatreonより寄付することができる。

レトロゲームの影響を受けたVRゲームもある

最先端テクノロジーを活用しているVRゲームのなかには、レトロゲームに影響を受けて開発されたものも存在する。そうしたゲームを以下に紹介する。

Duckpocalypse

昨年8月22日にリリースされた「Duckpocalypse」は、ファミリーコンピュータ初期のゲームを彷彿させる8bitテイストな画面が特徴的なVRシューティングゲームだ。ゲームシステムは極めてシンプルで90秒のあいだにできるだけ多くのカモを撃ち落として、ハイスコアを目指すというもの。

同ゲームが特異なのは、核戦争後の地球でヒトより繁栄しているカモロボットを倒す、という世界観だ。

Duck Season

アドベンチャーゲーム「Duck Season」は、80年代の雰囲気を前面に押し出した世界観が特徴で、シューティングゲームをプレイできるタイトルだ。

シューティングだけでなく、ミニゲームやビデオ視聴などのサブ要素も盛り込まれており、作り込んだ世界観を楽しめる独特なものとなっている。

Desert Bus VR

「Desert Bus VR」は、伝説的クソゲーと言われている「Desert Bus」のVR版だ。同ゲームをクリアするためには、ポーズなしで最低8時間、バーチャルなバスを運転しなければならない。

2018年、レトロゲームがVRゲーム業界で注目されるかも

以上のようなVR環境であえてレトロゲームをプレイする、あるいはレトロゲームに影響を受けたVRゲームをプレイする、というのはどちらかと言えば「マニアック」な嗜好と言える。

だがしかし、来年2018年はVRゲーム業界でレトロゲームが注目される出来事が起こる。その出来事とは、映画『レディ・プレイヤー・ワン』の公開だ。

同映画はVR空間のなかでしか生きている実感をえられないディストピア的な近未来が舞台なのだが、80年代カルチャーのネタが大量に盛り込まれており、そのなかにはレトロゲームネタもある。同映画のタイトル自体、レトロゲームから引用されているほどだ。それゆえ、同映画の公開と前後して、レトロゲームにインスパイアされたVRゲームがリリースされるのは大いにあり得ることなのだ。同映画の公開前後は、VRゲーム業界が騒がしくなるかも知れない。

ソース:VRScout

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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