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ARKitを使うデベロッパーが家具配置アプリを開発

2017/08/31 11:01

AppleのARKitを使って開発された、家具の配置が可能なアプリの動画が公開された。このアプリはARアプリを開発しているIKEAによるものではなく、デベロッパーのAsher Vollmerが手掛けたものだ。ARKitを使ったアプリやAR専用デバイスの発表も続いており、AR技術が製品化される時代が近づいているようだ。

家具をARで配置する

ARKitを使って家具を配置する

Appleが先日のWWDC 2017で発表したARプラットフォームARKit。これがあれば、iPhoneやiPadといったiOS搭載端末でARが利用できるようになる。

デベロッパーの間ではこのARKitを使ったARアプリの開発が流行となっており、デモ動画が多数公開されている。

その多くはARKitそのものの性能を示すデモと言えるものだが、Asher VollmerがTwitterで公開した動画は実用的な家具配置シミュレーションアプリのように見える。

この分野では世界的家具ブランドのIKEAがVRを使ったショールームなどで先行しているものの、まだARKitを使ったアプリは発表していない。

家具を配置するARアプリ

購入前のフィッティング

家具の配置イメージを確かめるためにARを使うというアイデア自体はこれまでにもあったものだ。

AR技術を使うことで家具を購入する前に室内に配置したときの様子をチェックすることができるので、サイズや他のインテリアとの統一感で悩んでいるユーザの助けとなるだろう。

特に現物を見ることのできないネットショッピングでは強い味方になると思われる。

家具の他に、衣服やアクセサリでも同様のARアプリは利用できそうだ。

ARKitによる実装

Vollmerのこのツイートが注目されているのは、これがARKitを使って作られたアプリだからだ。

これまでのARアプリは単にスマートフォンのカメラで撮影した映像にCGを合成するだけのもの(ポケモンGOのようにどんなスマートフォンでも使えるが、ARオブジェクトが背景から「浮いて」しまう)か、Google Tangoのようにごく一部のスマートフォンにしか対応しないものだった。

その点ARKitは一般的なiPhoneで利用でき、実際の床やテーブルを認識する本当の意味でのAR表示が可能だ。

Vollmerの動画でも、端末を移動させたときに家具が元の場所に表示されたままになっているのを見ることができる。自分が歩くことで、ソファーの横や後ろを確認することも可能だ。

IKEAより早く

WWDCの中でもIKEAは潜在的なARのパートナーとして紹介されており、最近のインタビューでもAppleのCEO、Tim CookがARアプリを開発する同社の名前を出している。

これまでのプロモーション活動から見てもIKEAがARKitを使ったARアプリの開発を進めていることは明らかだが、Vollmerはこの大手ブランドに先駆けてARアプリを発表した形だ。

サイズ変更

IKEAのカタログアプリのように実在する製品を表示するものではないこともあってか、Vollmerが動画を公開したアプリではARオブジェクトの縦、横、高さを入力することができるようになっている。

この機能は、「もしここに幅2メートルのソファを置いたら、部屋を狭く感じるだろうか?」「幅3メートルでも置けるだろうか?」と調整しながら購入する製品のイメージを固めるために使えるはずだ。

また、動画では複数のARオブジェクトを同時に表示している。最大でいくつのオブジェクトを表示できるかは不明だが、一つの家具だけでなく複数の調和を見ながら部屋の模様替えをしたいときにもこのアプリが役に立つだろう。

ARアプリの増加

難しいAR技術

AppleがARKitを発表する以前、ARはまだ先の技術という印象が強かった。VR以上に利用の幅が広い技術として有望視する意見も多かったが、その一方で対応するデバイスが少なくて高価なことがネックとなっていたのだ。

スマートフォンで三次元の物体を認識するのは難しく、Google Tangoのような特殊なプラットフォームに対応する端末が必要だった。ARの専用デバイスも開発されているが、まだまだ洗練されているとは言い難い。

過去にGoogleがGoogle Glassで失敗していることも、ARへの過剰な期待を抑える要因になっていたかもしれない。

ARKitの発表

その空気を一変させたのがAppleによるARKitの発表だ。これまでにもAppleがAR技術を開発しているという噂はあったが、ここに来てその事実が公式に発表された。

「いずれ対応する」という不確かな目標ではなく次のiOSアップデートでiPhoneがARに対応することが明らかになったのだ。

この発表により、世界中のデベロッパーがARKitを使ったARアプリを開発し始めた。世界で数億台が使われるiPhoneがAR対応端末になることで、ARアプリの可能性は大きく広がる。

ARデバイスの増加

ARKitを使ったARアプリが増加しているだけでなく、ARデバイスも増えている。

Lenovoはスマートフォンを使うARヘッドセット独立型のARヘッドセットをいずれも開発しているという。

Googleも、エンタープライズ版としてGoogle Glassのプロジェクトを再始動させている。

2017年の末から2018年にかけて、開発に時間がかかると考えられていたAR技術もいよいよ実用可能なアプリ・デバイスが出てくることになりそうだ。

 

参照元サイト名:Mashable
URL:http://mashable.com/2017/07/22/arkit-furniture-app-augmented-reality/

     

     

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。