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Googleが360度コンテンツを作成するジャーナリストを支援

2017/07/28 14:05

Google News LabがGrumpy Sailorと協力し、VRコンテンツを制作するStory Spheresを開発した。このツールでは360度写真と音声を組み合わせたインタラクティブな体験を簡単に作成でき、作成したコンテンツはウェブサイトに埋め込むことも可能だ。

Googleが360度動画を制作するジャーナリストを支援

VR映像を制作するための素材となる、360度の動画や画像を撮影できるカメラは世界中のメーカーから発売されている。

ハリウッドのスタジオや大手デベロッパー向けに作られたプロ仕様の数十万円から数百万円するカメラだけでなく、1万円程度で購入してスマートフォンと接続するだけで利用可能なものまで、価格帯も幅広い。

360度映像でホームビデオやイベントの記録を残すだけであれば、対応するカメラだけで簡単にできる時代だ。

しかし、本格的な360度コンテンツを作るにはITの知識や専用のツールを使いこなす技術が必要になる。

Google News Labが支援するプロジェクトは、VRコンテンツ開発の専門家ではないジャーナリストがオリジナルの360度コンテンツを制作する助けとなるツールを開発している。

VRドキュメンタリー

LGBTパレードの様子をVRで伝える

LGBTパレードの様子をVRで伝える

先日、ロンドンで今月初めに行われたLGBTの権利向上を訴えるパレードの様子を伝えるVR映像が制作された。

映像の世界にユーザを浸らせることができるVRの特徴は、作られた物語(フィクション)を語る手段としてはもちろん有効だが、同様に現実の物語を伝えるドキュメンタリーにも適している。

過去にも、複数の報道機関や個人のジャーナリストが時事ニュースや世界的な問題(戦争や難民・貧困)をVRという新しいメディアを用いて伝える試みを行っている。

ドキュメンタリーを制作する

ドキュメンタリーを制作するに当たって、最も重要な素材となるのはやはり生の映像だ。

現地取材で得られた360度の映像を使ったVRドキュメンタリー作品は、没入感があって見る者に訴える力の強い作品になる。

映像をノーカットで流せば特定の目的のために偏向的な編集が行われていないことを示せるが、取材で得られた映像をそのまま流せば優れたドキュメンタリー作品になるというわけではない。

より作品のメッセージ性を高めるためには、編集が必要だ。

適切なナレーションを入れ、背景となる数字の情報を映像に加えることで説得力が増し、共感を呼ぶことができる。不要なシーンは事前にカットしておかなければ、せっかく公開した作品を最後まで見てもらえないかもしれない。

VRコンテンツを扱う

かつては2D映像の編集も難しかったが、現在のパソコンはグラフィックス性能が高くなっており、個人ユーザが手軽に扱えるような動画編集ソフトも多数存在する。

報道・ドキュメンタリー映像を制作するプロのジャーナリストにとって、2D映像の制作や編集は特別難しい作業ではなくなっているはずだ。

だが、VR映像の編集となるとまだ難しい。VRコンテンツ制作の経験があるジャーナリストは少なく、2D映像と違って編集のハウツー本や参考になるサイトも少ないからだ。

また、作成したコンテンツを配信する方法も問題だ。

2D映像ならば自分のサイトにアップロードするかYouTubeなどの動画共有サービスを利用して配信できるが、VR映像は配信方法に関する情報も少ない。

個人や小規模な団体のジャーナリストにとって、オリジナルのVR映像コンテンツを制作し、世界へ向けて発信するのはハードルが高いのだ。

Story Spheres

Story Spheres

Google News Labの協力によって制作されたStory Spheresは、インタラクティブなVRコンテンツを簡単に作成するためのツールだ。

個人のジャーナリストから大きなニュースメディアまで、オリジナルのVRコンテンツを作成する手段としてこのサイトを使うことができる。

ただ360度の写真を繋げるだけではなく、クリックに反応して音が出たり、別の写真に切り替わるコンテンツを作ることができるのが特徴だ。

通常、こうしたインタラクティブなコンテンツを作るためにはプログラムの知識が必要になる。

素材から組み立てる

Story Spheresでは、VRコンテンツの素材として360度画像を使用する。扱うのは動画ではなく静止画になってしまうが、上下左右、ユーザが自由に見る方向を変えることが可能だ。

VRへの没入感を高める音声を組み込むことも可能だ。ユーザがVRコンテンツを表示している間流れるBGMや、コンテンツを表示したときに流れるメッセージを設定できる。

画面内の特定の場所をクリックしたときに音声が流れるように設定することも可能だ。

これらの音には聞こえてくる方向の設定もでき、ユーザが見る方向を変えれば音が聞こえてくる方向も変化して没入感を高めてくれる。

サイトへの埋め込み

専用のVRデバイスを使うVRコンテンツは質の高い経験をもたらしてくれるが、ユーザにヘッドセットを用意する手間をかけさせてしまう。この一手間を嫌ってサイトを離れてしまうユーザもいるだろう。

そもそもVRヘッドセットを持っていないユーザが多いことを考えると、興味を持ったのに見られないということも少なくないはずだ。

Story Spheresで作成したコンテンツはサイトへの埋め込みが可能なので、すぐにVRコンテンツを体験してもらえる。

 

Story Spheresは、有料で販売される本格VRドキュメンタリーを制作するための機能を持ったツールではない。

しかし、世界の名所や都市で開催されたイベントの雰囲気を伝えるコンテンツを作るツールとして使える機能を備えたものに仕上がっているようだ。

公式サイトでは既に様々な作品が公開されており、PCのブラウザで直接閲覧することが可能となっている。

 

参照元サイト名:Story Spheres
URL:https://storyspheres.com/

参照元サイト名:Deccan Chronicle
URL:http://www.deccanchronicle.com/technology/in-other-news/260717/google-helping-journalists-to-create-360-degree-vr-content-for-its-users.html

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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