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グーグルが開発を進めるモバイルVR/AR、スタンドアロンVRはVR/AR普及を後押しするか

グーグルは現在、VR/ARを含めた数々の新技術を活用した製品開発を行なっている。先日開催された新製品発表会では同社が開発する最新のスマートフォン「Pixel 2」シリーズを発表したほか、モバイルVRヘッドセット「Google Daydream」のアップデートなどVR/ARに関する数多くの発表を行なったことは記憶に新しい。

また、同社はVR/AR以外にもさまざまな分野において新製品、技術開発を行なっており、スマートスピーカー「Google Home」をはじめとするAI主導型の会話型インターフェイスの開発も進めており、こちらも現在話題になっている。

VRメディアRoad to VRの記者Kent Bye氏は、同社のVR/AR事業を主導するClay Bavor氏にインタビューを行い、同社が現在進めているVR/AR開発の概略と、同社の将来的なVR/AR戦略についてまとめている。

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グーグルのVR戦略

YouTubeがVR普及の鍵になる

グーグルのVR戦略において重要な役割を果たすのがYouTubeだ。現在YouTubeには360度動画やVRコンテンツが数多くアップロードされており、ユーザーはカードボード型ヘッドセットを用いて手軽にVRを体験できる。

また、同社が6月に発表した動画ストリーミングサービス「VR 180」では、360度カメラを用いた動画ライブを誰もが配信することができる。

Google Daydreamのリニューアル

グーグルのVR戦略においてハードウェア面で重要な存在となるのが、同社が開発するモバイルVRプラットフォーム「Google Daydream」だ。

Daydreamコンテンツをプレイするための専用ヘッドセット「Daydream View」は先日アップデートが行われ、従来のバージョンよりも遮光性が高くなり、放熱性、新型レンズの採用、そして視野角が10〜15度拡大するなど、これまでよりも高品質なモバイルVR体験を可能にしている。

参考:新型Daydream Viewヘッドセットが登場 装着感が向上、視野角も拡大

また、先日はサムスンのGalaxy S8/S8+がDaydreamコンテンツに対応すると発表された。日本では対応機種が少ないDaydreamであるだけに、比較的普及率の高いGalaxyスマートフォンを通してDaydreamが日本のVR市場にどれほど浸透するかが注目される。

スタンドアロン型ヘッドセットを開発中

グーグルはモバイルARだけでなく、より高機能で手軽に使用できるスタンドアロン型ヘッドセットも開発している。同デバイスの名称が「Vive Focus」というニュースが先日報じられたが、こちらはDaydreamコンテンツをプレイできるスタンドアロン型VRヘッドセットだ。

スタンドアロン型デバイスであるために、PC接続する必要がなく、スマートフォンを使用せずに手軽にVRコンテンツを体験できるというメリットがある。同デバイスは2017年後半にリリースされる予定で、正式なリリース予定については明らかにされていないが、注目できるデバイスだ。

参考:HTCのスタンドアロン型ゴーグル「Vive Focus」が登場、Daydreamアプリに対応

グーグルのAR戦略

ARCoreはモバイルARの普及を推し進めるか

グーグルはARにも注力しており、先日Android端末に対応したARプラットフォーム、ARCoreが発表されたのは記憶に新しい。Bavor氏によると、ARCoreを実現するには様々なアルゴリズムと技術革新を要したとのことだ。

普及率が高いAndroid端末で高機能なARアプリが操作できるようになれば、モバイル端末をプラットフォームにしたARの普及は加速するはずだ。アップルのARプラットフォームであるARKitと共に、両者は競合関係にありながらもARの普及に対して大きな貢献をするものと予測される。

参考:グーグル、Androidデバイス用のARプラットフォーム「ARCore」を発表

ARコンテンツはウェブからアクセス可能に

Bavor氏はグーグルのVR/AR戦略を考えるにあたってWebVR、WebARの2つが重要なキーになると述べている。

WebVRとは、ウェブブラウザからVRコンテンツに直接アクセスすることを可能にするAPIで、現在Mozilla FirefoxやGoogle Chromeなどの主要なウェブブラウザがWebVRに対応している。

従来のVR体験はアプリをPCにダウンロードして起動する必要があったが、WebVRに対応したVRコンテンツは、ヘッドセットを装着するだけでそのままVRコンテンツを起動できる。従来よりも手間がかからず、手軽にVR体験を起動できるというメリットがある。

また、WebARもこれと同じことをARで可能にするものだ。グーグルは現在、ARCoreとARKit向けにWebARに対応したウェブブラウザ実験的に公開している。これによってウェブ開発者は、ウェブから直接起動できるARコンテンツを開発できるようになる。

VR/AR開発を拡大するグーグル

グーグルは今後もVRとARに対する開発を積極的に進めていく姿勢を見せており、それは同社が募集している職種にVR/AR関連の求人が続々と追加されていることからも分かる。

Road to VRが作成したデータによると、同社はVR/AR関連の新しい職種を毎月追加しており、平均計算をすると毎月6つずつのVR/AR関連職を生み出している。

このペースが続けば、同社は2017年中に73ものVR/AR関連職種を新たに生み出すことになる。そして同社はVR/AR開発に莫大なコストを投入しており、今年中に生み出された職種に携わる人々の賃金だけでも数百万ドルに登るという。

ここに既存の職種に就く人の賃金や、ソフトウェア・ハードウェア開発費用も含めるとその額は莫大になる。同社がVR/ARに投資している具体的なコストは明らかにしていないが、VR/AR技術を同社の中核技術と見ていることは明らかだ。

参考:グーグル、VR/AR開発チームの拡大を継続

参照元:Road to VR Google’s AR/VR Chief on Ambient Computing, Conversational Interfaces, & AR/VR Strategy

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フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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