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直感的に操作できるプロ用デザインツール「Gravity Sketch」とは

プロのクリエイター向けのデザインツール「Gravity Sketch」が登場した。3DCGモデルをバーチャル空間で直感的な操作でデザインできる本アプリはOculus Rift、HTC Viveに対応しており、Steamでアーリーアクセス版をダウンロードできる。

VRでイラストを描いたりモデリングをするソフトは、たとえば「Tilt Brush」や「Medium」、「Quill」など様々なものが出ているが、これらはコントローラーを絵筆代わりにして絵を描く機能のみに絞られており、誰にでも使えることを想定して設計されているため、プロのクリエイターやデザイナーが使用するには十分な機能を備えているとは言い難い。

しかし、VRモデリングソフトである「Gravity Sketch」はプロの使用を前提としており、様々な編集機能を駆使してクオリティの高い作品を制作することができる。

「Gravity Sketch」とは

概要

「Gravity Sketch」は3Dモデルのデザインツールで、バーチャル空間の中でコントローラーを操作して精巧な3Dモデルを作成することができる。

3Dモデルやデザイン、風景、アートワークなどの様々な作品を素早く制作することが可能で、VRの特質を活かした直感的な操作で制作できる点が特徴だ。

「Gravity Sketch」はイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートのデザインエンジニア達によって開発され、プロ向けのソフトウェアとして提供しており、クリエイターをはじめ工業デザインのスケッチやモデリング用のツールとして活躍している。

公式サイトでは「Gravity Sketch」を用いて制作した作品集を閲覧できるが、ここで見ることができる自動車やドローン、メカのデザインなどは、従来の手順を踏んで制作したデザインと品質的にほとんど変わらず、デザイナーやクリエイターにとって強力なツールになり得るものだ。

プロ向けのデザインツール

「Gravity Sketch」にはプロの使用を前提とした機能が盛り込まれており、たとえばバーチャル空間の中で線を用いて描画できる他、平面や曲面を展開したり、スケッチを加えたり、図形のグリッドを操作して自由に形を変えたり、制作したオブジェクトをコピー&ペーストすることができる。

これらの操作はコントローラーを用いて行うので、複雑な操作を必要とせず、直感的な操作で制作をすることができる。

公式サイトでは3DデザイナーのJames Rabbins氏が描いた車のスケッチを確認できるが、これは「Gravity Sketch」を用いて描いたもので、その見栄えはペンで手描きしたものとほとんど変わらない。

手描きする要領でオブジェクトを3Dで描くことができるので、アートワークの制作だけでなく、プロダクトをあらゆる方向から検証する必要のある工業デザインでは特に重宝するソフトウェアだ。

「Gravity Sketch」にはその他にも、スケッチのスケールアップ/ダウン、他のソフトで制作した3Dモデルを読み込んで編集したり、制作したファイルをOBJファイルで書き出すことができる。

また、一般ユーザー向けのバージョンでは4つのレイヤーを用いてのデザインが可能で、左利きの操作も設定によって対応可能で、デザインする環境を明るくしたり暗くしたり、もしくは倉庫のようなバーチャル環境で制作することもできる。

サブスクリプションで利用可能

「Gravity Sketch」はスタンダード版とプロ版、スタジオ版の3種類があり、個人での使用はスタンダード版となる。

企業での使用の場合、年間収入が10,000ドル(約109万円)以上の場合はプロ版の使用になり、サブスクリプションによって毎月2,980円で使用できる。

プロ版ではスタンダード版の機能に加えて、使用できるレイヤー数が12に増え、.iges形式やfbx形式での書き出し、そしてデザイン環境を追加することができる。

また、年間収入が10万ドル(約1,100万円)以上の企業ではスタジオ版の提供となり、毎月9,980円での使用になる。

プロ版では3Dモデリングソフト「Rhino」対応プラグインが使用可能になる。

歴史

「Gravity Sketch」は当初、VR/ARに対応したスケッチパッドとして、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生によって2014年に開発がスタートした。

この時点ではまだヘッドセット用のコントローラーが出ておらず、当初は特製のペンとパッドを用いて、ヘッドセットを装着してバーチャル空間で3Dスケッチを描くものであり、ソフトウェアと、対応したハードウェアの開発両方を行なっていた。

その後、チームは大学のスタートアップ支援プログラムの協力によってソフトウェアの開発に特化し、2016年にはiPadで使用するiOS対応のGravity Sketchをリリースしている。

同年、モーションコントローラー操作可能なHTC Viveが登場したことで、コントローラーを用いたバーチャル空間でのデザインが可能になり、2017年1月にVR対応バージョンのベータ版をリリース。

そして先日、まだアーリーアクセス版ではあるもののHTC ViveとOculus Rift対応版が登場、Steamでダウンロード可能になった。

システム要件

「Gravity Sketch」の必要スペックは以下の通り。

OS Windows 7 SP1 or newer.
プロセッサー Intel Core i5 4590 or AMD FX 8350 or greater.
メモリー 4 GB RAM
グラフィック GeForce GTX 970 or AMD Radeon R9 290 or better
ストレージ 2 GB 利用可能

参照元:Road to VR

daisuke


ライター兼翻訳家。2016年12月にプレイステーションVRを体験したことをきっかけにVRに関心を持つ。ARやドローン、AIなどの先端テクノロジー全般に興味があり、SF化する世の中にワクワクしています。

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