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12月にHoloLensの販売地域がヨーロッパで拡大

HoloLens

マイクロソフトのMRヘッドセットHoloLens

マイクロソフトが販売するMRヘッドセットHoloLensは、HTC Vive/Oculus RiftのようなVRヘッドセットとは異なりユーザの視界を遮らないデバイスだ。現実を隠してVR映像を見せるのではなく、現実に重なる形でバーチャルなオブジェクトを表示してくれる。

この特徴は、特に業務用途でメリットとなる。作業手順を見ながら実際に機械の組立を進めたり、視線を動かさずに現在地を確認しながら運転したりといったことができるのはMR(AR)ならではだ。

しかし、HoloLensはまだ開発者向けのデバイスとなっている。提供されている国も少なく、現在正式に購入できるのは日本を含む10カ国に過ぎない。

マイクロソフトは、12月から販売対象国を拡大することを発表している。新たに29カ国が販売地域となり、ヨーロッパ全域でHoloLensの購入が可能となる。

HoloLensを買える国

HoloLensの販売地域が拡大する

HoloLensの販売地域が拡大する

2種類のMRデバイス

マイクロソフトの「MR」に対応するデバイスは、大きく二つに分けることができる。

一方は12月から販売地域が拡大することが発表されたHoloLensだ。まだ開発者向けの段階ではあるが、購入できるデベロッパーが増えることでHoloLensアプリの開発も盛んになるだろう。

もう一方は、マイクロソフト以外のサードパーティ各社が開発・製造を行うWindows Mixed Realityに対応したMRヘッドセットだ。こちらは、HoloLensと違ってそのまま外が見えるデバイスではない。ヘッドセットに搭載されたカメラが外の映像を撮影し、ディスプレイを通してその映像を見る形でMRを実現している。

前者と後者で仕組みは異なるが、いずれも外の様子とバーチャルオブジェクトを同時に見られる。後者はHoloLensに比べると非常に価格が安いことが強みだ。メーカーによって価格には多少の差があるものの、Oculus Riftよりも安く4万円台から購入できる。

HoloLensの普及

VRの盛り上がりに比べると、HoloLensはややアプリの開発例が少ない。これには複数の要因が関係しているが、おそらく販売地域の狭さも一つの理由だろう。

現在HoloLensが購入可能な国は10カ国(オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、アイルランド、日本、ニュージーランド、イギリス、アメリカ)に限られており、それ以外の国のデベロッパーは直接HoloLensを手に入れることができない。

開発キットが高価なことや先行事例が少ないので取り組みにくいことに加えて、自国で開発キットが販売されていないためにHoloLensアプリの開発を始めることができないというデベロッパーもいるはずだ。

対象国の拡大

マイクロソフトは12月1日から、HoloLensの販売地域を広げることを発表している。今回の対象地域はヨーロッパであり、既存のフランス、ドイツ、アイルランド、イギリスに加えて29カ国で販売が開始される。

具体的には、以下の国々だ。

オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ

これらの国々では、各国のマイクロソフトストアを通してオンラインでHoloLensの購入が可能になるという。いずれかの小売店の店頭にHoloLensを並べる計画はないようだ。

MRを普及させる

各社のWindows MRヘッドセット

各社のWindows MRヘッドセット

ARならばスマートフォンでARに対応したアプリを開発することもできるが、MR技術を普及させることを考える場合にはまずMR技術を搭載したハードウェアを購入してもらう必要がある。HoloLensは個人の消費者が購入するには高額なデバイスなので、そちらで主力となるのはWindows MRヘッドセットの方だろう。

エンタープライズ向けのHoloLens

HoloLensは、個人よりもむしろエンタープライズ用途での利用に適したデバイスだ。

ヨーロッパでの販売価格は通常の開発キットが3,300ユーロ(44万円)を予定しており、5,490ユーロ(73万円)のビジネススイートも用意されるという。ビジネススイートには、開発キットと同じハードウェアに加えて保証や企業向けのデバイス管理やセキュリティの増強に使われる機能が含まれている。

家庭用のWindows MRヘッドセット

一方、Windows MRヘッドセットは4万円台で購入できる。接続するパソコンも標準的なスペックのマシンで良いため、高性能なGPUを搭載したマシンを要求するVRヘッドセットに比べてシステムの総額が安く済む。

MR専用アプリだけでなくSteamVRにも対応するため、対応タイトルが増えればVRゲームを目的に購入するゲーマーもいるだろう。

エンタープライズ用途向けのHoloLensと個人でも購入しやすいWindows MRヘッドセット、2種類のデバイスでマイクロソフトはMR技術の普及を狙っている。

 

参照元サイト:Road To VR
参照元サイト:Microsoft Future Decoded

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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