デスクトップとしても使える!HPのバックパック型VRパソコンが来月発売 | VR Inside

VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

デスクトップとしても使える!HPのバックパック型VRパソコンが来月発売

HPが来月発売予定の新しいバックパック型PCを発表した。ドックに接続することでデスクトップPCとしても利用できるようになっており、3つの利用スタイルに対応する。価格はアクセサリ込で3,000ドルオーバーとやや高めだ。

HP Omen X Compact

ドックに接続すればデスクトップPCとして使える

PCベースのヘッドセットで厄介な存在となるのがケーブルだ。HTC Viveをワイヤレス化するアダプタなども登場してはいるが、まだPCでのVRは有線で接続されているのが一般的となっている。

ケーブルを無くさずに快適なVRを実現する方法の一つがPCを背負うことだ。バックパック型のPCを背負って短いケーブルでヘッドセットを接続してしまえば、ケーブルが邪魔になることはない。

HPがこのアイデアに基づくバックパック型PCの新モデルを発表した。発売は来月の予定だという。

バックパック型PCというアイデア

HPの発表したバックパックPC

HPが昨年発表した「Omen VR」

昨年HPが発表した「Omen VR」はユーザが背負って使うことを前提とした特殊なデザインが特徴だった。この形ならば背負いやすく、ケーブルに煩わされることなくVR体験を楽しむことが可能だ。

しかし、この筐体には問題もあった。

限られたバッテリー容量

VRや最新のPCゲームは高度な映像処理を必要とするため、GPUがフル稼働状態となる。当然ながら電力の消費も激しくなってしまう。

デスクトップマシンであれば電力の消費は問題にならないが、ラップトップやバックパック型のマシンではバッテリーを使い切ってしまうかもしれない。VR対応を謳うゲーミングラップトップでも、VRゲームをすると2時間から3時間程度でバッテリーが空になることもある。

このバックパック型PCはCPU用とGPU用で2つのバッテリーを使用する。それでも、メインとなる2つのバッテリーは1時間しか持続しないという。

そこで、メインを補助するための第3のバッテリーまで搭載されていた。この小容量のバッテリーを使うことで、電源を入れたままでメインバッテリーの交換が可能となっている。

バッテリー数の増加

新しく発表されたOmen X Compactでは、バッテリーを増やすという方法でこの問題に取り組んでいる。各バッテリーの容量や連続使用時間については発表されていないが、今回も2つのバッテリーを同時に使用するようだ。

本体には合計4つのバッテリーが付属し、バックパックアクセサリーと充電ドックもある。2つのバッテリーを使っている間に、残りの2つをドックで充電するという利用法が可能だ。

新モデルでもシャットダウンせずにバッテリーを交換できるため、バッテリーの充電時間が短いならば交換を繰り返しながら使うこともできそうだ。だが、頻繁に交換が必要ならばけっこうな手間になってしまう。ある程度の連続使用が可能ならばアリ、だろうか。

性能の向上

バッテリー以外の部分でも、単純に性能は向上している。

昨年発表されたOmen VRでは、CPUにIntel Core i5またはi7を採用していた。この時期のバックパック型PCならば、GPUはNvidia GTX 980または980iだろう。

Omen X Compactでは、インテルの第7世代Core i7プロセッサーが採用される。GPUは4K解像度やVRに適したNvidia GTX 1080が搭載され、工場出荷時にオーバークロック設定される。

CPUはオーバークロック設定されていない状態で出荷されるが、ユーザの責任においてオーバークロックすることもできる状態となっている。リスクを把握して正しく設定を行えるユーザならば、性能の限界まで引き出すことができるだろう。

ドックで広がる利用スタイル

任天堂Switch

Switchのドックのようなドックが付属する

昨年発表されたバックパック型PCから大きく変わった点が、ドックの存在だ。このドックは単なる充電スタンドではなく、任天堂のSwitchのものに近い。

本体だけでなくドックの側にもポートが用意されているので、USBデバイスをこちらに接続することが可能だ。普段はドックに置いた状態でデスクトップパソコンとして使い、VRゲームをするときだけバックパックとして使う、といった利用法が考えられる。

VR用途以外でも、高性能な持ち運べるパソコンとしての利用も可能だろう。デスクトップ、モバイル、ウェアラブルと1台3役が可能なマシンと考えることもできそうだ。

バックパック型ならではの設計

単に持ち運べるだけでなく、背負って使うという特殊な用途に向けた設計がなされている。

高性能なパーツ、特にGPUは稼働中に熱くなる。マシンの熱がユーザに伝われば暑く感じるか、特に高温の部分が長時間肌に触れていると火傷してしまうかもしれない。

Omen X Compactは排気口の配置を工夫することで、ユーザの身体になるべく排熱を触れさせないようにしている。

販売

発売は7月が予定されており、本体とドックの価格は2,499ドル(27.5万円)だ。高性能かつコンパクトなマシンではあるが、小型化のために価格が上がっている印象は拭えない。

また、マシンを背負うためのパーツは本体と別売のアクセサリという扱いになっている。VRヘッドセットを使うための短いケーブルが付属して600ドル(6.6万円)だ。

バックパックPCとして利用することを考えると33万円を超えてしまうOmen X Compact。快適なVR体験を可能にしてくれる高性能なゲーミングPCだが、そこまでの性能を求めないならばVRヘッドセットのワイヤレス化を待っても良いだろう。

 

参照元サイト名:HP News
URL:http://www8.hp.com/us/en/hp-news/press-release.html?id=2468401#.WToA-WjyiUk

参照元サイト名:Engadget
URL:https://www.engadget.com/2017/06/06/hp-vr-backpack-dock-desktop/
URL:https://www.engadget.com/2016/05/27/vr-backpacks-are-now-a-real-thing/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

最新ニュースを読む