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別格なのか!?「HTC LINK」は他のスマホVRとどう違う?

2017/09/17 19:00

臨場感いっぱいに仮想世界を体験する。

そんなVR体験をイメージしたとき、真っ先に連想するのが、「プレイステーションVR(PSVR)」や「HTC VIVE」、「Oculus Rift」といったハイエンドVRだ。

ただ、スマートフォンとスマホVRゴーグルを組み合わせることによって、スマホでもVRは楽しむことができる

スマホVRはハイエンドVRと比べて没入感という点ではやや落ちるものの、高価な投資が必要ない点やケーブルのない気軽さなどといったメリットを持っている。

だが、そんなスマホVRに、革命をもたらすVRデバイスが登場した!

それが、8月に発売が開始された「HTC LINK」だ。

この記事では「HTC LINK」が既存のVRとどう違うのかについてお伝えしたい。

VR空間を歩くことのできるスマホVRデバイス「HTC LINK」

HTC LINK スマホVR
「HTC LINK」は、ハイエンドVRデバイス「HTC VIVE」の開発・販売を行っているHTC社によるスマートフォン向けVRデバイス。

最大の特徴は、VR空間の中を歩くことができるという点だ。

「HTC LINK」は、約2.5m x 2.5mのスペースで、コントローラー、マーカー、スタンド付きのカメラによって体験者の動きをトラッキングする。

このため、実際の空間を体験者が歩くことによって、VR空間内での移動が可能。

つまり、ハイエンドVRデバイス「HTC VIVE」のルームスケールと同様の体験ができるというわけだ。

HTC LINK スマホVR
コントローラーはPSVRのモーションコントローラーと似たルックス。

ボタンによる入力のほか、腕の動きによる入力が可能。

HTC LINK スマホVR

もちろん、ビジュアルの解像度やフレームレート、トラッキング精度といった性能面ではハイエンドVRと同等とはいかない。

しかし少なくとも、「頭の動きに連動した3D、360°の映像表示」「モーションコントローラーによる入力」「VR空間の移動」という体験面においては「HTC VIVE」と同じことが実現されている。

HTC LINK スマホVR

「HTC LINK」はスマホVRなので、動作させるためにスマートフォンが必要となる。

対応しているスマートフォンは現在のところ「HTC U11」。

USB Type-C端子を使ってヘッドセットと「HTC U11」を接続する。

スマホVRなのでもちろん、ケーブル類はない。

ハイエンドVRと比べて性能面の見劣りはあるものの、その代わりケーブルレスの快適さという大きなメリットが存在しているのだ。

HTC LINK スマホVR
「HTC LINK」は通信キャリアを通じて販売されており、au Online Shopでの価格は42,984 円(税込)。

Softbankの価格は32,184円(税込)となっている。

もちろん、現在使用しているスマートフォンが「HTC U11」ではない場合、「HTC U11」の購入費用がかかる。

純粋にVRゴーグルとして「HTC LINK」の価格を考えると、他のスマホVRゴーグルよりも高額だが、機能面から考えると妥当な価格設定といえるだろう。

 

一般的なスマホVRと「HTC LINK」の違いとは!?


「HTC LINK」は、一般的なスマホVRと比べて圧倒的に高い性能を持っている。

では、具体的に一般的なスマホVRとはどういうものか?

一般的なスマホVRの仕組みは、スマートフォンをスマホVRゴーグルにセットして体験する。

「HTC LINK」も「HTC U11」というスマホを「HTC LINK」にセットするわけだが、一般的なスマホVRの場合、USB Type-Cのような、なんらかの端子を使って接続するのではなく、ただ単にゴーグル内にスマホを「置く」だけだ。

というのも、スマホVRとは、スマートフォンの加速度センサーとジャイロセンサーを使って体験者の見ている方向を認識し、スマートフォンのディスプレイに映像を表示するという仕組み。

このため、スマホVRゴーグルは最低限レンズとスマホを固定するための物理的な機構(バネなど)だけあれば事足りるのだ。

ちなみに、スマホVRゴーグル内にスマホを配置してしまう都合上、スマホのタッチパネルに触れることができなってしまう。

したがって、一般的なスマホVRでは体験者の見ている方向によって操作を行う

まとめると、「頭の動きに連動した3D、360°の映像表示」のみ可能で、「モーションコントローラーによる入力」や「VR空間の移動」ができないのが、「HTC LINK」と一般的なスマホVRとの機能面での違いだ。

ただ一方で、スマホVRゴーグルはスマホを固定できさえすればよいので紙でも作ることが可能。

それゆえ安価で、またスマートフォンの機種を問わず楽しむことができる…という気軽さが一般的なスマホVRのメリットといえるだろう。

 

もう一つの別格!?「GEAR VR」と「HTC LINK」の違いとは!?


「GEAR VR」は、「Oculus Rift」のOculus社と、「Galaxy」シリーズのSamsung社とが共同で開発、販売しているスマホVRだ。

「GEAR VR」の仕組みは、ヘッドセットである「GEAR VR」に、対応スマートフォン(Galaxy S8/S8+、S7、S7 edge、Note5、S6 edge+、S6、S6 edge)を接続することで体験する。

一般的なスマホVRと異なり、ただ「置く」だけではなく、USB Type-C端子かMicro USVB端子を使用して接続

ヘッドセットである「GEAR VR」自体にタッチパネルやボタンなど、インターフェースが存在しており、これらを使ってVR内での操作が可能。

加えて、「GEAR VR」最新タイプではコントローラーも付属している。

コントローラーはボタン操作のほか、ジャイロセンサ、加速度センサなどによって手の動きを入力することが可能。

ただし、コントローラーの位置のトラッキングまでは行わない。

まとめると、「頭の動きに連動した3D、360°の映像表示」と「モーションコントローラーによる入力」が可能で、「VR空間の移動」ができないのが、「HTC LINK」と「GEAR VR」との機能面での違いだ。

なお、「GEAR VR」の価格はオープンプライスだが、Amazon.co.jpでは12,499(税込)。

一般的なスマホVRよりは高いものの、「HTC LINK」の4割程度と、コストパフォーマンスの高い価格設定となっている。

 

日本では未発売ながら…「Daydream」と「HTC LINK」の違いとは!?


「GEAR VR」同様、コントローラーを持ったスマホVRがGoogleの「Daydream」だ。

「Daydream」は、「Daydream View」というヘッドセットの中に対応スマートフォンを「置く」ことで使用する。

端子を使った接続は行わないものの、付属コントローラーによる操作が可能となっていて、「頭の動きに連動した3D、360°の映像表示」と「モーションコントローラーによる入力」が可能だ。

「GEAR VR」同様「VR空間の移動」はできないので、「HTC LINK」との差異も、「GEAR VR」と同等といえる。

「Daydream View」は日本未発売のため日本円での価格比較はできないが、米国では79ドルで提供されているため、コストパフォーマンス面では「GEAR VR」よりも高いといえる。

ちなみに、「Daydream」はスマホVRの一種であるものの、今後はヘッドセット単体で動くバージョンの発売が予定されており、スマホVRのひとつとして「Daydream」というプロダクトがあるというよりも、「Daydream」というプロダクトの中の1バージョンがスマホ対応したもの…と捉えた方がよさそうだ。

 

「HTC LINK」はスマホVRとしてもハイエンドVRとしても別格!

「HTC LINK」は、「モーションコントローラーによる入力」と「VR空間の移動」を実現しているという点で、他のスマホVRと比べて別格だ。

特に一般的なスマホVRが持っている、「VR空間で満足に行動できない」「あらゆる行動が視線による入力になってしまい不自然」というデメリットが払しょくされている。

また、ケーブルがないことでケーブルの違和感を持たずにプレイできるという点で、ハイエンドVRと比べても別格と言えるだろう。

「PSVR」も「HTC VIVE」も「Oculus Rift」も素晴らしい臨場感・没入感を味わえるが、頭を動かした際にどうしてもケーブルの違和感が拭いきれない。

この点、ケーブルレスな「HTC LINK」は臨場感や没入感を削がれないため、より一層の没入が可能だ。

ハイエンドVRよりも安価で気軽にプレイできるのは大きなメリットであるものの、一般層が入手するためには現実的に今使っているスマートフォンを「HTC U11」に買い替える必要がある…という点はネック。

「HTC VIVE」が要求スペックさえ満たしていればどんなPCでも動くように、「HTC LINK」も要求スペックさえ満たしていればどんなスマホでも動く…という形になってくれれば、大きく普及しそうだ。


ゲーム作りからゲームレビューまで、ゲーム何でも大好きなゲーム作家。子どものころから夢見ていたVR技術の実現に歓喜!ホラーとオカルトが大好きなので、バーチャル世界でたくさんのゾンビや亡霊に何度も殺されたい!!

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