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HTCがVive Trackerで全身のトラッキングを行うコードを公開

2017/03/31 12:08

Vive Trackerを使って全身のトラッキングを可能にするコードとそのサンプルがHTCから提供された。これまでのシステムよりも安価に全身のトラッキングを実現しているが、一般ユーザが利用するにはまだハードルが高い。

Viveで全身トラッキング

VRヘッドセットとハンドトラッキングコントローラーを使えば、ユーザの頭と手の動きをトラッキングできる。一方で、ユーザの下半身をトラッキングするのは難しい。

ヘッドセットとコントローラーだけでは、ユーザが立っているのか、椅子に座っているのか、それとも床に座っているのかすら判断できない。どのように立っているのか、足を組んで座っているのかなんてとても分からない。

そのため、現在のVRタイトルではアバターの下半身を表示しないものもある。実情として、頭と手だけが表示されていればVRでのコミュニケーションには支障がない。しかし、もしも全身を使えれば表現の幅はさらに広がるだろう。

そうは言っても、全身のトラッキングを行うには複雑で高価なスーツが必要になるのが難点である。だが、Vive Trackerが一般ユーザにも普及すれば家庭用VRシステムでも全身のトラッキングが可能になりそうだ。

Vive Trackerによる全身のトラッキング

身体にVive Trackerを付ける

Vive Tracker

先日日本でも販売が開始されたHTCのVive Tracker。一般に販売が開始される前から、その自由度の高さに注目が集まっていたアイテムだ。これ自体はトラッキング可能なセンサーでしかないが、取り付けたものをVRのコントローラーとして使うことができる。

世界中のデベロッパーがVive Trackerを使ってときに実用的な、ときに怪しいトラッキング対応アイテムを作っている。Daydream Viewをルームスケールに対応させたり、猫にVive Trackerを装備したり(VR空間でも猫が見えるので、VR体験中に猫を蹴ってしまう事故が避けられるそうだ)と自由な発想が活かされている。

そんなVive Trackerを使って全身のトラッキングを可能にするHTCの計画については先日も伝えたとおりだが、ついにそのソースコードとサンプルが公開された。現在GitHubからダウンロードが可能となっている。

Vive IK Demo

このデモでは、全身のトラッキングに三つのVive Trackerを使用する。腰に一つ、両足に各一つのVive Trackerを装着することで、Vive本体とコントローラーによる上半身のトラッキングと合わせて全身をVR空間に再現する。

膝にはTrackerを付けていないため、この方法で完全にトラッキングできるのは腰と足の位置だけだ。デモでは、腰と足の位置、そして上半身の状態から膝の位置や向きを推測している。全身に多数のセンサーが付いたスーツのような精度は無いが、一般的な動きであれば十分トラッキングできるはずだ。

Vive Tracker本体は小さくて軽く、有線接続も不要だ。そのため、身体に固定するのは難しくないし、ユーザの動きを制限することもない。だが、人間の身体にTrackerを取り付けるとどうしてもフィットしない。隙間があって本体が傾くと入力がおかしくなってしまうため、身体にTrackerを付けるときには硬いもの(上の画像では厚紙)を使うことが推奨されている。

厚紙を使うのは見た目にも不格好だし、面倒だ。Vive Trackerを身体に付けるタイプのVRタイトルが販売されるようになれば、Tracker用のアクセサリーが登場するだろう。よりしっかりとTrackerを固定することで、入力の精度も高まるはずだ。

Vive Trackerの将来

Vive Trackerを身体に付ける

Vive Trackerは、まだまだ登場したばかりだ。ボディトラッキングの他にも、まだ発見されていない利用法が見つかるだろう。

しかし、ボディトラッキングに使うアイテムとしてのVive Trackerには問題もある。確かに本格的なモーションキャプチャーシステムに比べれば手軽で安価なのだが、このVive IK Demoでは三つのVive Trackerを使用している。

一つあたり12,500円なので、合計37,500円だ。ゼロから全身のトラッキングを行うには、Vive本体と対応PCも用意しなければならない。現時点では、Vive Trackerによる全身のトラッキングを一般のユーザに普及させるのは難しそうだ。

今後、Vive Tracker本体の価格が引き下げられれば可能性はある。技術的には素晴らしいし、デベロッパーの発想力が試される逸品でもあるVive Tracker。デベロッパーや一部の最新技術愛好家だけでなく、普通にVRを使うユーザにとっても手に取りやすい商品になってほしいものだ。

 

参照元サイト名:GitHub
URL:https://github.com/JamesBear/vive_ik_demo

参照元サイト名:Road to VR
URL:http://www.roadtovr.com/htc-releases-full-body-tracking-code-use-vive-trackers/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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