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【Japan VR Summit 2の裏側】国内最大のVRビジネスサミットの企画・運営はこんなふうに考えられていた

2017/10/19 17:02

2016年11月16日にロイヤルパークホテルにて開催されるグリー株式会社と一般社団法人VRコンソーシアム主催のVRビジネスイベント「Japan VR Summit 2(以下JVRS2)」。 10月23 ...

2016年11月16日にロイヤルパークホテルにて開催されるグリー株式会社と一般社団法人VRコンソーシアム主催のVRビジネスイベント「Japan VR Summit 2(以下JVRS2)」。

OculusのJason Holtman氏

OculusのJason Holtman氏

10月23日にはGoogle, Inc.からChief Game DesignerのNoah Falstein氏、そして10月31日の本日はOculusのJason Holtman氏が登壇者として参加することが伝えられ、同一イベントでHTC社、Oculus社、Google社が登壇する豪華な会となる。

開催規模も前回に比べ大きくなる予定で、収容人数や展示デモブース数も拡大し、VRデモの出展数は2~3倍になることが予定されている。

開催まで約2週間となり、今回はJVRS2を企画したグリー株式会社の担当者たちに、国内最大級となる本イベント開催に至るまでの舞台裏を徹底的にインタビューしました。

川口春香氏と若藤美貴夫氏

川口春香氏と若藤美貴夫氏

今回インタビューに応じていただいたのは、JVRS事務局長代行の川口春香氏とJVRSプロジェクトマネージャーの若藤美貴夫氏。

Japan VR Summit(JVRS)開催について

───そもそもJVRS開催をしようと思ったのはなぜでしょうか?
川口氏:JVRS開催前の日本国内ではVRイベントと言えばアカデミックなものや開発者同士の交流イベント的なものが主流で、ビジネスイベント寄りのものはほとんどなく危機感を持っていました。

その点、欧米などはVRを広める場作りとなるイベントがさかんで、プレイヤーも増えていっているのに対して日本は遅れていると感じましたし、誰かしらがビジネス寄りのイベントを始め、場作りをしていかないといけないという想いが強かったです。

なので先行している海外情報をイチ早く取り入れつつ、国内VR市場の拡大に貢献したいと開催を企画しました。

川口春香氏

───第1回開催時の苦労した点はどこでしょうか?
川口氏:VRのトップレイヤーの方々にご登壇いただくのがとにかく大変でした。

国内のVR関係者に関しては「VRを盛り上げよう」という気運が高まっていたので「想い」を伝えたところ、すぐに参加の了承を得られました。

海外の方との交渉は実績がないので困難を極めました。

───海外の方の交渉はどのように行われたのでしょうか?
川口氏:まずは「このヒト来てくれたら面白い」という方をピックアップし、その方にアプローチする手段を考えました。

サンフランシスコにグリーの拠点があるのでそこ経由でアプローチしたり、社内外の人脈を生かして交渉につなげたり、ある時は飛び込みでホームページの問い合わせ窓口から連絡をしたりもしました。

川口春香氏

最終的にはVRを盛り上げたい想いを伝えることで、飛び込み依頼でもBaobab Studiosさんは来てくれました。

───呼びたかったのに呼べなかった方などはいらっしゃいますでしょうか。
川口氏:言える範囲ですと、Magic LeapやHoloLensです。

───なるほどですね。登壇者の交渉以外にも運用面でも多々苦労があったと思いますが、そのあたりお聞かせください。

若藤氏:そうですね、登壇者が決まりましたらその方たちのプロフィール情報を集めるのですが、国内外から20名ほどの方の情報収集・管理をするのは地味に大変でした。

若藤氏

また、体験ブースの設営も実はかなり大変なんです。

第2回は14のブースが今のところ予定されているのですが、VRは機材も多く搬入経路もいろいろと考えないと事故につながる恐れがあるので段取りに時間をかけています。

さまざまな作業を抜け漏れなくするためにGoogle スプレッドシートを多用しました。

チケット管理などはシート上で集計し、集計結果を自動で関連スタッフにメール送信して共有しています。

また、来場者様に配布する資料に関しましても間違いがあってはいけませんし、細心の注意を払いました。

ロゴ制作秘話

───黒を基調にしたJVRSのロゴや資料などのトータルデザインが凄く印象に残りましたがどのように決定されたのでしょうか?
川口氏:こちらはJVRS事務局長であるグリー取締役の荒木とクリエイティブディレクターがデザインしました。

ロゴ制作の第一優先として国内初の大型VRイベントということで誰が見ても分かるように「VR」としっかり視認できるシンボルをメインとしてデザインをしました。

同時に、イベント名もしっかりと認識してもらうためにイベント名を配置しています。

JVRS2

イベントの継続性も考え、普遍的なデザインを第一に、多くの参加する企業様のサービスイメージを邪魔しないようスマートでシンプルなラインの組み合わせにしました。

ちなみに、第1回と第2回で斜線のカラーを変更しています。

───ネーミングも秀逸でしたね。
川口氏:ありがとうございます。最初は「サミット」「ジャパン」というワードが入っていて「なんだこれ?」という雰囲気もあったのですが、チケットも徐々に売れてNHKニュースおはよう日本でも「今週の予定:Japan VR Summit」と取り上げられるなど、最終的には格式あるブランディングに成功したのかなと思います。

───なるほどですね!さまざまな苦労がありましたが、第1回開催してみて良かった点を教えてください。
川口氏:HTC、Oculus、SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の3社が揃った初めてのイベントとして有意義なセッションを提供できたと思っています。

また、JVRSを通してVR事業を開始したという声も幾つかいただいていますし、企業同士のマッチングにも成功しているので良かったと思います。

若藤氏:半分以上の方がJVRS後のレセプションパーティーまで残ってくれて、食事目的ではなくVR関係者とつながるための交流として終了時間を超えても話を続ける方々がいらっしゃるなど、いい熱だったと思います。

川口氏と若藤氏

───第1回で出た課題はなんでしょうか?
川口氏:細かいことなんですが、事前のオリエンテーションの際、日本語が分からない登壇者の方がいることに気づき、急きょ私が英語で説明したことがありました。

他にも案内の目印となるサインボードも日本語だけが用意されていたので、第2回からはサインボード表記を英語・日本語で全表記します。

若藤氏:体験ブースでは整理券を使って順次対応していましたが、途中に取材などが入ると前後がうまく回らないところがあったり、セッション会場に一度入ると出にくかったり細かいところで運営上の課題は多々でました。

なので、第2回は体験して参加者同士が交流できる部分を重視し、体験スペースの拡大をしています。

若藤氏

Japan VR Summit 2(JVRS2)開催について

───第2回の企画は第1回が終わってすぐに始まったんですか?
川口氏:企画は5月に行った第1回が終わって比較的すぐに始めましたね。
そこから企画をある程度固めてチーム結成をしたのは8月です。

───第2回をやることはあらかじめ決まっていたんですか?
川口氏:そうですね。立ち上げ当初からその話はしていて、VR市場は半年も経つとガラリと変わっているだろうということで年2回(半年に1回)で計画をしておりました。

若藤氏:その読みは正しくて、半年後の今回はGoogle社さんのDayDreamが出てきて、今回登壇いただけることになり、とても価値があると思います。

川口氏:DayDreamに関してGoogle関係者からお話を聞けるのは日本では今回が初めてではないかと思います。

若藤氏:個人的にはDayDreamのヘッドセットを持ってきてもらえるとうれしいですね(笑)

若藤氏と川口氏

───その想いは筆者も同じです(笑)しかし、よく登壇にこぎつけましたね。
川口氏:結構ハードルは高かったんですが、日本にはVRの優秀な開発者が多く市場として魅力的なようです。

若藤氏:GoogleやOculusは自社で自国でイベントをやるので、他社と比較されながらの横並びでのイベント開催は考えられない。

それがJVRS2のセッション1ではHTC、SIE、Oculus、Googleが集まってパネルディスカッションが開催される。これは大変貴重な機会だと思います。

───やはり1回目よりも2回目のほうが登壇の交渉はスムーズでしょうか?
川口氏:そうですね。協賛企業様も前回よりも多くついていただいております。

───第1回から改善した点を教えてください。
川口氏:中国VR市場の方々にご登壇いただきますが、プラットフォーマーなどもいらっしゃいますし、そういった方々は日本のコンテンツにも非常に興味を持っております。

ビジネスマッチング的な観点からもフォローしていきたいと考えておりまして、中国からの登壇者の方には英語・中国語ができる通訳をベタ付きでつける予定です。

第2回はVRのキーパーソンに出会えるイベントとしての価値を提供していきたいと思います。

若藤氏と川口氏

また、第1回よりもチケットの価格を上げました。

前回も参加者のうち、8割は会社の意思決定者層に当たる方々だったのですが、その中でも経営者の方はうち3割でした。

今回はここの数字を少し増やしたいというのと、そうすることで海外から来てほしい方々を呼ぶことができますので。

───なるほどですね。第1回の時の収支はどうだったのでしょうか?
川口氏:弊社人件費を除いてトントンというところでしょうか。

───運営は何名でやられたのでしょうか?
川口氏:コアメンバーが10名で、後は部署またぎでのヘルプが10名です。

───開催期間を複数日にする計画などもあったのでしょうか?
川口氏:個人的な構想としては考えましたが、2日間ターゲット層である経営者や意思決定者を呼ぶのは難しいのではないかということで、荒木とも相談して1日開催でのイベントとなりました。

ただ、今後の開催ではそのときの状況によって臨機応変に会を変化させていきたいと思います。

───JVRSを運営する上で注意している点はなんでしょうか? 
川口氏:グリーとしてはあくまで中立的なポジションであることを意識しています。

JVRSを通してVR業界が盛り上がり、プレイヤーが増えることで結果私たちのVR事業も成長できれば良いなという立ち位置です。

JVRS3についての構想

───第3回以降の構想も既にお持ちでしょうか?
川口氏:はい、あります。私としてはこうしたイベントは5年後まで構想するようにしています(笑)

なので、企画的これはまだ時期尚早だな、という内容のものも結構あります。

川口氏

───それは凄いですね。
川口氏:以前、新規事業を立ち上げた際に、安易に決めたことが延々と続けられ、それが数年後のボトルネックになった苦い経験から長期的な視点で物事を捉えるようにしています。

若藤氏:川口に限らず、ハードウェアを持っている事業者様はそういった長期構想を持っていないとやっていけないと思いますので、JVRS2のセッション1で2020年のビジョンを語るのは非常に良いかと思っております。

まもなく開催のJVRS2の現状と意気込み

───開催2週間前ですが、今は追い込み段階でしょうか?
川口氏:常に追い込まれてます(笑)
若藤氏:決まったことと決めてないことの量が追いつかないんです。どんどん決まってないことが増えていく感じですね(笑)
川口氏:ただ、会場のデザインやイベントの内容など徐々にイメージできるようになってきて楽しいです。

───お二人のJVRS2成功のKPIはなんでしょうか。
川口氏:参加者の方が喜んでくれるのを肌で感じる部分で判断したいと思います。

若藤氏:JVRSをきっかけにVR事業に取り組む会社を増やせるようにしたいです。

若藤氏

───最後に、意気込みをお願いいたします。
若藤氏:今回も非常に価値のあるイベントになると思います。
VRについて聞く、体験ブースで知る、ネットワーキングの時間に話す、これが全て1日でできるのがJVRSの価値だと思いますので楽しみにしていてください。

川口氏:日本でオンリーワンのVRビジネスイベントですので、是非参加ください。

早割チケットの販売期間延長

OculusのJason Holtman氏の登壇も決まりましたので、特別に早割チケットの期間も11月4日金曜18時まで延長いたします。

川口氏

チケットは残りわずかなので、参加を検討される方はお急ぎください。

Japan VR Summit 2
http://jvrs.org/02/ja/

JVRS2:セッション1 登壇者追加情報

Jason Holtman

ジェイソン・ホルトマン氏はOculus社のパブリッシング部門長を務める。主な仕事はユーザーに素晴らしいコンテンツを提供することと、世界でトップクラスのVR開発陣とプレイヤーのエコシステムを構築していくこと。

Oculus社に就任する以前はValve社のSteamの開発と運営などを担当。
エンターテインメント業界に勤める前は弁護士としてテクノロジー関連の法務にも携わった。スタンフォード大学ロースクール卒業。

トモ


何十年も前からあるVRがようやく一般で広まりつつあるなか、課題は「ハード」と「体験」の2軸と思っています。これからリリースされる新しいVR機器を余すことなく紹介すること、そして体験したVRの良さを少しでも伝えることでVR市場の成長に貢献します。

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