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Kinectを使えばOculus Riftでも全身のトラッキングが可能になる

VRで全身のトラッキングをする方法としては専用のスーツやVive Trackerを使う方法があるが、いずれも高コストだ。一部のファンの間では、代替手段としてXbox用に開発されたKinectを使うことで全身のトラッキングを行う方法が研究されているという。

Kinectでプレイヤーの動きをトラッキング

Kinectでプレイヤーの動きをトラッキング

HTC Vive、Oculus RiftあるいはPSVRといったVRヘッドセットでは、ハンドトラッキングコントローラーを使うことでユーザの手がどこにあるかをトラッキングできる。だが、ヘッドセット本体とハンドトラッキングコントローラーだけでは下半身の動きをトラッキングできない。

ヘッドセットの移動をトラッキングすることで「しゃがむ」「歩く」などの動作を推測はできるが、足の位置を正確に追跡していないので「キック」のような動きは分からない。

そこで、マイクロソフトがXbox用に開発したKinectを使ってVRで全身のトラッキングを行う方法が利用できるという。HTC ViveとOculus Riftの両方でKinectのセンサーによる入力を利用できるようだ。

VRにおけるフルボディトラッキング

Vive Trackerで下半身をトラッキングする

Vive Trackerで下半身をトラッキングする

Vive Tracker

HTC Viveでは、別売のアクセサリとして販売されているVive Trackerを身体に付ける方法で全身のトラッキングを行うこともできる。ただ、この方法には複数のVive Trackerが必要だ。

左右の足で2つのVive Trackerを使うのに加え、さらに全身のトラッキング精度を高めるならば腰にもVive Trackerを取り付けるので3つ必要になる。国内だと、Vive Trackerは12,500円だ。3つ揃えるとなるとVive本体とVR対応のパソコンに加えて37,500円とけっこうなコストがかかる。

また、Vive TrackerはHTC Vive用のアクセサリだ。HTC公式の回答としては「Vive Trackerの利用にはVive本体が必要」とされており、Oculus Riftを使うVRシステムや非VR用途でそのトラッキング技術を利用することはできないとされている。過去にOculus RiftでVive Trackerを動作させた例もあるが、あくまでも非公式なものだ。

スポーツ選手のトレーニングに使われるVRアプリへの採用なども考えられているが、一般のVRユーザにとってはやや高コストなデバイスとなってしまっている。

Kinect

VRデバイスでのトラッキングに利用するために開発されたVive Trackerと異なり、Kinectはもともと家庭用ゲーム機Xbox 360のためにマイクロソフトによって開発されたデバイスだ。このデバイスをVRで利用するのはちょうど、ソニーがPS3用のアクセサリとして開発したPlayStationカメラとPS MoveをPSVRのコントローラーとして使ったようなものである。

第一世代のKinectはXbox 360用に作られたが消費者からの反響は小さく、次世代機であるXbox Oneでも同様だった。昨年のXbox One Sになると、ついにマイクロソフトはこのデバイスを見限ってしまったようだ。Xbox One Sには、Kinectを接続するためのポートが存在しない。

生き続けるKinect

Kinectで全身のトラッキングを実現する

Kinectで全身のトラッキングを実現する

Kinectを開発したマイクロソフト自身が見切りをつけてしまったにもかかわらず、一部のガジェット好きはこのデバイスを高く評価しているようだ。

Amazonでも購入できる安価なアダプタを使えば、XboxではなくPCの周辺機器としてKinectセンサーを認識させることができる。さらにDriver4VRのユーティリティを使えば、Kinectセンサーを使ってVRで全身のトラッキングが可能だ。

センサーによる違い

もし手元にXbox 360用に開発された第一世代のKinectセンサーがあるなら、HTC ViveとOculus Riftで動作する。さらに、RiftCatユーティリティによってモバイルVRにフルボディのトラッキングを対応させることも可能だという。

だが、より新しいKinect 2.0(Xbox One用)であれば対応プラットフォームはOculus Riftのみになる。

必要なもの

Kinectを使ったVRでのフルボディトラッキングに必要になるのは、以下のものだ。

  • ・VRヘッドセット
    HTC ViveまたはOculus Rift、あるいはモバイルVR。所有するKinectのバージョンによって対応プラットフォームが異なる。
  • ・Kinectセンサー
    Oculus Riftであれば新旧どちらでも良い。HTC Viveで使用するならば旧バージョンが必要だ。
  • ・変換アダプタ
    マイクロソフトはWindows用のKinectの販売を終了しているため、Xbox用のKinectを接続する公式またはサードパーティ製の変換アダプタが必要になる。
    Xbox One用は純正品が販売されており、Xbox 360用はサードパーティのものが利用できる。
  • ・Kinect用ランタイムドライバ
    Xbox 360用はバージョン1.8、Xbox One用はバージョン2.0が必要になる。
  • Driver4VRユーティリティ
    ダウンロードするためには、無料のユーザ登録が必要になる。

 

マイクロソフトのKinectはXboxの2Dゲームではあまり注目されることがなかったが、VRの登場によってトラッキング技術の重要性が高まっている。今後、Kinectに使われた技術が進化してVRゲームにおけるフルボディトラッキングに利用されていく可能性もある。

現時点では一部のユーザが独自に利用しているに過ぎないが、このまま忘れるには惜しいデバイスだ。

 

参照元サイト名:Tom's Hardware
URL:http://www.tomshardware.com/news/driver4vr-kinect-full-body-vr-tracking,35476.html

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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