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Lampix、ARコンテンツ開発に使う画像をブロックチェーンで管理するデータベースの提供開始

海外メディアBitcoinmagazineは、Lampix社が提供開始したブロックチェーンを活用した画像管理システムを紹介した。

ネットワークを「民主化」するブロックチェーン

最近よく耳にする仮想通貨を可能としているテクノロジー「ブロックチェーン」のいったい何が画期的なのだろうか。その画期的な特徴を一言でいうと、「中央管理者不在のネットワークを可能とすること」である。

経済産業省作成資料より引用したブロックチェーンの模式図

クライアントサーバーシステムのような通常のネットワークでは、ネットワークの基幹処理を中央集権的に管理する管理コンピュータおよび管理者が不可欠である。商用ネットワークの場合、企業が管理者となりネットワークを運用する。ネットワークの保守管理は運営企業が担当し、保守管理に要するコストは運営手数料としてネットワークの利用者が負担することになる。こうしたネットワーク利用の身近な例が、ATM手数料のような金融取引手数料だ。

ブロックチェーンを用いてネットワークを構築すると、ネットワークの保守管理を担当する管理者が不要となる。ブロックチェーンがこうした分散型ネットワークを構築できるのは、ブロックチェーン・ネットワークで実行された処理の整合性を保証する「マイニング」という作業を任意のユーザーが実行するからである。

ブロックチェーンとは、言わばネットワークに参加しているユーザー自身がその安全性と健全性を保証する「民主的な」ネットワークを可能とするテクノロジーなのだ。

(参考ページ)
経済産業省作成「ブロックチェーン技術を活用したサービスに関する国内外動向調査報告書(概要)」

画像管理の民主化を目指して

アメリカ・ニューヨークに拠点をおくスタートアップLampixは、画像管理にブロックチェーンを活用するビジネスの提供を開始した。

同社CEOのGeorge Popescu氏は、以上のようなブロックチェーン・ビジネスについて以下のようにコメントしている。

既存の画像データベースは、例えばGoogleのようにデータベースを構築した企業が管理しています。しかし、この仕組みはふたつほど問題点があります。

ひとつめの問題点は、Googleのような管理企業がデータベースをコントロールしていて、ライバル企業に対してデータベースのアクセス権を奪って使えなくすることができます。

ふたつめの問題点は、データベースの情報は管理企業が必要と感じているものに限られることです

こうした問題点を克服するために、ブロックチェーンを活用した画像データベースを構築する、というわけである。

ブロックチェーンとARコンテンツ開発の関係

ところで、ブロックチェーンを活用した画像データベースとARコンテンツ開発は一体どのように関係しているのか。

実のところ、ARコンテンツには人工知能が活用されている。ARコンテンツにおいては、カメラで撮影した画像の認識が伴うのが常であるが、この画像認識に人工知能が使われているのである。

そして、人工知能が実行する画像認識の精度を高めるには、機械学習というプロセスが不可欠である。機械学習とは、簡単に言えば、人工知能プログラムに大量のデータを与えて、そのデータの特徴を抽出させることである。例えば、コップの画像の認識精度を高めるためには、大量のコップの画像が必要なのだ。

まとめると、ARコンテンツにおいて実行される人工知能の画像認識の精度を高めるために、大量の画像データが必要というわけなのである。そして、ブロックチェーンで画像データベースを構築すれば、人工知能が必要とする大量の画像データが格安で利用できるようになる。

仮想通貨「PIX」の仕組み

Lampix社は、ARコンテンツに実装される人工知能のために、ブロックチェーンを活用した画像データベースを構築した。そのデータベースを使ったビジネスの仕組みは、以下のように説明できる。

  • 1.Lampix社は、はじめに仮想通貨「PIX」を1PIXあたり$0.12で販売する
  • 2.人工知能の機械学習のために画像データベースを使いたい開発者は、このPIXを購入する
  • 3.Lampix社が構築した画像データベースの画像は、任意のユーザーが提供できる
  • 4.画像データベースに画像を提供したユーザーは、その見返りにPIXをもらう
  • 5.データベース・ユーザーはマイニングを実行することによってもPIXを得ることができる
  • 6.PIXは、現在運用されているほかの仮想通貨(Gatecoin、Bittrex、Kraken、Yunbi等)に換金できる

以上のようなビジネスモデルからわかることは、次のようなことである。すなわち、開発者が画像データベースを使えば使うほど、仮想通貨「PIX」の価値は値上がりする。そして、画像データベースに画像を提供するユーザー、およびデータベースの維持のためにマイニングを実行するユーザーは獲得したPIXを他の仮想通貨に換金することによって、リアルな市場で使える貨幣価値を得る

なお、Lampix社が行うのは最初のPIXの販売だけで、画像ネットワークが稼働し始めたら、とくに運営には関わらなくていいのだ。

同社が描くビジネスモデルが想定通り稼働すれば、画像データベースに関わるヒトすべてが利益をえる理想的なネットワークとなるだろう。こうしたネットワークを可能とするブロックチェーンはあらゆる取引に応用されるポテンシャルを秘めている。そして、その応用範囲にはXRテクノロジーも含まれているのだ。

Lampix公式サイト
https://www.lampix.co/

Lampix社が提供開始したブロックチェーンを活用した画像管理システムを紹介したBitcoinmagazineの記事
https://bitcoinmagazine.com/articles/how-blockchain-could-become-image-dataset-repository-arvr/

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